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#こんな時だからこそ読みたい本 幻冬舎社員リレー

2020.06.24 公開 ツイート

宇宙人と交信するための9のキーワード。ハビタブルゾーン、フェルミのパラドックスほか 幻冬舎編集部

2020年6月17日、仙台上空で未確認飛行物体が発見され、SNSなどを中心に話題になりました。

SNS時代になってから、国内でここまで話題になる目撃情報はなかったかと思います。

 

形状や動きを見るに、いわゆる宇宙人の乗り物としてのUFOではなさそうな気もしますが、その可能性も決して否定はできません。なんせ未確認な飛行物体ですから……。

それからちょうど一週間経った6月24日は「UFOの日」。これは偶然?それとも…ということで、UFOや宇宙人系の読み物で必須知識となる9つのキーワードをご紹介させていただきます。

#こんな時だからこそ読みたい本 という連載ですが、リンク先はほとんど本の抜粋記事(無料で読めます!)にしていますので気軽に飛んでみてください。

この記事で紹介するキーワードはこちらです。

  • ケネス・アーノルド事件
  • ハビタブルゾーン
  • パンスペルミア仮説
  • アレシボ・メッセージ
  • ドレイクの方程式
  • フェルミのパラドックス
  • 動物園仮説
  • カルダシェフ・スケール
  • グレート・フィルター

(幻冬舎plus メルマガ担当・柳生)

ケネス・アーノルド事件

(画像はイメージです:iStock.com/PhonlamaiPhoto)

「空飛ぶ円盤」としてのUFOのイメージを確立し、6月24日が「UFOの日」となった由来ともなる事件。

1947年6月24日にワシントン州上空を飛行していたアメリカ人の実業家、ケネス・アーノルドが超高速で飛行する謎の物体を目撃しました。

そのわずか3日前の6月21日にはモーリー島事件(UFOが墜落した際の破片とされる金属が見つかった事件)、また7月にはロズウェル事件(アメリカ軍が墜落したUFOと宇宙人の遺体を回収したとされる事件)が起こり、最初の世界的なUFOブームが到来しました。

ただケネス本人の証言ではUFOの動きの形容として「水面をはねるコーヒー皿のような飛び方」という表現を使ったのが、UFOの形がコーヒー皿(円盤)のようだ、と誤って伝えられ、そのままUFOの形が空飛ぶ円盤として定着してしまったそうです。

ハビタブル・ゾーン

©NASA

ケネス・アーノルド事件は目撃者がケネス本人のみであったり、モーリー島事件に至ってはのちに本人がイタズラであると告白したりと、疑わしい部分も大いにあります。

果たして宇宙人は存在するのか。

それを科学的に解明するためのキーワードのひとつが「ハビタブルゾーン」です。

「ハビタブルゾーンとは、「居住可能領域」などと訳されますが、恒星に近すぎもせず遠すぎもせず、惑星表面に液体の水が存在し、宇宙生命にとって住みやすい領域とされます。

(中略)

そういうハビタブルゾーンにある岩石型惑星は、研究者によって数えかたがちがうのですが、2018年11月現在、30個~100個ほどあがっていて、どんどん増加中です。」

火星や金星は本当に「生命がいない星」なのか?|宇宙はどこまでわかっているのか|小谷太郎 - 幻冬舎plus より

生命が生まれるために必要な水が液体で存在できる、恒星(太陽のような星)からちょうどいい距離、がハビタブルゾーンです。

その距離にある星であれば生命の存在する可能性があるため、それらを中心に調査を進めていけば、宇宙人の痕跡が見つかるかもしれません。

パンスペルミア仮説

(画像はイメージです:iStock.com/SKY2014)

生命が生まれるための環境があっても、そこに生命が誕生するかどうかは別の話です。

そもそも地球の生命はどうやって誕生したのかも、明確なところはわかっていません。生命誕生の過程を説明する説の中でもとりわけ面白いのが、生命自体が宇宙から飛来したのではないかという、パンスペルミア仮説です。

近年、地球大気の高層部にまで微生物が存在することが明らかになってきました。生命は、いったいどんな環境下まで耐えることができるのでしょうか。

もし、生物が宇宙空間でさえ生きたまま移動することができるなら、宇宙には普遍的に生命が存在するのかもしれません。この考えを「パンスペルミア仮説」と言います。

隕石の中のアミノ酸が教えてくれる生命誕生の謎|地球外生命は存在する!宇宙と生命誕生の謎|縣秀彦 - 幻冬舎plus より

ある意味『月刊ムー』的な説のようにも見えますが(ムーといえばムー編集長の三上丈晴さんと天文学者の小谷太郎さんの超科学対談も必見!)、証拠が次々と見つかっている説。

空想から仮説が生まれ、仮説が検証されて事実となる。その過程こそ科学です。

アレシボ・メッセージ

宇宙人を見つけるのとは逆に、宇宙人に見つけてもらう、というアプローチのひとつがアレシボ・メッセージです。

米国のカール・セーガンは、1974年、プエルトリコにある当時世界最大(口径305メートル)のアレシボ電波望遠鏡より、2万4000光年離れた球状星団M13に向けて、地球人からのメッセージを発信しました。宇宙人が解読可能な情報とは、いったいどんなものでしょうか。

(中略)

電波に乗って宇宙空間を渡っていく信号は、トンとツーで表現されるモールス信号同様、0か1かのデジタル信号(2進数)です。

M13の宇宙人は、このメッセージの2進数をまずは素因数分解し、素数を見つけ出します。そして、23×73の素数からそれぞれを横軸、縦軸のマス目とし、0を白く、1を黒く塗りつぶしていくと、そこに地球人からのメッセージが図示されるという仕組みでした(次図参照)。

宇宙人へのメッセージは何語で書けばいい?~アレシボ・メッセージ~|地球外生命は存在する!宇宙と生命誕生の謎|縣秀彦 - 幻冬舎plus より

この図はよく数学や宇宙文明のイメージのモチーフになっているので、見たことがある、という方も多いかと思います。

私も以前、「眼の冒険 デザインの道具箱(リンク先:Amazon)」という本を読んでいたとき、本を閉じたときの側面(小口)に、この図が浮かんでくるのを見つけて大興奮しました(そういう遊び心のある本っていいですよね)。

ドレイクの方程式

(画像はイメージです:iStock.com/ALLVISIONN)

このようなメッセージを送ったり、受信しようとする試みは数多く行われていますが、そのようにメッセージのやりとりができる可能性はどれほどあるのでしょうか。

それを算出するため、1961年にアメリカの天文学者、フランク・ドレイクによって考え出されたのが下記のような方程式です。

N(この銀河系で、人類と交信できる可能性のある地球外文明の数)
=この銀河系で1年間に生まれる恒星の平均数
 ×それらの恒星が惑星を持つ確率
 ×それらの惑星の中で生命が存在しうる環境にあるものの平均数
 ×それらの惑星で生命が誕生する確率
 ×生まれた生命が知的に進化する確率
 ×その生命が星間通信手段を持つ確率
 ×その文明が星間通信をし続ける平均期間

この方程式にドレイク自身が当時妥当と考えられた値を代入していくと、N=10となりました。

つまりこの銀河系内に、メッセージのやりとりをできる可能性のある地球外文明が10個程度存在している、と推定されたのです。

フェルミのパラドックス

(画像はイメージです:iStock.com/anatoliy_gleb)

では彼らはどこにいるのか?

これは物理学者のエンリコ・フェルミ(「フェルミ推定」でお馴染み!)が投げかけた問いです。

ドレイクの方程式も然り、フェルミによる別のアプローチからの計算も然り、地球外文明が存在する可能性は十分あると推定されました。

それなのに、実際に地球外文明が存在する証拠を人類が発見できていないのはおかしいのではないか、という矛盾がフェルミのパラドックスです。

動物園仮説

(画像はイメージです:iStock.com/Nastco)

フェルミのパラドックスはさまざまに議論されてきましたが、その中で提唱された1つの説が動物園仮説。

宇宙人たちの間では既に地球の存在が認識されているが、文明レベルが低いため自然保護区のような扱いで、あえて干渉されない状態になっている、という説です。

カルダシェフ・スケール

(画像はイメージです:iStock.com/gorodenkoff)

それでは地球の文明レベルは宇宙的視野で見るとどの程度なのでしょうか。1964年に旧ソ連の天文学者、ニコライ・カルダシェフによって文明の進度を計る尺度が提唱されました。

第1段階は惑星に降り注ぐ恒星(地球にとっての太陽)のエネルギーをすべて活用できる段階。
第2段階は一番近い恒星のエネルギーを全て活用できる段階。
第3段階は銀河全体のエネルギーを活用できる段階。

この中で地球はまだ第1段階にも達していない、とされています。

技術的にはもちろん、差別、戦争、貧困、自殺などの問題が解決できていない現状を鑑みると、精神的・政治的にも成熟していないと言えるでしょう。そんな中で地球文明と交流しても、確かに地球外文明側のメリットは少ないのかもしれません。

グレート・フィルター

(画像はイメージです:iStock.com/sunyaluk)

フェルミのパラドックスを解決するもう1つの考え方が、グレート・フィルターです。

これは生命(文明)の進化の過程には、超えるのが難しい大きな障壁がある、というもの。

もし人類がグレート・フィルターを既に超えた(ドレイクの方程式のどこかの段階に存在していた)とすれば、人類がこの宇宙の中で唯一進んだ文明なので、他の文明との交信もできない。

逆に人類がまだグレート・フィルターを超えていないとすれば、星間を自由に行き来するようなレベルになるまでのどこかの段階(カルダシェフ・スケールのどこか)にグレート・フィルターが存在しているため、地球外文明も地球にその痕跡を残せない

前者の場合はロマンがないですし、後者の場合は人類もグレート・フィルターを超えられない可能性が高いためやがて滅亡する運命にあるという、どちらにしても悲しい理論です……。

書籍『宇宙人の探し方(リンク先:幻冬舎plusストアの書籍情報)』ではこのグレート・フィルターの詳細や、ポジティブな見解も述べられています。

最後に

(画像はイメージです:iStock.com/ktsimage)

人類は昔から「宇宙の隣人」のことを想い、もしかすると遭遇さえしてきました。

各地の古代文明の美術品には宇宙人や宇宙船、宇宙飛行士のようなモチーフがあったり、日本でも江戸時代に「虚舟(うつろぶね)」というUFOのような乗り物と、それに乗ってきたという女性のイラストが残されています。

衛星写真でしか全体像が捉えられない、ナスカの地上絵は、UFOの発着場だという説もありますし、月や火星に人工物らしき影が写った、とする写真もあります。

火星はこれまで何世紀にもわたって、「生命がいそう」と思わせる発見を小出しにして、人類の気を引いてきました。

その中には、間違いや単なる思い込みもあったのですが、何度空振りに終わっても、孤独な人類は火星に期待することをやめられません。

人類は火星を愛しているのです。

孤独な人類は火星生命をあきらめられない|宇宙はどこまでわかっているのか|小谷太郎 - 幻冬舎plus より

広い宇宙のことを考えたとき、地球だけにしか生命が存在していない、という孤独な想像は人類には耐え難いのでしょう。

そして宇宙人がいるかいないか、実際のところはよくわかっていません。「よくわかっていない」というのは、ある意味救いでもあります。

ロマンあふれる仮説を立てる余地があるということですから。

思えば宇宙物理学の発展は、人類の予想をくつがえす意外な発見の連続でした。井の中のかわずのような人類が、せまい井戸を見まわして大海を想像しても、常に宇宙はそのまずしい発想をとび越えて、驚きの姿をあらわしてきました。

(中略)

地球しか合格しないようなハビタブルゾーンの概念をとび出し、生命に必要だと信じられていた種々の条件をけりとばし、地球生命とは代謝も分子構造も元素組成も歴史も環境もまるきりちがう、そういう生命で宇宙は満ちているかもしれませんよ。発見の日が楽しみです。

火星や金星は本当に「生命がいない星」なのか?|宇宙はどこまでわかっているのか|小谷太郎 - 幻冬舎plus より

宇宙の神秘を解明するのは、これを読んでいるあなたかもしれません。

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