
うつの症状が重いと、「何にも楽しいことがない」「欲しいものがない」「やりたいことがない」と意欲が減退し、欲望が減少するときがある。食べたいものも、もちろんない。そんなときに、献立のアイデアを出すのは大変である。
私がそういう状態で献立づくりに苦しんでいたとき、ますます自分を追い詰めてしまったのは、「日替わりのバラエティある献立で、回すべきである」「ちゃんとていねいに手づくりしなければならない」という理想論のせいだった。理想とほど遠い自分を責めていたことが、毎日をよけいしんどくさせていたのかもしれない。
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料理ができない!うつ病が教えてくれた家事の意味

うつ病になったら、料理がまったく出来なくなってしまったー。食をテーマに執筆活動を続ける著者が、闘病生活を経て感じた「料理」の大変さと特異性、そして「料理」によって心が救われていく過程を描いた実体験ノンフィクション。
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