2025年7月7日 まじないワークショップ辛酸なめ子

おまじないの力を借りたくなる今日この頃。龍神山岳信仰由来の洞呪術が伝わる嶽啓道（がっけいどう）を受け継いでいらっしゃる、きりん堂さん。彼女のパワーがあふれる個展会場に伺わせていただきました。

会場は浅草のブレーメンハウス。2階で「地龍の祈り」のワークショップやお話できる機会に参加いたしました。

駒草出版より「嶽啓道まじなゐ作法」が出たばかりで、拝見したらこんな奥義を公開してしまって大丈夫なのか？　と思わせるディープな内容でした。きりん堂さんが先祖代々伝えられたまじないの数々やエピソードがまとめられています。(本田不二雄さんとの共著)

「疫病よけまじない」「気力、体力、精力の回復まじない」、財運関係もいろいろあって、貸したお金が返ってくるまじないなど。縁切り、縁結び、ペットの健康から霊障対策まで、人生のあらゆる問題に対応しています。スマホで符を撮影しておいてそれを使う、という現代的な手法も。困ったことがあったら実行したいです。ちなみにストーカーとかがよこしまな思いを抱いてまじないを実行しても、ポジティブな善意でやらないと叶わないとのことでした。

2階の展示室には和紙にワイルドに筆で描かれた護符が展示されていて、かなり本格的で「しんら」(宇宙そのもの)の霊気がみなぎっていました。まじない空間で心身が整います。

きりん堂さんによると、来年の午年の節分以降は、そのまま駆け抜けて後戻りできない年になるので、自分の至らない部分ややっておくべきことは、今年中にすませておくべき、とのこと(本来なら夏越の大祓までに)。部屋や人間関係の整理を進めたほうが良さそうです。そうでないと、邪魔なものが心身についたまま生きることになって辛い感じになるそうです。

2階の和室で「地龍の祈り」のまじないに参加させていただきました。一人一枚、和紙を皆で重ね合わせ、霊力が高まった感がありました。

きりん堂さんは龍神と一体化しているからか、護符を描くとき若い頃は4徹、去年まで2徹、今でも1徹半とのことで驚きました。私は基本0徹です……。そうやって精魂がこめられた符は、アートとしてもかなりの存在感で、しかも人や家を守ってくださるという、一石二鳥の作品です。

そのあとの雑談タイムで、山の神を怒らせると怖い話(山の神にとって都合が悪いとどんどん死人が……)や、山に入る前は熊や猿の鳴きまねをして、返事が返ってきたら入山しないというライフハック、最近の精霊はファッションも多様化しているなど、興味深いエピソードを伺えました。きりん堂さんも猫と暮らしていたそうですが、猫は毛で祓うパワーがある、というのを聞いてますます猫へのリスペクトが高まりました。