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「令和」の心がわかる万葉集のことば

2019.04.27 更新 ツイート

ことだま――大和(やまと)は言霊の幸(さき)はふ国上野誠

ことだま

一つ一つの言葉には、一つ一つの魂のような感覚があります。これが「ことだま」というものです。

一般的には、言葉に宿る霊と考えられていますが、そう考えるよりも、むしろ、言葉の機能として考えたほうがよいと思います。

たとえば、「あけましておめでとう」といいますが、新年になったばかりなので、まだその年がおめでたい年かどうかわかりません。前の年のほうがよい年だったという可能性もあります。しかし、年が明けたなら、まずそれを祝い、祝福するわけです。

(写真:iStock.com/trusjom)

「よい子だ、よい子だ、寝ん寝」といっても、赤ん坊はそんな言葉はわかりません。それでも、よい子だといえば、よい子になると声に出すわけです。

大和(やまと)は「ことだま」が祝福してくれる国だということを万葉ことばでは「大和は言霊(ことだま)の幸(さき)はふ国」と表現します。言葉による祝福が現実に、機能する国だということです。

こんな年賀状はいかがでしょうか。

「明けましておめでとうございます
大和は言霊の幸はふ国ですから
祝福などいらないのでしょうが
それでも幸多かれと祈るのが人間
だと思います」

 

(三二五四)

磯城島(しきしま)の 大和(やまと)の国は 言霊(だま)の

助(たす)くる国ぞ ま幸(さき)くありこそ

 

磯城島の 大和(やまと)の国は…… 言霊(ことだま)の

助け給(たま)う国 幸あれ──

上野誠『「令和」の心がわかる万葉集のことば』

万葉集の巻五から採られた新元号の「令和」。そこに込められた万葉ことばの心、おだやかな日を寿(ことほ)ぐ1300年前の先祖たちの思い……。8世紀のことばの文化財・万葉集に使われている「万葉ことば」(古き日本語)を学び、心を磨く日本語練習帳。

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「令和」の心がわかる万葉集のことば

万葉集の巻五から採られた新元号の「令和」。そこに込められた万葉ことばの心、おだやかな日を寿(ことほ)ぐ1300年前の先祖たちの思い……。8世紀のことばの文化財・万葉集に使われている「万葉ことば」(古き日本語)を学び、心を磨く日本語練習帳。

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上野誠

 1960年、福岡県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。博士(文学)。現在、奈良大学文学部教授(国文学科)。国際日本文化研究センター研究部客員教授。万葉文化論を専攻。第12回日本民俗学会研究奨励賞、第15回上代文学会賞、第7回角川財団文学賞受賞。『万葉びとの宴』(講談社)、『日本人にとって聖なるものとは何か』(中央公論新社)など、著書多数。近年執筆したオペラや小説も好評を博している。

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