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「令和」の心がわかる万葉集のことば

2019.05.02 更新 ツイート

かしこし ―― 恐れおおい。「かしこまる」に意味は残る上野誠

かしこし

先日、テレビを見ていて、こんな難しい言い方をしても、誰もわからないのではないかと思ったことがありました。

かしこきあたりにおかせられましては、貴殿に恩賞を、たまわるとのこと

この場合の「かしこきあたり」とは、宮廷とか天皇という意味ですから、宮廷が恩賞を与えるであろうといっているのです。

(写真:iStock.com/Tawaraya-shinmei)

現代語の「かしこい」は、主として利口だということですが、万葉集においては、恐れおおいということです。したがって、「かしこきあたり」とは、恐れおおいところということで、具体的には、宮廷や天皇を指すのです。

「かしこし」の古い使い方が「かしこまる」という言葉に残っています。「かしこまる」という動詞は、恐れおおいということを察知して、慎んだ態度を取るという言葉です。客から頼みごとをされて、「かしこまりました。」というのは、そのためです。

上野誠『「令和」の心がわかる万葉集のことば』

万葉集の巻五から採られた新元号の「令和」。そこに込められた万葉ことばの心、おだやかな日を寿(ことほ)ぐ1300年前の先祖たちの思い……。8世紀のことばの文化財・万葉集に使われている「万葉ことば」(古き日本語)を学び、心を磨く日本語練習帳。

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「令和」の心がわかる万葉集のことば

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上野誠

 1960年、福岡県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。博士(文学)。現在、奈良大学文学部教授(国文学科)。国際日本文化研究センター研究部客員教授。万葉文化論を専攻。第12回日本民俗学会研究奨励賞、第15回上代文学会賞、第7回角川財団文学賞受賞。『万葉びとの宴』(講談社)、『日本人にとって聖なるものとは何か』(中央公論新社)など、著書多数。近年執筆したオペラや小説も好評を博している。

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