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「令和」の心がわかる万葉集のことば

2019.04.22 更新 ツイート

よろずよ――「よ」は区切られた時。天皇の一生は「みよ」上野誠

よろずよ

「よ」とは、区切られた時をいいますから、人の一生も「よ」です。天皇の一生は「みよ」(御代)です。つまり、「代」というものが、次々につながれて、歴史は続いてゆくものなのです。

ということは「よろずよ」とは、「よ」がたくさんあるということです。そのため、永遠にという意味を表します。

(写真:iStock.com/Free art director)

しかし、「よろずよ」という場合に注意しなくてはならないことがあります。長い時間、永遠といっても、それは「よ」を積み重ねる長い時代なのです。天皇の御代であるなら、天皇の家が続いてゆくことです。お寺なら、お寺が続いて、歴代の住職がいることになります。現社長時代、前社長時代、前々社長時代と社長も代替わりしています。会社の社長が、父親から息子さんに代替わりした時なら、私は次のようにあいさつします。

「伝統あるこの会社の五代目の社長に、前社長のご子息がご就任されたことは、まことに喜ばしいことであります。この会社が“よろずよ”に続くことを願ってやみません。」

上野誠『「令和」の心がわかる万葉集のことば』

万葉集の巻五から採られた新元号の「令和」。そこに込められた万葉ことばの心、おだやかな日を寿(ことほ)ぐ1300年前の先祖たちの思い……。8世紀のことばの文化財・万葉集に使われている「万葉ことば」(古き日本語)を学び、心を磨く日本語練習帳。

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上野誠

 1960年、福岡県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。博士(文学)。現在、奈良大学文学部教授(国文学科)。国際日本文化研究センター研究部客員教授。万葉文化論を専攻。第12回日本民俗学会研究奨励賞、第15回上代文学会賞、第7回角川財団文学賞受賞。『万葉びとの宴』(講談社)、『日本人にとって聖なるものとは何か』(中央公論新社)など、著書多数。近年執筆したオペラや小説も好評を博している。

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