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「令和」の心がわかる万葉集のことば

2019.04.29 更新

いにしへ ――「昔」よりあらたまった言い方上野誠

いにしへ

「いにしへ」とは、過去のことがらについていう言葉です。ですから、「昔」と同じ意味となります。ただし、現代においては、昔のほうが一般的で、「いにしへ」という言い方は特別な時にしか使いません。「昔ながらのお餅」と「いにしへのお餅」は違います。「いにしへ」のほうがあらたまった言い方となり、歴史的存在であり、伝統的なものだということになるでしょう。「むかし」は「いま」と対応していますから「今昔」ということになりますが、「いにしへ」は、「いにしへ」より以前の「神代」、「いにしへ」より後の「うつせみ」と対応します。

(写真:iStock.com/gyro)

さて、言葉というものは、やはり不思議なもので、一つの言葉がイメージを作ることもあります。たとえば、「いにしへのローマにおいては」というと、もうローマに関わる歴史や物語が語り出されたことになります。私なら、桜の会のあいさつをこうします。

「いにしへの奈良の都の八重桜ではありませんが、八重の桜も咲きはじめました。日本人がいにしへより愛した桜の花を今日は大いに楽しもうではありませんか。」

上野誠『「令和」の心がわかる万葉集のことば』

万葉集の巻五から採られた新元号の「令和」。そこに込められた万葉ことばの心、おだやかな日を寿(ことほ)ぐ1300年前の先祖たちの思い……。8世紀のことばの文化財・万葉集に使われている「万葉ことば」(古き日本語)を学び、心を磨く日本語練習帳。

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上野誠

 1960年、福岡県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。博士(文学)。現在、奈良大学文学部教授(国文学科)。国際日本文化研究センター研究部客員教授。万葉文化論を専攻。第12回日本民俗学会研究奨励賞、第15回上代文学会賞、第7回角川財団文学賞受賞。『万葉びとの宴』(講談社)、『日本人にとって聖なるものとは何か』(中央公論新社)など、著書多数。近年執筆したオペラや小説も好評を博している。

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