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2021.03.27 更新 ツイート

同性婚禁止違憲判決に感じる憲法のダイナミズム

【札幌地裁判決解説】憲法違反でも同性婚が認められるとは限らない 伊藤建(弁護士)

3月17日、札幌地裁は、同性同士の法律婚を認めないのは憲法違反であるという判決を下しました。肯定的な意見が多いと思いきや、じつは「耳を疑う」という否定的意見もあることをご存じでしょうか。判決はいったい何を問題とし違憲と判断したのか。そして制度を変えるには法律的にいったい何が必要なのか。『基本憲法Ⅰ』著者であり、大阪大学等で教鞭を執る伊藤建(いとう・たける)弁護士の解説をお届けします。

「同性婚を認めないのは憲法違反」と判断した札幌地裁

2021年3月17日、札幌地裁(武部知子裁判長)は、同性婚を認めないのは、法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると判断しました。

 

この判決には、「人権を尊重した画期的判断だ」と評価する声がある一方で、「耳を疑う」、「司法による立法権の侵害ではないか」という批判的な意見も主張されています。

判決では、憲法の3つの条文が問題となりました。

①「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」するという婚姻の自由を保障した憲法24条1項

第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

②「すべて国民は、個人として尊重される」として自己決定権を保障した憲法13条

第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

③「すべて国民は、法の下に平等」であることを保障した憲法14条1項

第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

この判決が「画期的」なのか、それとも「耳を疑う」ものなのか、それぞれについてどんな判断が下ったのか見ていきましょう。

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伊藤建(弁護士)

弁護士(富山県弁護士会)。1986年東京都生まれ。2009年慶應義塾大学法学部政治学科卒業、2011年慶應義塾大学法科大学院修了、新司法試験、国家公務員試験I種(法律)合格。内閣府・消費者庁にて勤務の後、司法修習を経て弁護士登録(66期)。

弁護士登録後、初めての受任事件で無罪を獲得し、第14回季刊刑事弁護 新人賞 最優秀を受賞。

現在は、日本海ガス絆ホールディングス(株)4D推進室室長として環境ビジネスやデジタル改革(DX)を、(株)日本海ラボ・取締役として新規事業企画を担当する一方、大阪大学高等司法研究科非常勤講師(後期)、広島大学法科大学院客員准教授(前期)、関西大学法科大学院非常勤講師(後期)として公法訴訟実務等を担当。資格試験プラットフォームを運営する(株)BEXA代表取締役CPO、未就学児を持つ母親向け情報サイトを運営する(株)ママスキー取締役、富山市の未来化を推進する一般社団法人Univer City Lab理事も務める。

主な著書として『基本憲法I―基本的人権』〔共著〕(日本評論社、2017年)、『実務解説 行政訴訟』〔共著〕(勁草書房、2020年)、『司法試験に受かったら』〔編著〕(現代人文社、2016年)。受験新報での連載として「憲法の流儀」、「行政法の流儀」、「憲法 論文の流儀」など。

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