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歴史のじかん

2021.02.23 更新 ツイート

試し読み#7

山崎怜奈が冲方丁さん、河合敦さんと、伊能忠敬を大河ドラマにする! 山崎怜奈

乃木坂46イチの才女、山崎怜奈さんのはじめての本『歴史のじかん』。

専門家の先生方と山崎さんの座談形式で、全14個の歴史テーマを語り尽くした書籍です。

歴史が好きな方も苦手な方も楽しめるこちらの一冊、試し読みをお届けいたします。第7回は伊能忠敬がテーマ。日本地図を初めて作った伊能忠敬、どんな人だったのかはよく知らないですよね。もしも大河ドラマの主人公にしたら、という目線で語ります。

*   *   *

もしも伊能忠敬を大河ドラマの主人公にするなら

伊能忠敬(一七四五~一八一八年)は、五十歳を超えてから、日本全国を歩いて測量し、GPSもない時代に精巧な地図「大日本沿海輿地全図」を作成した人物として知られています。発想が(良い意味で!)クレイジーな地図のおじいちゃん、というイメージの伊能忠敬を、「もしも大河ドラマの主人公にするなら、どんなストーリーになるのか」という目線で先生方のお話を伺いつつ、彼の人生を起承転結で紹介していこうと思います。

今回の先生

冲方丁さん(小説家・脚本家)

歴史小説『天地明察』で五冠を達成(本屋大賞、大学読書人大賞、吉川英治文学新人賞、北東文芸賞、舟橋聖一文学賞)。伊能忠敬マニアとしても知られる。伊能忠敬の好きなところは、人生をかけて何かにとことん打ち込んでいるところと、ドラマチックさ。

河合敦さん(多摩大学客員教授)

実際にテレビ番組の企画で、伊能の歩測を検証したことがある。伊能忠敬の好きなところは二つの人生を生きたというすごさ。

第一章 総資産五十億! 実は現代の孫正義だった!?

クレバーであり、クレイジー。伊能忠敬ってどんな人?

山崎 ▼ 伊能忠敬といえば、日本地図を作った人物。今から二百年前につくった実際の日本地図が「大日本沿海輿地全図(伊能図)」です。日本全土の実測地図で、一八二一年に完成しました。

冲方 ▼ 本当は体育館ぐらいの大きさがあるんですよね。

山崎 ▼ そんなに!?

河合 ▼ はい。一枚が畳一枚くらいの大きな地図を、二百十四枚重ねて一つの地図にしていますから。

山崎 ▼ この地図の再現度、相当高いですよね。

河合 ▼ 日本で初めて、実際に沿岸部を全部歩いてつくった実測図ですからね。これまで誰もそんなことをやろうと思わなかった。

山崎 ▼ GPSなんてなかった時代に、実際に歩いて、測る。それで潔くやってのけた……その考え方はすごいです。クレバーですよね。

冲方 ▼ クレバーであり、クレイジー(笑)。

河合 ▼ ある意味、変態とも言える。

山崎 ▼ でも、変態がいるからこそ、文化が発展したとも言えますよね(笑)。

河合 ▼ その通りです。

山崎 ▼ そんな伊能忠敬、どんな人物だったんでしょうか?

冲方 ▼ まず、彼は一流の経営者です。商人だったんです

河合 ▼ もともとは、千葉県の九十九里にあった小こ 関せき村むら(現在の九十九里町)の、名主の家に生まれました。でも、彼が幼い頃にお母さんが亡くなってしまって、お父さんは婿養子だったから家を出て行ってしまい、父子離れて暮らすことになりました。

山崎 ▼ 苦労したんですね。

河合 ▼ 一人残されてしまった忠敬は、虐げられていたんじゃないかと推察します。そして十七歳のとき、伊能家に婿養子として入りました。伊能家は千葉県の佐原で、酒や醤油の醸造、貸金業、水運業を営んでいた豪商でした。

冲方 ▼ 若い頃から忠敬は学問が好きで、本当は学者になりたかったんだと思います。

山崎 ▼ でも、それを我慢して、伊能家の繁盛に自分の人生を捧げたんですね。

 

本当は学者になりたかったけれど、経営者として大成功

河合 ▼ 経営者をやると決心してからは、米づくり、薪問屋、海船業と、どんどん手を広げて資産をつくっていきました。個人資産が相当あったと言われています。

山崎 ▼ すごいですね。どれくらいあったんですか?

冲方 ▼ 現代に換算すると五十億円ぐらい持っていたそうです

山崎 ▼ 五十億……!?

冲方 ▼ 江戸時代の江戸においての五十億ですから、現代に置き換えると、孫正義さんみたいな存在だと思うんですよね。

山崎 ▼ うわあ、大富豪ですね。

冲方 ▼ 天明の大飢饉の際には、伊能忠敬が私財を放出しています

山崎 ▼ 江戸時代中期(一七八二~一七八七年)に発生した飢饉ですね。近世では最大の飢饉と言われています。

冲方 ▼ はい、忠敬のおかげで餓死者を出さずに済んだといいます。

河合 ▼ 忠敬は三十六歳のときに、佐原村(現在の千葉県香取市)という村の名主、いわゆる村長さんになっています。飢饉が起こったときに、村人を誰も死なせないぞという気持ちで、自分のお金も出したんだと思います。ただ、忠敬は商人なので、関西から莫大なお米を購入して村人たちを救う一方で、江戸にそのお米を売って儲けてもいました。だから決して慈善事業だけではなく、したたかな経営の才能もあったんです。

山崎 ▼ ここまでの生い立ちもなかなかドラマチックですね。でもまだ、地図にはあまり繋がらないなぁ……。

冲方 ▼ ストーリー的には、ここが起承転結の「起」ではないでしょうか。

山崎 ▼ お! ありがとうございます(笑)。では、“もしも伊能忠敬を大河ドラマの主人公にするなら”起承転結の「起」は、「実業家として人々を救う」です!

 

*   *   *

 

伊能忠敬の大河ドラマ、どんな内容になるのでしょうか。

続きはぜひ、書籍でお楽しみください!

 

★山崎怜奈さんの内容紹介動画、Twitterにて公開しています★

関連書籍

山崎怜奈『歴史のじかん』

歴史やクイズなど、本人の幅広い興味を軸に、様々なフィールドで活躍を続ける山崎怜奈さんの初めての書籍は、2019年までひかりTV・dTVチャンネルで放送されていた「乃木坂46山崎怜奈 歴史のじかん」を基にした歴史本です。 全50回の放送から、山崎さんが選んだ14回を厳選して掲載しています。専門家の先生2名と山崎さんによる解説パートと、その内容から山崎さんが考えたことを綴るコラムパートの2本立てとなっています。 自らも歴史に詳しい山崎さんならではの視点で深堀りされているので、わかりやすいのに奥深い考察が満載。歴史好きな方もそうでない方も楽しめること間違いなしです。

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歴史のじかん

2021年2月10日発売、乃木坂46山崎怜奈さんの初めての書籍『歴史のじかん』に関する情報をご紹介します。

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山崎怜奈 乃木坂46

1997年5月21日生まれ。東京都江戸川区出身。最も好きな歴史上の偉人は、坂本龍馬と渋沢栄一。2013年、乃木坂46二期生として活動開始。クイズ番組への出演を機に、知識欲の塊になる。2020年、慶應義塾大学卒業。世界遺産検定2級を取得。帯ラジオ番組のパーソナリティ就任に際し、23歳で初の人間ドックを志願。胃が弱い。

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