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歴史のじかん

2021.02.11 公開 ツイート

試し読み#1

山崎怜奈が呉座勇一さん、伊東潤さんと「応仁の乱」を語る! 山崎怜奈

乃木坂46イチの才女、山崎怜奈さんのはじめての本『歴史のじかん』。

専門家の先生方と山崎さんの座談形式で、全14個の歴史テーマを語り尽くした書籍です。

歴史が好きな方も苦手な方も楽しめるこちらの一冊、試し読みをお届けいたします。第1回は応仁の乱について取り上げました!

*   *   *

十一年も続いた「応仁の乱」って何?

応仁の乱とは、室町時代の一四六七年から京都を中心に十一年間続いた内乱のこと。小学校の歴史の授業で習うなど、名前は聞いたことがあるけれど、内容はさっぱりという人が多いと思います。十一年間続いたゴタゴタというイメージの応仁の乱ですが、どうやら最近の研究では解釈が変わってきたそうです。そのあたりのことに触れていこうと思います。

今回の先生

伊東潤さん(作家・小説家)

ビジネスマンを経て小説家に転身。吉川英治文学新人賞や山田風太郎賞など文学賞を多数受賞。著書に『野望の憑依者』(徳間文庫)など。

呉座勇一さん(国際日本文化研究センター助教)

専門は日本の中世史。著書の『応仁の乱』(中公新書)は発行部数四十八万部を超えるベストセラー。

第一章 乱のきっかけは夫婦喧嘩?

伊東説: 応仁の乱は優柔不断な足利義政と妻・日野富子の確執が原因

 

山崎 ▼ 応仁の乱がどんなきっかけで起こったのか教えてください。

伊東 ▼ 応仁の乱は、室町時代の中期、八代将軍・足利義政の時代に起こった大乱です。その時代は、飢饉によって疫病が流

行り、多くの人々が生きるのに必死な時代でした。ところが義政は、政治に対する興味を次第に失っていきます。

山崎 ▼ なんと。将軍のくせに(笑)。

伊東 ▼ 青年となった義政は将軍権力の強化を図ろうとしますが、三管領四職といった官僚や守護大名たちに抑えられて嫌気がさし、「早く隠居したい」とまで言い出します。

山崎 ▼ 将軍って、その当時の日本のトップですから、誰もがなりたい役職なのかなと思っていましたが、義政は違ったんですね。

伊東 ▼ はい。義政は弟で僧の義尋を還俗させて義視と名乗らせ、自らの養子とし、将軍の座を譲ろうとします。ところが翌年、富子が男子(のちの義尚)を産むことで、将軍家の後継者争いが勃発します。そこから始まった確執が、応仁の乱のきっかけとなります。

山崎 ▼ つまり、平たく言うと「日野富子と足利義政の夫婦喧嘩」がきっかけになって、十一年もの長い争いが起きてしまったってことになりますね。

伊東 ▼ それだけではありませんが、将軍家の内輪もめに守護大名たちの家督争いや権力争いもからみ、細ほそ川かわ勝かつ元もと率いる東軍が十六万人、山名宗全率いる西軍が十一万人の総勢二十七万人が京都周辺に集まり、軍事衝突が断続的に起こりました。この戦いは、関ヶ原合戦のような双方が全力でぶつかり合う決戦があったわけではなく、小規模な戦いが京都各所で行われ、それが次第に各地へと拡散していったという特徴があります。

 

呉座説: 応仁の乱はトラブルメーカー畠山義就がきっかけ

 

呉座 ▼ 足利義政と日野富子が揉も めていたのは確かですが、それがそのまま応仁の乱の原因というわけではないと私は考えています。私が考える応仁の乱のキーパーソンは、二人です。畠山義就と日野富子。この二人をおさえれば大雑把な流れはつかめます。

山崎 ▼ 畠山義就は守護大名だったとのことですが、どんな人なんですか?

呉座 ▼ 畠山義就は、ひとことで言うと、すごい暴れん坊です。ゴジラみたいな。そいつがいるところで戦が起きる。その畠山義就が山名宗全に呼ばれて京都にやってきたので、京都で戦が起きてしまう。それが応仁の乱です。

山崎 ▼ とんだトラブルメーカーですね。もう来ないでいただきたい(笑)。畠山義就自身は、権力争いに興味があったんですか?

呉座 ▼ いや、畠山義就は、偉い役職に就くとか高い地位に就くことには、たぶん興味がなかったと思います。畠山義就は、戦うことで自分の実力を見せつけ、自分の国をつくるという目標を叶えるために京都に乗り込んできました。

山崎 ▼ なるほど。

呉座 ▼ 応仁の乱の他の参加者は、主体性や積極性のない人が多いんです。足利義政はその典型で、トラブルに対して受け身で対応しているから、何が何だかよく分からなくなる。一方で、畠山義就は「自分の王国をつくりたい」という己の意志で動いている。

山崎 ▼ そこだけ切り取るとかっこいい!

呉座 ▼ でもトラブルメーカーだから、周りの人にとっては迷惑なんですよね(笑)。

 

*   *   *

 

応仁の乱のきっかけは、なんと夫婦喧嘩だったのですね。さて、この先、戦いはどのように進んでいくのでしょうか……。

続きはぜひ、書籍でお楽しみください!

 

★山崎怜奈さんの解説動画、Twitterにて投稿しています★

関連書籍

山崎怜奈『歴史のじかん』

歴史やクイズなど、本人の幅広い興味を軸に、様々なフィールドで活躍を続ける山崎怜奈さんの初めての書籍は、2019年までひかりTV・dTVチャンネルで放送されていた「乃木坂46山崎怜奈 歴史のじかん」を基にした歴史本です。 全50回の放送から、山崎さんが選んだ14回を厳選して掲載しています。専門家の先生2名と山崎さんによる解説パートと、その内容から山崎さんが考えたことを綴るコラムパートの2本立てとなっています。 自らも歴史に詳しい山崎さんならではの視点で深堀りされているので、わかりやすいのに奥深い考察が満載。歴史好きな方もそうでない方も楽しめること間違いなしです。

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歴史のじかん

2021年2月10日発売、乃木坂46山崎怜奈さんの初めての書籍『歴史のじかん』に関する情報をご紹介します。

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山崎怜奈

1997年5月21日生まれ。2013年、乃木坂46加入。2020年、慶應義塾大学卒業。2022年、乃木坂46卒業。世界遺産検定2級、日本漢字能力検定2級などを取得。

TOKYO FM『山崎怜奈の誰かに話したかったこと』(月~木曜日午後1:00~2:55)、テレビ朝日『春菜ザキさんのタダの通販じゃねーよ!』(日曜日朝10:30~11:00)などに出演中。著書『歴史のじかん』(幻冬舎)が発売中。

Twitter:@ymzkofficial

Instagram:@rena_yamazaki.official

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