泉谷星奈ちゃんがアーニャ役を務めるミュージカル『SPY×FAMILY2』を観に池袋へ。
星奈ちゃんとは、親子役で初共演して以来、同じシーンはあまりなくとも同じ作品に出演する機会があり、ここ数年はよく現場で顔を合わせている。いつもハートの折り紙をくれる。嬉しい。絵に描いたような愛らしさと、お芝居の素晴らしさは、今や誰もが知るところだろう。
そんな星奈ちゃんへのプレゼントを用意しようと、劇場へ向かう前に、彼女の好きなキャラクターのお店に立ち寄った。普段の生活では、足を踏み入れない場所だ。店内に入ると、かわいいものがいっぱい。あぁ、懐かしい。
子どもの頃、よく来ていたなぁ。文房具に、ぬいぐるみ、キーホルダー。あれも欲しい、これも欲しい。滅多に買えないのに欲しいものがいっぱいあって、どれにしようか悩んだものだ。きっと、全部好きだったんだろうなぁ。でも、当時のお小遣いではなかなか買えなかった。
ところが、どうだ。大人になった私は、割と自由に選べるではないか。あの頃、憧れていた「好きなものを好きなだけ選ぶ」ということが、今ならできる。
すごいぞ、大人。
星奈ちゃんへのプレゼントを選んでいるはずなのに、気づけば自分までワクワクしていた。あの頃の私が憧れていたことを、今の私がしている。なんだか不思議で、ちょっと嬉しい。星奈ちゃんのお陰で、あの頃の私の夢を叶えてあげられたような気分だ。
すっかり大人になったなぁ。そんなことを思いながら、プレゼントを手に劇場へ向かった。
さて、ミュージカルである。星奈ちゃんが舞台に立つ姿を観に行くことが目的だった。確かにそうだ。でも、なんていうか。
いろんなものを飛び越えて、「舞台に立つ」ということの凄まじさを、目の当たりにしたような衝撃を受けた。
舞台の上を自由自在に走り回り、台詞はもちろん、表情も、指先も、全身を使ってすべてを伝える。
踊る姿も、のびのびという言葉がぴったりだ。あんなにも自由に、軽やかに、まるで遊んでいるかのように舞台の上で表現する人を、私は初めて観た気がする。
星奈ちゃん自身、舞台に立つことが好きなのだそうだ。「好き」ということの、なんと奥深く、素晴らしいことか。
もちろん、好きという気持ちだけで成立するものではない。どれだけ好きでも、技術が追いつかなければ表現できないことはある。反対に、どれだけ技術があっても、そこに好きという気持ちがなければ、あの星奈ちゃんのアーニャが放つエネルギーには敵わないのではないかと思う。
きっと、たくさんお稽古したのだろう。覚えることも山ほどあっただろうし、緊張する日だってあるだろう。
でも、そんなことを考える余地もないくらい、目の前には舞台を楽しむ彼女がいた。
頑張っている姿に感動することはある。努力が実を結ぶ瞬間に、涙することもある。けれど、誰かが心から楽しんでいる姿に、こんなにも衝撃を受け、感動することがあるのか。
私は、ただただ圧倒されていた。そして、なんだか生きる勇気をもらった。
好きなことを心から楽しむ。その姿が、こんなにも人を輝かせるのだ。しかも、その輝きは客席にまで届き、誰かの心を動かしてしまう。
エンターテインメントって、なんて素晴らしいんだろう。30歳近く年下の彼女に、大切なことを教えてもらった気がした。
そういえば、劇場に向かう前、お店で味わった久しぶりのワクワクも、好きという気持ちから生まれたものだった。好きなものを見つけたときの高揚感。夢中になっているときの、止められない気持ち。
その気持ちが人を動かし、技術を磨き、やがて誰かの心まで動かしてしまう。星奈ちゃんのアーニャを観て、「好き」の持つ力を改めて思い知らされた。
好きなことをする人の輝きは、こんなにも、こんなにも眩しい。
そして、それがエンターテインメントと合わさったときの、なんと最強なことか。
小さな体から放たれる、あまりにも大きなエネルギー。すっかり心を奪われてしまった。
その余韻をもう少し味わっていたくて、ゆっくりと劇場を後にした。
(共に出演中の映画「時給三〇〇円の死神」初日舞台挨拶にて。こちらも素晴らしいのでぜひご覧ください。急な宣伝)
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いつまで自分でせいいっぱい?

自分と向き合ったり向き合えなかったり、ここまで頑張って生きてきた。30歳を過ぎてだいぶ楽にはなったけど、いまだに自分との付き合い方に悩む日もある。なるべく自分に優しくと思い始めた、役者、独身、女、一人が好き、でも人も好きな、リアルな日常を綴る。











