シルバーウィーク。
姪っ子たちを連れてキッザニアへ行くことになった。
世間は連休だけれど、私はなんだかんだで仕事は止まらない。こどもワークショップの準備も佳境、本業も新しい作品の為にリサーチしたいことが気付けばたくさん。
だが、姪っ子たちが一緒に遊ぼうと思ってくれるだけ有り難い。いつまで一緒にお出かけしてくれるのだろうか。
仕事とおば業。どちらも逃せない。
全部同時進行である。
キッザニアでは、子どもたちだけでお仕事体験に参加し、大人は外から見守る。
私は基本的には「写真係」そして「見守り要員」だ。
とはいえ、その間にも仕事の連絡はやってくる。返信しなければならないLINEもあるし、確認しなければならないこともある。
スマホを見たい。でも、姪っ子も見たい。
しかも、体験中の姪っ子は、ときどきこちらをちらっと見る。その瞬間に私がスマホしか見ていなかったら、「あれ?ねね見てない?」と思わせてしまうかもしれない。
いけない。おでかけしてくれる、貴重な1日。見てるよー!!あなたをずっと見てるよー!!という空気を出しておかなければならない。たまにしか会えないのだから、ネガティブな思いをさせる訳にはいかないんだ。
姪っ子を見る。スマホを見る。姪っ子を見る。返信する。また姪っ子を見る。今、絶対こっち見そう。スマホを伏せる。目が合う。笑う。あたかもずーっと見ているよ感を大袈裟に出してしまう。忙しい。
後半、姪っ子たちはファッションショーに挑戦することになった。衣装に着替え、ステージを歩き、最後にポーズを決める。しかもありがたいことに、本番前にはリハーサルがあった。これは助かる。どこから出てくるのか。どこで止まるのか。
どこが一番のシャッターチャンスなのか。こちらにも予習の時間をいただけるわけだ。ありがたや。
本番。
会場には、子どもたちの晴れ舞台を見守る保護者たちがずらりと並んでいた。そして、ショーが始まって気づいた。みんな、カメラやスマホに全集中している。そりゃそうだ。一瞬しかない我が子の晴れ姿。絶対に撮り逃したくない。だから、本当は大きな拍手を送りたいはずなのに、手を叩くとスマホがブレる。
拍手ができないのである。なるほど。そこで、部外者である私は思った。よし。私が勝手に拍手要員になろう。
姪っ子以外の子が登場するたびに、パチパチパチパチ‼︎誰よりも大きく拍手する。知らない子だけれど、一生懸命歩いて、一生懸命ポーズを取っている。
頑張っている姿にニヤニヤしてしまう。そりゃあ拍手したくなる。
きっと撮影中のお父さん、お母さんの分も。「ちゃんと見てるよー!」という気持ちを込めて拍手を送る。
そして、いよいよ姪っ子たちの番。私はリハーサルで確認しておいた、少し俯瞰で全体が映る位置をしっかり確保した。よし。ここなら完璧だ。
姪っ子たちが出てきた。
少し緊張しているようにも見える。でも、ちゃんと前を向いて歩いている。決められた場所で立ち止まり、ポーズを取る。かわいい。がんばってる。すごい。よくできてる。拍手したい。
ものすごく拍手したい。でも、私はスマホを構えている。ここで手を叩いたらブレる。絶対見えていないけど、表情で素晴らしい‼︎を表現する。
心の中では、パチパチパチパチパチパチパチパチ‼︎大喝采である。
そして同時に、お願いします。どなたか。どなたか、本人たちに聞こえるような拍手を送っていただけませんでしょうか。大喝采でなくてもいいので、せめて本人達に聞こえるくらいの拍手をいただけませんでしょうか‼︎という気持ちになる。
姪っ子たちは最後までしっかり歩き、手を振りながら舞台袖へはけていった。よく順応して。よく覚えて。
よく頑張ったなぁ。
つい少し前まで、「ちゃんとできるかな」と思って見ていたはずなのに、子どもは大人が思うよりずっと早く、その場所のルールを理解して、自分なりに適応していく。
おばは外から、ハラハラしたり、スマホを構えたり、仕事の返信をしたりしながら見ているだけだ。
でも、こういう「あなたを見ているよ」という役割が、きっと大事なんだと思っている。仕事もしなくちゃ。姪っ子の成長も見逃したくない。全部大事だから、全部やる。
目線はスマホと姪っ子をいったりきたり。
なんとも慌ただしい。
終わったあと、姪っ子たちはニコニコと感想を伝えてくれた。別に緊張しなかった、着物だったからおしとやかなポーズにした、ヒールがあんなに高い靴初めて履いた。なんとなく得意げだった。よかった、達成感があるみたい。
スマホの画面の中には、ちゃんと歩いて、ちゃんとポーズを決めて、最後に手を振る姪っ子たちの姿が残っている。
よし。ブレてない。
おばのシルバーウィーク、任務完了。
センチメンタル。それもいい。
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いつまで自分でせいいっぱい?

自分と向き合ったり向き合えなかったり、ここまで頑張って生きてきた。30歳を過ぎてだいぶ楽にはなったけど、いまだに自分との付き合い方に悩む日もある。なるべく自分に優しくと思い始めた、役者、独身、女、一人が好き、でも人も好きな、リアルな日常を綴る。











