1. Home
  2. 暮らし術
  3. 体調は習慣でできている
  4. 達成したいことを完了形で書く「未来日記」...

体調は習慣でできている

2022.05.05 公開 ポスト

達成したいことを完了形で書く「未来日記」で充実した人生の基盤を作る小林弘幸

体調に気をつける目的は、究極的には、自分の人生を前向きに、よりよくするためではないでしょうか? 昨日は、小林弘幸先生によるスクワットの効果をお伝えしましたが、今日は、小林先生の別のご著書『死ぬまで“自分”であり続けるための「未来日記」』より、「未来日記」という人生の基盤を作る考え方をご紹介します。「未来日記」とは、「達成したいことを完了形で書く」こと。なぜ医者である小林先生が「未来日記」という方法にたどり着いたのでしょうか? 

(写真:iStock.com/Asawin_Klabma)

ときに神様はひどいことをする

医師という仕事をしていると、たくさんの人の命の終わりを突き付けられます。
世の中の人はみな「いつか自分が死ぬ」と頭ではわかっていても、「明日、死ぬかもしれない」とは誰ひとり思っていません。それは、救急車で運び込まれてくる人も同じです。まさか自分が事故に遭うとは思っていなかったし、心筋梗塞になるとも思っていなかったでしょう。でも、それが起きるのが現実です。

目の前にあるのは、過去ではなく「未来」

人はついつい「あのとき、ああしていれば」「あんなことさえ、なかったら」と、過去を振り返ってしまいます。
だけど今、目の前に広がっているのは、過去ではなく未来です。過去を修正することはできませんが、未来はこれから築くことができます。

しかし、その未来も決して確実なものではありません。
一寸先は闇。
いつ事故に遭うかもわからないし、いつ災害に巻き込まれるかもわかりません。

けれども、だからこそ私は言いたいのです。
朝起きて、夜になったら寝て、また目覚める。これがいかに素晴らしいかということを。そして、その奇跡を大切に噛みしめて、悔いのない人生を送っていただきたいと。
そのために、私たちには何ができるでしょうか。いつ、何が起きるかわからない人生。明日、続いているかも定かではない時間。悔いを残さずに生き尽くすにはどうすればいいのでしょうか。

そうして私が考え出したのが「未来日記」です。
「未来日記」は、未来の自分と向き合うことで前を向き、充実した人生を歩んでいく基盤となるものです。
過去の辛い出来事にとらわれている人、昔はよかったと思い出に浸っている人、なんとなく毎日を過ごしている人、死に対する漠然とした恐怖を感じている人、あるいは、もっと人生を充実させるためにはどうすればいいかと思いをめぐらせている人……。そんな方々が、一日一日を輝かせて、自分らしい人生をまっとうする手助けをするものです。

日々、患者さんと接していると次のように思います。
「患者さんの心持ち次第で、病気はさらに悪くもなるし、よくもなる」

私が、免疫力と深い関わりがある腸や自律神経を専門としていることもあるのでしょう。たとえば軽い便秘の場合、「ちょっとくらい出なくても大丈夫ですよ」と笑顔でお話しするだけで患者さんは気持ちが明るくなり、治ってしまうこともあります。反対に「もっと早く病院に来ればよかった」と、患者さんが後悔ばかりしていると、なかなか治療が進まず症状も改善しません。そのくらい、ご本人の心の持ちようで、体の調子も未来も変わってしまうのです。

だから私は医師として、過去ばかり見て、暗い気持ちでいる人の健康が侵されるのをくい止めたい。前を向くことで自律神経のバランスを整えて、やりたいことができる健やかな体を手に入れていただきたい。そして、できるだけ多くの人が「いい人生だった」と笑顔で幕を下ろせるような、命の価値を高める一助となりたい。

自分の人生に点数をつけられるのは、自分だけです。そして採点は、最期の瞬間に成されることです。
まだまだ、これからですよ。

「未来日記」の効果を上げる健康習慣

◆朝、目が覚めたら感謝する◆

朝、目が覚めたとき、どんなことが頭に浮かぶでしょうか。「今日はやることが多くて大変だ」「特にやることがないから、もう少し寝ていよう」など、いろいろだと思います。
私は真っ先に、心の中でこう唱えるようにしています。

「またチャンスをいただき、ありがとうございます」

チャンスというのは、今日という日を精一杯生きるチャンスです。

なんだかスピリチュアルな感じがするかもしれません。でも、朝になったら目が覚めることは、決して当たり前ではありません。心筋梗塞や狭心症などの突然死は就寝中が最も多いため、無事に朝を迎えられない人が少なからず存在するからです。

食事をとれることも同じです。私たちは普段、毎日3食、普通に食べていますが、食べられるということは健康な証拠です。お風呂に入れることだって、体が元気に動くからこそです。

そう考えると、朝起きたらまず感謝するというのは、非常に意味のあることではないでしょうか。
朝はバタバタしていて、布団から飛び出すのが常だという方は、慣れるまでは「未来日記」に綴(つづ)っておきましょう。

「毎朝、目が覚めたら感謝をした。すごくありがたいことのような気がしてきて、いつもより時間を大事にできた」
こんな感じで、達成したときの感想を記すのもお忘れなく。

当たり前のことを当たり前と思わず、感謝の気持ちで1日をスタートする。そうすればきっと、実りのある1日を過ごせるはずです。

 

◆雨の日はいつもよりも早起きをする◆

(写真:iStock.com/Hakase_)

「雨の日は、なんとなく体がだるい」ということがあると思います。自律神経は、湿度や気圧の変化などによっても乱れてしまうからです。

雨の日には、本来、起床後に少しずつ上がってくるはずの交感神経がなかなか上がらず、副交感神経が優位になりがちです。そのため、日中もだるかったり、やる気が出なかったりします。そこで、雨の予報が出ていたら、いつもより早起きをして、晴れの日よりも活動的に過ごすのがおすすめです。掃除やストレッチなどをして、交感神経を徐々に高めていきましょう。

最も簡単に交感神経を高める方法は、シャワーを浴びることです。「朝のシャワーはコーヒーを飲むよりも目覚めの効果が高い」という調査結果も出ているほどです。
おすすめのシャワーの浴び方はこうです。

(1) ぬるめの温度(38~39度)のお湯で体をならす
(2) 少し熱いと感じる温度(40~41度)のお湯で肌に刺激を与える

お湯の刺激を肌に与えることで、交感神経を活性化することができます。
ポイントは「最初はぬるく、徐々に熱くする」ということ。最初から熱いシャワーを浴びたほうがすっきりすると感じるかもしれませんが、あまりおすすめできません。なぜなら、いきなり強い刺激を与えると交感神経が急上昇してしまい、自律神経のバランスを乱してしまうからです。健康のためには、なるべく少しずつ上昇させていき、ゆるやかにスイッチングさせるのが理想です。

 

◆太陽の光を浴びて深呼吸する◆

人間の体には、約24時間周期で新陳代謝やホルモン分泌などをスムーズに行うための機能である「体内時計」が備わっています。

ところが体内時計は、実際は24時間よりも少しだけ長いため、放っておくと徐々にずれていってしまいます。さらに、昼夜逆転の生活を送ったり、食事をとる時間が極端に不規則になったりすると、そのずれは、どんどん大きくなっていきます。その結果、体の中の歯車が噛み合わなくなり、頭痛やイライラ、倦怠感など、さまざまな不調が現れるようになります。

したがって、健康のためには体内時計のずれを整えることが大切。
ポイントは、「太陽の光」です。目の奥の視交叉上核という部分が太陽の光を感知すると、体内時計がリセットされます。

布団から出たら、日が差し込む部屋の窓を開けて自然の光を浴びましょう。そして、思い切り「伸び」をして深呼吸してみてください。両手を上げて顔を上げ、胸を開いて新鮮な空気を吸うのです。

太陽の光をしっかり浴びることで、夜、ぐっすり眠れるようにもなります。睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」は、太陽の光を感知するといったん分泌するのをやめ、14~15時間後に再び分泌を始めます。そして、その2~3時間後に分泌のピークを迎えます。つまり、朝7時に太陽の光を浴びたら、夜11時ごろには快眠に誘われるということです。メラトニンには免疫力を高める力もあるため、ぐっすり眠れて病気知らずという、うれしい効果も期待できます。

 

◆コップ1杯の水を飲む◆

(写真:iStock.com/YSedova)

腸は、睡眠中に消化・吸収をしているため、朝方は動いていません。そんな腸を目覚めさせる簡単な方法が、朝起きたときに、コップ1杯の水を飲むことです。水を飲んで物理的な重みを加えることで「胃結腸反射」という刺激を起こし、眠っていた腸を起こすことができます。そして、ぜん動運動(便を押し出すために腸がリズミカルに収縮する動き)が促されるのです。

さらに、朝は、これから1日を活動的に過ごすために交感神経が優位になってくる時間帯です。逆に言うと、副交感神経が低下しやすい時間帯でもあります。そのとき、適度に胃腸を刺激することで、胃腸を支配している副交感神経が下がりすぎることを防ぎ、自律神経のバランスを整えることができます。

水は、少しずつではなくて、多少勢いよく飲むのがポイントです。冷たくても温かくてもどちらでもかまいません。重みで刺激を与えることが目的なので、お茶や牛乳など水以外の飲み物でもOKです。

また、水は朝起きたときだけではなく、1日を通してこまめに飲むのがおすすめです。目安は、1日1~1・5リットル。「水分をたくさんとると、体がむくむ」と思っている方がいますが、それは誤解です。むしろ、むくみは水分のとりすぎではなく、水分不足によって引き起こされることが多くあります。

こまめに水を飲む習慣をつければ、血液が体の中でスムーズに循環するようになり、むくみも気にならなくなりますし、自律神経のバランスも整います。

飲んだ水が全身に行き渡り、細胞一つひとつにサラサラの血液が届いていく様子をイメージしながら、こまめに水を飲むようにしましょう。

小林弘幸『死ぬまで“自分”であり続けるための「未来日記』

過去を修正することはできませんが、未来はこれから築くことができます。 「未来日記」は、未来の自分と向き合うことで前を向き、充実した人生を歩んでいく基盤となるものです。 第1章 なぜ「未来日記」は健康にいいのか 第2章 未来を明るく考える10のヒント 第3章 未来日記の書き方 第4章 「未来日記」の効果を上げる生活習慣

{ この記事をシェアする }

体調は習慣でできている

季節の変わり目、不安な社会事情、日々のストレス……アップダウンしやすい体調を整え、キープする方法を紹介。

バックナンバー

小林弘幸

1960年埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのパフォーマンス向上指導にかかわる。『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』『「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣』『自律神経を整える「あきらめる」健康法』など、著書多数。

写真 ©Ichiro Kumada

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP