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体調は習慣でできている

2022.04.23 公開 ツイート

<脳疲労をスッキリ>ずぼら瞑想

「脳疲労」が軽くなる2つの日常瞑想 川野泰周

脳には、作業をしていなくても常に活性化している箇所があるそう。その回路が過剰に働くと、常に何かを考えて脳が疲れてしまうといいます。そうした“悩みモード”を解消し、脳疲労をためないカンタン習慣を、『ずぼら瞑想』(川野泰周著)からご紹介します。「食べること」「歩くこと」でできる最強の日常瞑想法です。

*   *   *

「未来についてあれこれ考えている神経回路」、この回路があるからこそ、私たちは急に名前を呼ばれても振り返ったりできるのですが、ストレスなどにより、この回路が過剰に働いてしまうと、常に脳がいろんなことを考えてしまう“悩みモード”になってしまいます。この“悩みモード“は、脳エネルギーを6~8割も消費してしまうことが分かっています。当然この状態が続くと、脳のエネルギーを使いきって、疲れてしまい、場合によってはうつなどの病気になってしまうことも。
瞑想でいまに集中することで、この“悩みモード”を抑えてあげる。そうすると脳の疲労はだんだんと解消されていきます。

1. 1分半かけながら、ひと口をゆっくり味わう

(2018.10.30 更新 「スマホが視界に入るだけで幸せ度が下がります」より)

“食べる”という普段何気なくしている行為も立派な瞑想になります。大半の人は実は食べているようで、食べること自体に集中できていません。集中して食べるということは、自分の中の感情、感覚に注意を向けてあげ、自身の心の状態に気付くことにつながります。
レーズン1粒を例にしてみましょう。

(写真:iStock.com/Caiaimage/Gianni Diliberto)

(1) まずはレーズンを1粒指でつまみ、表面をよく観察していきます。レーズンの凹凸、色合い、表面がどのようになっているのかに注意を向けます。

(2) 次に匂いを嗅ぎ、口に入れた時どのような味がするのかイメージを膨らませ、唇ではさんで触感を確かめます。

(3) 最後にレーズンを口に入れ、噛まずに舌の上を転がし、充分舌で感触を確かめてからゆっくり噛みます。どんな味がするのか、酸っぱいのか、甘いのか、集中して味わいます。そして飲みこむ。レーズンが喉を通っていることまで感じます。

1粒のレーズンを食べるだけで、1分半かかりました。レーズンをよく観察すると意外と変な形をしている、こんなに甘みが強かったんだ、などと、いつもは感じない発見が数多くあります。美味しさを感じれば幸福感もわいてきます。スマホを見ながら、テレビを見ながら…という「ながら食べ」をやめるだけでも、脳疲労の軽減につながりそうです。

2. 腰から下の動きを意識してゆっくり歩く

(2018.12.08 更新「「折れない心」をつくる最強の瞑想法」より)

この瞑想は、通勤時間でも周りの人に気づかれることなく、こっそりできてしまいます。それでは、まず基本的なやり方を解説しましょう。

(1)まず腕が動いて気が散らないように手を前か後ろで組みます。目線は足元ではなく、数メートル先の床、地面を見てください。

(2)歩きながら右足の「かかとがあがる」「つま先があがる」「足が移動する」「着地する」の4つの感覚に注意を向けます。この4つの感覚に注意を向けると、足の裏の体重移動すべてを感じることができます。

(3)右の足の感覚を感じたら、すぐに反対側の足にも意識を持っていきます。4つの感覚に全てにしっかり注意を向けるには、かなりゆっくりしたスピードで歩く必要があるため、人にぶつからない場所でやるようにしましょう。

以上が基礎になります。

(写真:iStock.com/Kostikova)

次に普段、街の中を歩くスピードできる応用編の歩く瞑想を紹介します。普段の歩くスピードで行う際は、体重移動に注意を払うのではなく、呼吸と歩数に注意を向けます。

息を1回吸う間に4歩、1回吐く間に4歩進む」というように呼吸と歩数を同期させながら、リズミカルに歩きます。これだけで、呼吸と足に注意が向き、立派な瞑想になるのです。特に脳が疲れている仕事帰りなどに試してみると、疲れがとれそうですね。

疲れたな、と思ったら「いまの行動」に集中する日常瞑想。坐禅を組みにいかなくてもできるのでおすすめです。

関連書籍

川野泰周『ずぼら瞑想』

1秒でできる瞑想!? 禅僧でありながら、医療現場で働く著者が開発した、簡単に、短時間でできる瞑想法"ずぼら瞑想"。 ちょっとした待ち時間や、電車の中でもできる"ずぼら瞑想"をいくつも紹介。

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体調は習慣でできている

季節の変わり目、不安な社会事情、日々のストレス……アップダウンしやすい体調を整え、キープする方法を紹介。

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川野泰周

精神科・心療内科医/臨済宗建長寺派林香寺住職。精神保健指定医・日本精神神経学会認定専門医・医師会認定産業医。 1980年横浜生まれ。2005年慶應義塾大学医学部医学科卒業。 臨床研修修了後、慶應義塾大学病院精神神経科、国立病院機構久里浜医療センターなどで精神科医として診療に従事。2011年より建長寺専門道場にて3年半にわたる禅修行。2014年末より横浜にある臨済宗建長寺派林香寺住職となる。現在寺務の傍ら都内及び横浜市内にあるクリニック等で精神科診療にあたっている。うつ病、神経症、PTSD、睡眠障害などに対し薬物療法と並び、禅やマインドフルネスの実践を含む心理療法を積極的に取り入れた診療に当たっている。またビジネスパーソン、看護職、介護職、学校教員、子育て世代の主婦などを対象に幅広く講演・講義を行っている。著書に『「あるある」で学ぶ余裕のないときの心の整え方』(インプレス)『悩みの9割は歩けば消える』(青春出版社)などがある。

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