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副業1年目の教科書

2021.03.16 公開 ツイート

なぜ「片付け」で年商3千万円を稼げるのか? 今井孝

ごく普通の主婦のブログが、片付けコンサルへ発展

「片づけ」が、ここ数年でビジネスとして確立してきました。

サービス内容は「片づけ代行」や「片づけコンサル」などがあり、ちゃんとビジネスとして成り立っています。

私のクライアントにも、片づけコンサルをしている方が数人います。そのうちのお一人は、なんと年商が3千万円を超えているそうです。

 

Iさんとおっしゃるのですが、数年前に初めてお会いした時には、「ごく普通の主婦です」ということで、片づけの資格を取られただけという状況でした。あとはご自身のブログが1つあるだけです。

しかし、今は携わる数十万円の片づけコンサルがどんどん売れていて、年商も3千万円を超えるほど大きくなりました。

しかも面白いのは、サービスはオンラインで提供していることです。

お客様の家に出向いて片づけてあげるのではなく、片づけ方を指導して、お客様ご自身で片づけられるようにするのが仕事です。

これは偶然の産物です。ご家族の事情で、東京から知り合いのいない地方の実家に戻ったため、オンラインで展開するしかなかったのです。

最初は、「こんなことにお金を払う人がいるのかな?」という不安でいっぱいだったそうですが、逆にオンラインですので市場を全国規模に広げることができました。

まったく自信のないところからのスタートだったのですが、今ではものすごく活躍をされています。

「片づけ」がなぜビジネスになるのかと、不思議に思う方も多いかもしれません。

その点が腑に落ちれば、あなたのビジネスの可能性も広がるかもしれません。

(写真:iStock.com/Damian Lugowski)

誰かの「苦手」がビジネスに繋がる

あなたは「片づけ」にお金を払いますか?

私は最初、ピンと来ませんでした。

片づけぐらい自分でやれば良いのでは? というぐらいにしか思わなかったのです。せいぜい、忙しい時に家事代行をお願いするのは分かる、という程度の認識でした。

ですので、片づけを習うために数十万円ものお金を支払う人がいる、ということに驚きました。

消費ではなく投資として、金額の回収が見込めるようなサービスであれば、それぐらいのお金を払うのも理解できます。

例えば、資格の取得、スキルの習得、株式の購入などです。

しかし、片づけができるようになっても、すぐに金銭的なリターンはありません。

ですので、片づけにお金を払う人の気持ちが、まったく理解できませんでした。

そこで、周りの経営者や他のクライアントの方々に片づけについて聞いてみました。

すると、中に「片づけが苦手」という人がいることが分かり、さらに驚いたことに、何人かは「片づけを習いたい」という人がいました。

興味深いのは、片づけの話になった時の彼らのどんよりした雰囲気です。

表情は険しくなるし、声のトーンは低くなるし、後ろ向きな言葉ばかりです。

ある時、数人で話していると、たまたま片づけコンサルの話になったのですが、数年前から知っている男性が、いつもとは違う語り口で話し始めました。

彼はいつも明るくてエネルギッシュな人なのですが、その時の彼の口調は低くて、それでいて熱を持っていました。

実は、彼は片づけができなくて、前の奥さんも片づけをしない人だったそうです。そのため、家の中が本当に散らかっていて、それが離婚の1つの原因だと言っていました。もしどちらかが片づけができれば離婚しなかったかもしれない、というような話もされていました。

彼の話を聞いていて、だんだんと事の深刻さを理解するようになりました。

これはものすごく根の深い問題なのだと、ようやく片づけが苦手な人の気持ちが分かってきました。

離婚に繋がる恐れがあるほどの深刻で嫌な気分を毎日味わってるなら、お金を払っても解決したいだろうということが、やっと理解できたわけです。

つまり、お客様がお金を払うのは、回収が見込めるからだけではなく、味わっている痛みやコンプレックスから解放されたいという理由の場合もあるということです。

毎日のように痛みを感じていることには、人はお金を使います。

 

Iさんが片づけで成功できたのは、そういうコンプレックスをご自身でも経験されて、さらには片づけをマスターして克服することができたからです。お客様の気持ちに共感して、しっかり寄り添えたから、多くの人に支持されたのです。

片づけのメリットを挙げていったら、単価が上がった

Iさんは、最初から数十万で片づけを教えていたわけではありません。元々は、こんな商品を買ってくれるかどうか、自信がなかったのですから。

ですので、徐々に値段を上げていったわけですが、値上げができたのは、自分の商品にさらなる価値を見出していったからです。

具体的に言うと、片づけのメリットを書き出していく、という作業をされたのでした。

紙とペンを用意して、片づけができたらどんな良いことがあるのか? ということをひたすら書いていきます。

最初はたくさんは書けませんでした。しかし、思いつくたびに紙に書き込んでいくと、いつの間にかたくさんのメリットが挙げられていることに気づきました。

それに、1つのメリットを書き加えると、そこから波及するさらなる効果に気づきます。

例えば、片づけができるようになると、「探し物が減る」というメリットがあります。

すると、その分「時間ができる」わけです。

その時間で、「副業ができる」ので、「収入が増える」ということにも繋がります。

その他にも、「子どもが勉強するようになる」「家族が仲良くなる」「離婚が減る」などということにも繋がるし、突き詰めて考えると「世界が平和になる」という効果もありそうだなと思うようになってきます。

もっともっとありますが、Iさんのメモには、片づけの効果やメリットがずらりと書かれています。

しかも、Iさんは自分の想像だけで終わらせずに、実際にお客様からヒアリングして裏付けをとっています。

ですので、Iさんはお客様に対して片づけをすることのメリットや価値を自信を持って語ることができ、数十万円であっても買ってくれる方がたくさんいるのです。

これは、どんなビジネスにも応用できますので、ぜひ、紙とペンを用意して、毎日行うことをお勧めします。

例えば、パーソナルトレーニングの場合、「健康になる」→「仕事の集中力が高まる」→「収入が増える」→「異性にもモテる」、というような感じです。

このように、さまざまな効果を挙げていくことで、自分の提供する商品価値を実感しやすくなります。

1%の人に売れれば良いという、ニッチなビジネス

ここまで、片づけに困っている人がいるし、片づけにお金を払う人がいるというお話をしてきました。

しかし、そういう人がいると言っても、ほんの数%でしかありません。

セミナーの最中に受講生に聞いてみても、「片づけを習いたい」と手を上げる人はほとんどいません。100人に1人とか、せいぜい50人に1人程度の割合です。

100人の会場でたった1人しか手を上げないという光景を見ると、「このビジネスはニーズがないのではないか?」と思うかもしれませんが、実は、それで十分です。

たった1%の人であっても、小さなビジネスの場合はちゃんと成り立ってしまいます。

たとえ、1%の人からしかニーズがないとしても、日本人の人口を1億人として、単純計算で100万人の見込み客がいるということになるのです。

片づけコンサルが30万円だとして、10人が買ってくれたら、それで300万円です。20人で600万円で、30人で900万円です。

100万人の中で、年間でたった10人か20人に買ってもらえば、自分ひとりだけであれば十分生きていけるのではないでしょうか。

片づけなどのニッチな分野であっても、全国規模で見れば十分な市場があります。

ネットを利用すれば、その規模の市場に比較的簡単にリーチすることができます。

ですので、ニッチなサービスやマニア向けの商品であっても、ビジネスとして十分成り立つわけです。

知らない人からすると「こんなの誰が買うの?」というマニア向けの商品でも、ネットショップでは毎日のように注文が入っています。

また、有名な外国人歌手が来日して、10万円もするチケットが売られていましたが、すぐにソールドアウトになっていました。私の周りには誰もその歌手のライブに行ったという人はいませんでしたし、ましてや10万円のチケットを買おうとする人もいませんでした。しかし、全国規模で見れば十分な数のファンがいますので、すぐに売り切れてしまうわけです。

ですので、周りに買ってくれる人が少ないというだけで、最初からあきらめる必要はありません。

たった1人でも「買いたい」と言ってくれる人がいるのであれば、その商品には可能性があります。

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今井孝 経営コンサルタント

株式会社キャリッジウェイ・コンサルティング代表取締役。3万人以上に、ノウハウや考え方を伝え、起業への最初の一歩を導く。マーケティングとマインドに関するさまざまな教材も製作し、累計3000個以上購入されている。
 
「今井さんの話を聞くと安心する」「自分でも成功できるんだと思える」「勇気が湧いてくる」と、その話し方・伝え方はたくさんの起業家の支持を集めている。著書『起業1年目の教科書』(かんき出版)は5万部を超えるベストセラーとなり、シリーズ化もされ、累計10万部超。他の著書に『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方』(小社)などがある。
 
 

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