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7人目は、編集本部・志儀保博です。

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こんな時は逆に小説ではない短いものを読みたい。

日本文藝家協会編『ベスト・エッセイ2019』(光村図書)が面白かった。76人の書き手による76編のエッセイを集めたアンソロジー。新聞(地方紙が多い)と純文学の雑誌に掲載されたものが中心。書き下ろし作品はなし。この手の本の存在は、なんとなく知っていたが手にとって買い求めたは初めてだった。

 

痛快な作品、大笑いする作品、温かな気持ちになる作品、素晴らしい出来栄えの短編小説のようで思わずうなる作品、追悼文、知らないことを教えてくえたアカデミックな作品など、それぞれの書き手の方々の柔らかな知性を感じる作品が多い。

ただ、すべてが面白いわけではなかった。エッセイは難しい。

わたしのベストを5編選べば穂村弘さん、鴻上尚史さん、東浩紀さん、桂歌蔵さん、星野概念さんの作品になる。ぜひ読んでみてほしい。

この本は昨年の7月に刊行されたもので、今年の版も、きっと今頃、準備が進んでいるだろう。『…2020』を楽しみにしている。

また、小説ではない短いノンフィクションといえば上原隆『こころ傷んでたえがたき日に』(幻冬舎)はいかがだろう?

こちらはコラム・ノンフィクションの第一人者による無名の人々のドキュメンタリー。

上原さんはベストセラーになった『友がみな我よりえらく見える日は』(幻冬舎アウトロー文庫)が名高いが、この『こころ傷んで…』は全22編が『友がみな…』に勝るとも劣らぬ傑作。描かれているのは、会ったことのない方々の人生だが、「こんな思いをしているのは自分だけじゃないんだ」と、この本を通しての彼らとの出会いに感謝したくなる。

ともに短い時間で豊かな共感ができ、読み進めるのが惜しくなるはず。 

#こんな時だから読みたい本

日本文藝家協会編『ベスト・エッセイ2019』

日々の雑感,考察,失敗談から,亡くなられたあの方への追悼文まで、2018年に新聞・雑誌・ネット等に発表された中から選りすぐった珠玉のエッセイ76篇!

上原隆『こころ傷んでたえがたき日に』

ベストセラー『友がみな我よりえらく見える日は』の感動が10倍になって帰ってくる。泣いて、ホッコリ。笑ってしんみり。短いけれど大きく深く魂をゆさぶる珠玉の22編。

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