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今年になってから、嘘のように弱くなってしまったように見える日本代表。

昨年までの親善試合のときとは別チームかというくらい、公式戦になると滅法弱くなってしまった印象である。

日本の弱点はロングボール。

それが周知されたいまとなっては、これからのアジア予選は「ロングボール対策強化期間」と捉えて克服するいい機会だと思うしかない。

そんな日本代表だが、相変わらず「ワールドカップで優勝する」と公言する選手たちがまだ目につく。

キャプテンの遠藤もそう言っていたし、ほかの誰かもワールドカップ優勝が目標であることに変わりはない、と言うのだが、聞いているこちら側としては、「ま、目標を高く設定するのはいいんだけれど、だったらまずはアジアカップで優勝して欲しかったよなあ……アジアを制してから言ってくれた方がまだね……」と思うのは当然の話である。

もはや聞かされているこちらとしては、「ああ、また言ってるよ」と聞き流してしまっている。

こんな風なことを書いていると、代表アンチのように思われてしまうかもだが、全然そうではない。

応援しているからこそ、目を覚まして欲しいのだ。

とりあえずワールドカップ優勝はいったん置いといて、まずは公式戦で目の前のアジア勢をきちんと蹴散らして安心させて欲しい。

とにかく本田や長友の全盛期のあたりから、日本がワールドカップ優勝というのをやたらと公言するようになってきた。

それぞれは世界的ビッグクラブに所属して、ハイレベルな試合を日常的に行なっているのだから、ワールドカップの頂というのがチラチラ見えたりするのかも知れない。

けど、それって所属チームにいるときにも公言しているのだろうか？

遠藤が所属のリバプール内で、そんなことを言っているのだろうか？

ファン・ダイク「Hey、ワタル。おれたちオランダ代表は前回のワールドカップでベスト8やったやろ？　お前のとこの日本は、次の大会でどれくらいの目標でいるん？」

遠藤航「え？　おれたちの目標は優勝だよ」

ファン・ダイク「ワタル、お前もようやくジョークが言えるようになってきたんやな」

遠藤航「いんや、冗談じゃないよ。本気。日本の監督もそう言ってるからね」

ファン・ダイク「おいワタル。おまえの国の監督の気はたしかか？」

遠藤航「え？　なにが？　優勝するためにがんばるで」

ファン・ダイク「……ちょっとみんな聞いてくれー！　ワタルが日本がワールドカップで優勝するとか言うてるでー！　どない思うー？」

マック・アリスターやダルウィン・ヌニェスやクロップ監督たちは笑顔で「まあ頑張ってくれよ」「健闘を祈ってるぜ」などと言ってくれるかも知れないが、当然本音は「俺たち強豪国を差し置いて、なに言ってんだよお前」である。

日本選手のなかにも当然、日本が優勝するなどとは思っていない面々もいるだろう。

というか、そっちの方が多いはずである。

「監督とかキャプテンが優勝とか言ってるのに、僕はそうは思えない、とか言って水差したら、絶対詰められて圧かけられるし、代表に呼ばれなくなる可能性もあるしなあ。ここは同調してやり過ごすしかねえな」

ワールドカップで優勝するという目標は持っていてくれてもいいのだが、もう公言しないでもいいと思うのだ。

もうちょっとちがうモチベーションの上げ方というのもありそうなものだが、どうだろうか？

 

伊東純也問題や三苫冨安がケガで招集されないというなんとなく薄暗い雰囲気のなか、ひさしぶりにやってきた小柄なイタリアンこと長友佑都は宿舎内や練習場やロッカールームと、あらゆる場所でさすがの明るさでチームを盛り上げていた。

正確にいうなら、盛り上げようとしているよりも彼自身が久しぶりの代表招集で抑えきれない高揚感がみなぎっていた。

「代表に呼ばれて、細胞が活性化しているっ！」

と、ナチュラルハイでキマりまくってるベテランを、若手の久保が「彼はそこらへんしっかりと自分の特徴をだしてきているのかなと思います」というあたり、久保も小気味の好い後輩である。

北朝鮮との試合前に「あいつらは目の色変えてやってくるぞ！」と味方たちを鼓舞していた長友だが、誰よりも目の色がちがっていたのは間違いなく長友自身なのは間違いなかった。

試合に出ずとも存在感を放ち、チームを明るくする長友佑都。これからも継続して呼んでいただきたいものである。