いよいよワールドカップ最終予選の長い道のりが始まった。
中国、バーレーン相手に12得点0失点という勇ましいスタートを切り、アメリカまでの視界は良好と喜ばずにはいられないが、日本代表サッカーのファンとして喜ぶべきことは、なんといっても伊東純也の復活だろう。
アジアカップ中に性加害問題勃発で離脱。それからしばらく代表には招集されない時間が続いたが、この9月からの最終予選に間に合った。
伊東は2試合とも途中出場ながらゴールもアシストも決めるあたりは、相手のレベルはさておき、やはり代表に必要な存在であることを改めて示していた。
これまで右サイドで上下関係でもあった菅原由勢は伊東純也の復帰について聞かれた際に、
「一緒に寝たいくらいに嬉しい」
と、可愛らしい後輩然としたコメントをしていたが、これは伊東純也の疑惑に対するブラックジョークなのかも知れない。
ユーモアがありそうな菅原なら言いそうでもある。たんに私が曲解しているだけかも知れないが。
それにしても今年の代表選手には、女性問題がつきまとっている。
女性たちは酷いことをされたと被害を訴え、細かいことはよく分からないまま結局は無罪という流れ。
女遊びはしていたが、そんな酷いことはしてはいないという話になっているようだ。
伊東の復活となった中国戦。
途中交代で伊東がピッチ上に入るとき、テレビ越しでもすごいなと思うほどもの大歓声と拍手で迎えられていたが、女性に酷いことはしていなかったとしても、浮気をしようとホテルまで行っていたのは事実で、あの拍手をしていた人たちはそこらへんをどう考えているのだろうか。
「スポーツ選手の浮気のひとつやふたつくらい、別にいいじゃないか」などということを書いたりすると、世間様から正論の袋叩きに遭い、社会的に抹殺されて砂漠の真ん中に捨てられそのまま放置されてしまうような、言いたいことも言えないこんな反町ポイズン隆史的な世の中はまるで「北斗の拳」の如き乱世である。
さてそんな日本代表は、この最終予選のスタートで圧倒的な強さを見せつけ「アジア最強へ復活の狼煙」を上げることになった。
とはいえ、中国もバーレーンも本来ならば最終予選レベルではないと思えるほど圧倒しての勝利。
なんなら10月シリーズで対戦するサウジアラビアやオーストラリアといったこれまでアジアの強豪国と呼ばれていた国も、この2戦の結果を見る限りでは、前評判ほど強くない感じもするのも事実。
正直、イランやカタールが同じ組でなくて、安堵した人は多いのではないだろうか。
今回の代表のDFラインには、冨安伊藤というビッグクラブ所属のスタメン候補選手が怪我で呼ばれていない。
いつの間にか気がつけば選手層が分厚くなっていて、三浦カズや中田ヒデあたりの頃から思えば隔世の感が色濃く感じてしまう。
メンバーが入れ替わったり厚くなったりするように、時間が移り変わればそれまで当たり前だったことがどんどん変化していく。
もはや最終予選が当たり前に地上波で見れる時代ではなくなってしまった。
今回の最終予選もアウェーは課金しないと見れないという厳しい現実に、深いため息をついてしまうのである。
「どうせ日本はW杯に出場できるんだから——」
そう分かっているはずなのに、翌日にハイライトで見ればいいのに、と思っていてもやはり試合が見たくて課金してまで試合を見てしまう私は従順な消費者なのか、それとも果たして幸せなのか、悩ましいところである。
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