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眩しがりやが見た光

2018.10.31 更新 ツイート

降参マヒトゥ・ザ・ピーポー

自分の主催していたお祭りが終わり、放心するだけの日々が続いている。眠っても眠っても眠たくなるのは、きっと芯から疲れてしまったためだろう。振り返る体力すらもはや残っておらず、余韻などという優しく香る感触は体のどこにもない。

ただ腐った肉のようにごろつきながら窓の外の冷たい空気を肺にいれ、かわりに濁った色の二酸化炭素を吐き返す反復運動。

後悔のない人生をなんて言葉があるが、飛べば体が落ちるとわかった崖でも飛ばなければいけない時がある。骨は砕け、関節の間のぶよぶよは岩の上で、落ちた柿のよう、潰れた肉片を見ながら後悔と共に頬を持ち上げ笑ったような顔をする。

悪魔と契約して体をレンタルしている場合、操縦士の意志に関わらず、決定に従わなければいけない時もある。何からも解き放たれた自由な人なんて、実はどこにもいないことをわたしは知ってる。夜中にこっそり引き出しを開け、汚い字で殴り書きされた契約書を盗み見したから。

こういう感覚はこの世界では存在することをあまり許されていない。天命など狂人の戯事扱いされてしまうのは仕方がないことなのかもしれないが、ただ、殺人犯のそういった気分に関してわからなくはない。

つくづく音楽があって、ギリギリのところで人間の均衡を保たせてもらっていると思う。こんなことを書くと、いつかわたしが犯罪などでニュースになった時、あいつはこう書いてたとか言って引用リツイートされて拡散されるのだろう。でも、なんかどうでもいい。わたしはわたしの出会った人以外、存在していないものとして、生きている。わたしが隣人を想う、想像力の限界はそんなものだ。

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マヒトゥ・ザ・ピーポー『銀河で一番静かな革命』

海外に行ったことのない英会話講師のゆうき。長いあいだ新しい曲を作ることができないでいるミュージシャンの光太。父親のわからない子を産んだ自分を責める、シングルマザーのましろ。 決めるのはいつも自分じゃない誰か。孤独と鬱屈はいつも身近にあった。だから、こんな世界に未練なんてない、ずっとそう思っていたのに、あの「通達」ですべて変わってしまった。 タイムリミットが来る前に、私たちは、「答え」を探さなければならない――。 孤独で不器用な人々の輝きを切なく鮮やかに切り取る、ずっと忘れられない物語。アンダーグラウンド界の鬼才が放つ、珠玉のデビュー小説。5月23日発売。

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GEZAN・マヒトの見た、光、幸福、人生。

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マヒトゥ・ザ・ピーポー

ミュージシャン。2009年に大阪にて結成されたバンド・GEZANの作詞作曲を行いボーカルとして音楽活動開始。
2014年、青葉市子とのユニットNUUAMMを結成。
2018年、GEZANのアメリカツアーを敢行し、スティーブ・アルビニをエンジニアに迎えたアルバム「Silence Will Speak」を発表。
2019年2月にソロアルバム「不完全なけもの」、4月に「やさしい哺乳類」を発売。
5月にはじめての小説「銀河で一番静かな革命」を発売、6月には初めてのドキュメンタリー映画「Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN」が公開、同年7月には初めてのフジロックのメインステージ出演が決定している。
2014年からは、完全手作りの投げ銭制野外フェス「全感覚祭」も主催。自由に境界をまたぎながらも個であることを貫くスタイルと、幅広い楽曲、独自の世界を打ち出す歌詞への評価は高く、日本のアンダーグラウンドシーンを牽引する存在として注目を集めている。

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