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阿佐ヶ谷姉妹の、のほほんふたり暮らし

2020.02.15 更新 ツイート

第二回

ナイナイ44【文庫発売記念リバイバル掲載】阿佐ヶ谷姉妹

バラエティ番組からインタビュー記事、そしてモーニングルーティーン動画まで、各所で疲れた我々を癒しまくってくれている阿佐ヶ谷姉妹のお二人。この度、おふたりのリレーエッセイをまとめた『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』が文庫になって登場です! 同居生活からまさかの……!? 展開を経て、今の生活ぶりを語って頂いた特別対談付き。ぜひぜひ店頭でお求めいただけたら幸いです。発売を記念して試し読みミニ連載をスタート!

 

姉はぱっと見しっかりしていそうに見えますが、まったくもってしっかりしていません。とにかく忘れ物をします。

「あれ?ないなないな、ケータイ置いてきちゃったかしら?みほさん、悪いんだけど、私のケータイ鳴らしてもらえない?」と四六時中言ってきます。仕方ないので、鳴らしてあげようとケータイを出そうとすると「あ、あったわ」とケータイが見つかったりします。こんな事の繰り返しです。あ~腹立たしい。

ケータイ、ペン、メガネ拭きなど、細々した物を忘れるのは日常茶飯事ですが
いつも着ているピンクのドレスも3回忘れた事があります。

あのピンクドレスがないなんて、ふなっしーが着ぐるみを剥がれたも同然です。
まったくお話にならないのです!!

ピンクドレス(今着ているドレスは3代目)は姉妹が10年前、初めてお笑いライブに出た時、由紀さおりさん、安田祥子さん姉妹のネタ(トルコ行進曲を延々歌うというネタ)を
した時からずっと着ております。
1代目のドレスは阿佐ヶ谷の商店街で1~2週間期間限定でやっている安いダンス用ドレスがいっぱい売っているイベントショップで2500円で買いました。
このネタ用に買ったものでずっと着るつもりもなかったのですが、テレビ局の方から、そのドレスでおしとやかな姉妹が花嫁修業をしているネタみたいのを作ったらいいんじゃないかとアドバイスを頂きまして、それから流れ流れてずっと着ております。
なんでどこに行くにも、こんなドレスを着ているのか自分でももうわかりません。

今着ているピンクドレスは3代目になりまして、阿佐ヶ谷のダイヤ街にあるドレス屋さんで5年前位に7980円で1人2枚ずつ購入しました。それを家でネットに入れて、オシャレ着洗いをして部屋干ししながら着ております。

ドレス情報はこれぐらいにして、姉のドレスの忘れ物の事でした。
1回目はずいぶん昔で、2、3回目は去年やりました。

2回目は現場が渋谷だったのですが、幸い、渋谷にある姉妹の所属事務所にたまったま衣装があったので、(ヤーレンズさんという、男子漫才コンビが姉妹のネタをライブでカバーしたいとの事で貸しまして、それが事務所に戻ってきていた。普段は自宅に置いてあります)を姉がダッシュで取りに行き、事なきを得ました。

3回目は北区尾久でやってしまいました!

今回の仕事は3日間の料理番組の撮影で、姉が高校の同窓会で初恋の人に会う為に苦手な手料理を頑張ろうするドラマ仕立てのステキなストーリーでした。
撮影はずっとピンクのエプロンにピンクドレス、ピンクのスリッパでまさにピンクずくしで行っていたのです。その2日目でした!

阿佐ヶ谷から結構遠く、朝の混雑の中、ああ尾久にやっと着いた、今日もドレスに着替えますかね~と思っていた時に、

姉「やった、やってしまったわ」

姉を見ると絶望の淵に立たされたような死んだ顔をしています。

ああ、またやった、頭が寝ているので怒りも湧いてこず、しかしみほ落ち着け、どうすれば1番いいか?と眠い頭で考え、どう考えても衣装がないと話にならないので、姉妹でスタッフさんに事情を話しに行きました。
スタッフさんは大丈夫ですよと優しく接してくれましたが、2人でほんとすみません、ほんとすみませんと平謝りしました。

現場にやっと着いて30秒で姉は阿佐ヶ谷に戻り、
朝は機嫌が悪くぶすったれている私もさすがに途中でスタッフさんに
「本当にどうもすみません。一人でできる事が何かありますか?何でもやりますので」と言いに行き、切り干し大根が入ったタッパを冷蔵庫に入れる手のアップのシーンを1つ撮り、「みほさん、後は大丈夫ですよ、休んでいて下さい」と言われたので、控え室で物音を立てないように気配を消し、しずーかに五木ひろしさんの顔マネみたいな顔をしながら、じ~~っと座っておりました。

姉を待つ間、ふと控室の窓ガラスを見ると、白くて小さいプツプツとした虫の卵みたいなものが付いていました。
あの卵らしき物を押してみたい…中身が出てきたら怖い…でも卵だったら申し訳ないしな…と思いながら、じーーーっと見ていました。ネットで調べてみると、どうやらカメムシの卵のようでした。

2時間後、現場に戻ってきた姉はふた周り縮んだように見えました。

その日の撮影を終えて控え室に戻るとカメムシの卵が孵化して、黒い小さい子供たちがワラワラと窓ガラスの上に登っていっておりました。

ほらほら、カメムシが孵化してるよ!すごいね!と姉に言ったら「何がカメムシよ。」と言われました。

そんな姉に、今日はドンマイと優しくしてあげたら、夜、レバニラ定食をおごってくれました。

この一件でさすがに懲りたのか、姉は家の壁に

出る前に必ず確認!
お財布は?
ケータイは?
衣装は?
(ドレス・チョーカー・靴・メガネ)

の貼り紙をしました。

最近、ドレスは忘れていませんが今日もメガネ拭きがないないと言っております…。
(妹・美穂)

マスキングテープがおしゃれな貼り紙。

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関連書籍

阿佐ヶ谷姉妹『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』

40代・独身・女芸人の同居生活はちょっとした 小競合いと人情味溢れるご近所づきあいが満 載。エアコンの設定温度や布団の陣地で揉め る一方、ご近所からの手作り餃子おすそわけ に舌鼓。白髪染めや運動不足等の加齢事情を 抱えつつもマイペースな日々が続くと思いき や――。地味な暮らしと不思議な家族愛漂う 往復エッセイ。「その後の姉妹」対談も収録。

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阿佐ヶ谷姉妹の、のほほんふたり暮らし

40代、独身、女芸人ふたりの地味おもしろい同居生活エッセイ。

バックナンバー

阿佐ヶ谷姉妹

ASH&Dコーポレーション所属
高い歌唱力で歌って踊れるピンクのドレスの二人組。
劇団東京乾電池研究所にて知り合い、以来親交を深める。
本当の姉妹ではないけれど、顔が似ているということでコンビを組むことに。
2016年フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」『第22回細かすぎて伝わらない モノマネ選手権』優勝。現在、数々のバラエティ番組で活躍中。

渡辺 江里子(わたなべ えりこ・写真右)
1972年7月15日生 栃木県出身 特技:ハモり 趣味:カラオケ

木村 美穂(きむら みほ・写真左)
1973年11月15日生 神奈川県出身 特技:ゼリー作り 趣味:仏像鑑賞

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