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その悩み、ハイパフォーマーならこうするね

2026.06.01 公開 ポスト

「どんな環境でも成果を出す人」は“やる気”よりも、“没頭する力”にこだわる相原孝夫

ハイパフォーマーとは、一時的に成果を出した人ではなく、環境や状況が変わっても、一定以上の成果をあげ続けている人。「ハイパフォーマー研究」をライフワークとし、これまで3000人以上のハイパフォーマーにインタビューを重ねてきた、人事・組織コンサルタントの相原孝夫氏が、ハイパフォーマーの悩み方をまとめた、『その悩み、ハイパフォーマーならこうするね』を発売しました。 困難に直面したとき、ハイパフォーマーならではの考え方の軸とは何なのでしょうか? 「やる気」の捉え方をお届けします。

ハイパフォーマーはモチベーションなど眼中にない

ハイパフォーマーの人たちに聞いてみると、モチベーションというものにいかに興味がないのかがよくわかります。

管理職に対するインタビューの中で、「やる気が出ない時、たとえばスランプに陥った時など、どうしますか?」と聞いてみます。すると、ハイパフォーマーではない人たちの多くは、「待ってました」とばかりにその質問に対して熱弁を振るってくれます。やる気のスイッチの入れ方や気分転換法などを雄弁に語るのです。日頃からいろいろと対策を考えているようです。

しかし、ハイパフォーマーの多くはまったく違う反応をします。一瞬きょとんとして、しばし考えて、言葉少なに応じます。予想していないことを聞かれた時の反応です。どのような返答をするかと言えば、「やる気はあったりなかったりすると思いますが、あまり考えていません」とか、「仕事なのでつらいことの方が当然多いですが、やる気のあるなしにかかわらず、やるべきことをやってます」など。

聞く側としては、肩透かしを食らうような返答となります。あからさまに、「いったい何を聞かれているのか?」というような表情をし、困惑する人もいます。要するに、やる気やモチベーションということを問題視していないばかりか、そもそも普段意識下にあることではないのでしょう。

また、より本質を突く回答としては以下のようなものがあります。

やる気を出してやろうという風に思っているわけではありませんが、仕事をしていく中で面白くなって没頭することは時々あります」と。モチベーションが先ではないのです。モチベーションはプロセスに宿っているということなのです。

モチベーションが先ではない

仕事に限らず、トレーニングでも習い事でも、娯楽以外のあらゆる活動は、必ずしんどさを伴います。だから、動き出す前にあれこれ考えてしまっては、ますます動き出せなくなります。ましてや、誰かにそのようなことを強要されたりすれば、さらに心理的抵抗感は増すばかりです。仕事もそうですが、やりたくてやるというケースは多くなくて当然です。やることが当たり前であって、習慣だからやるということ以上のものではありません。進めていく中で気分が乗ってくることもあれば、そうでないこともある。やる前から、モチベーションを持ち出す必要はないのです。

結局、プロセスを進めていくうちに、モチベーションが上がっていくわけであって、モチベーションが先ではないのです。したがって、それを目的とすることはおかしなことなのです。感情を排除するわけではありません。感情は必ずプロセスを進めていくうちに、楽しいとか苦しいとか、湧き上がってくるものです。プロセスを進める前に、動き出す前に、ネガティブな感情にあえて取り合うべきではないということです。

「3つの根源的欲求」

会社が従業員の「やる気」に焦点を当てて、「やる気を出させよう」とすることは逆効果となる可能性が高いと考えられます。一方で、会社の中には、モチベーションを削ぐ装置がいろいろとあります。人事制度がモチベーションを削いでいる可能性もありますし、業績のプレッシャーをかける上司の存在や組織の風土、職場の人間関係、他部署との利害関係等々。それゆえ、会社として重要なのは、「やる気を起こさせる」必要があるのではなく、「やる気を削がないようにする」必要があるということです。

「やる気を削がないようにする」という観点からすれば、「モチベーション理論」を理解しておくことも有用です。心理学の中で研究が盛んな分野であり、「マズローの欲求5段階説」や「ハーズバーグの二要因理論」、「期待理論」等々、いろいろとあります。ここでは、それらに共通すると思われる3つの根源的欲求について解説したいと思います。

1.誇りをもって仕事をしたい

2.良い人間関係の中で働きたい

3.仕事を通して成長したい

誰しも、自らの強みを活かして仕事をし、認められ、尊重されることで、誇りをもって仕事をしたいと願っています。また、人は社会的な生き物なので、良い関係性を保ちたいという欲求はとても強いです。特に仕事の場合、毎日のことなのでなおさらです。加えて、生活の中の圧倒的に多くの時間を費やしている以上、その活動を通して成長しなくてもいいと思っている人はいないでしょう。成長欲求も根源的なものです。

これらの3つの根源的な欲求はとりわけ重要であるがゆえ、なおざりにされれば、モチベーションを削ぐばかりか、離職にもつながりかねません。多くの場合は、不公平感などに端を発するのですが、「この職場では尊重されない、認められない」という感情を持った場合、転職を考える傾向が強いのです。

「今の職場の人間関係が耐えられない」と思った場合も同様です。

また、若くて優秀な人材ほど、成長意欲が高く、「ここにいても成長できない」と思えば、成長できる場を求めて離職をします。この3つについては、「やる気を削がないようにする」ために、会社や上司は常に考慮しておく必要があります

*   *   *

続きは、相原孝夫著『その悩み、ハイパフォーマーならこうするね』をご覧ください。

関連書籍

相原孝夫『その悩み、ハイパフォーマーならこうするね』

悩むのは、能力不足のせいではない。 より良い状態へ移ろうとしているサインだ ハイパフォーマー=仕事で成果を出し続ける人 3000人以上のインタビューから見えた 仕事の壁をキャリアのステップに変える思考法 3000人以上のハイパフォーマー=成果を出し続ける人にインタビューを重ねてきた、人事・組織コンサルタントが明かす、共通する「悩みの乗り越え方」。 それは、自分を責めず、焦らず、淡々と続けること。 なぜそれができるのか。 彼らは悩みを能力不足のせいにせず、 状況が変わり始めているサインとして受け止めているからだ。 「成長」「人間関係」「職場環境」「自信」―― 16の悩みに、ハイパフォーマーならどう向き合うのか。 仕事人生は、「悩み方」で大きく変わる。

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その悩み、ハイパフォーマーならこうするね

2026年5月13日発売『その悩み、ハイパフォーマーならこうするね』(相原孝夫著)について

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相原孝夫

人事・組織コンサルタント。立教大学大学院ビジネスデザイン研究科特任教授。株式会社HRアドバンテージ代表取締役社長。早稲田大学大学院社会科学研究科博士前期課程修了。マーサージャパン株式会社代表取締役副社長を経て現職。人材の評価・選抜・育成および組織開発に関わる企業支援を専門とする。旧労働省大臣官房政策調査部研究会委員、総務省研究会委員、日本人材マネジメント協会(JSHRM)幹事等を歴任。経営アカデミー(日本生産性本部)、日経ビジネススクールほかでの講演等多数。著書に、『なぜ私たちは、仕事が嫌いになるのか。ハイパフォーマーの隠された真実 』『職場の「感情」論』『バブル入社組の憂鬱』『ハイパフォーマー 彼らの法則』『会社人生は「評判」で決まる』『コンピテンシー活用の実際』(以上、日本経済新聞出版)、『仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか 』(幻冬舎)、『図解 競争優位を生み出す戦略人材マネジメント』(東洋経済新報社)ほか多数。

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