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極北でアートを学ぶ

2022.01.08 更新 ツイート

女性だってもっと気軽に「性」の話をしたい 吉村静

この前よく遊ぶクラスメイト、うち女性3人、もう一人はノンバイナリーの4人であてもない話をしていて、そこから性の話になった。好きな人の話、パートナーとの関係、そこからセックス、セックスレス、マスタベーションをする・しない、など、今まで人にあまり話したことのなかったことを話した。

 

一人が話し出すとみんなふむふむと聞き入り、アドバイスし合ったり、「そんなの私もそうだよ!」と励ましあったりして、正直涙が出そうになるくらいホッとした。今までカナダで5年暮らしてきたけどここまで普通に性の話をする機会がなくて、この人たちに出会えたことはマジで宝物だと思った。

パートナーのルイスが書いた書き初め。自由でええなぁ。

それを他の3人に伝えると「私もこういう話したことない。めっちゃ言いにくいもん。だから今日はみんなで話せて嬉しい」と言ってくれた。そこから「なんでこういう話って言いにくいんだっけ?」という話題に変わった。とくに女性が性のことを話すのはご法度感があるし、実際隠れている。なんでじゃ?

私の書き初め。「人間たち食べすぎてるよなぁ」と常日頃思っていて、腹八分目を心得て生きていきたい、という思いを込めて。

そういう意味では生理の話もやっぱりしにくい。私は生理痛が昔からものすんごく重くて、ある時それを男性の友人に伝えたところ、「そういう話は普通女性はしないんだよ」と返された。でもじゃぁこの痛みの原因をなんて説明すりゃええんじゃいいいい! と思ったけど、何も言い返せなかった。

ドーソンではこれを泥棒目的ではなく、防寒目的(こっちが本家のはず笑)で被っている人が結構いる。写真はルイス。

そもそも世の中には何歳までに結婚すべきだ、とか年齢によるプレッシャーを感じる機会があるし、勝手な憶測、世の中では常識とされていること、ニュースやネットで見る偏った情報など、いろんな要素がそういう声を押し潰してしまう。結果欲しい情報が手に入らないし、一人ぼっちになってしまう。話すの恥ずかしいな……とか、変な風に思われるかな? と気を遣ってまた話せない。結果「女性たちはこういう声を共有できる機会が全然ないし、まだまだ男女不平等やなぁ」という現実を共有した。

玄関まで迫る雪。明日も雪かきじゃー!

日本のニュースを読んでいても男女に大きな給与の差があったり、女性は正社員じゃなくて非正規で雇われることが多いってのをよく目にする。以前カナダの友人がバイト先で男女の時給が違う(違法)ことで憤慨し、仕事を辞めていた(レアなケースだと信じたい)。世界にはまだまだ男女の格差があることをその時も思い知らされた。

そういういろんな不平等さが「女性はセックスや性のことを話すべきではない感」にも関係してるんじゃないかな? と思う。もちろん思っていることを全て人前で言うことが理想とは思わないけれど、でもそれを話せる人や場所があることは大きな安堵感に繋がるはず。

最近またオーロラが見えた!

私も7年一緒にいるパートナーがいるけれど、結婚はせずに「コモンロー」というカナダの事実婚的な形をとっている。カナダに来てからある友人が「結婚は女性が男性の家族の中に入っていくっていう考えに反対だからコモンロー」っていう友達がいて、そこから私も「結婚」ってなんだっけ? と考えるきっかけをもらった。盲目的に結婚するのがいいって思っていた自分にも気がついてがっかりしたけども。

クラスメイトの仲良し、チェルシー。

他にもカナダに来てから歳をとっても彼氏彼女を作って仲良く手を繋いで歩いているカップルとかよく見るし、好きな人同士での関係性はほんま人それぞれやん、と思うようになった。カナダは同性婚も認められてるし、結婚しても夫婦別性でオッケーだし、選択肢があるのはほんまにありがたいと同時に、これって本来人がそれぞれ生きたいように生きていくための最低限の選択肢だとも思う。

買い物にクロスカントリースキーで出かけていくパートナー、ルイス。

カナダに来てから仕事場でも学校でも、重役たちのジェンダーの割合も気にするようになった。バンクーバーで働いていた会社はトップが女性だったし、今のアート学校もほとんどの教師陣が女性。そういう姿を見ていると、すごく勇気をもらえる。今回もひょんなことから「普通に」性の話が始まったことが嬉しかったし、それは周りの女性たちの活躍する姿を目にする機会が増えたこと、そしていろんな考えを持った友人たちのサポートのおかげに他ならない。

言いにくい! と思えることほど本当はもっと知りたい。そんな話を気兼ねなく本音で話せるコミュニティが増えていったらいいなと思う。

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極北でアートを学ぶ

カナダへ移住して4年半。バンクーバーを飛び出し、私はドーソン・シティへ引っ越した。目的は、ビジュアル・アートを学ぶため。氷点下40度に達し、オーロラの見える極北の地で、どんな人と、どんな風景と出会えるだろう。ありのままの生き方を探す、ゆったりエッセイ。
[バナーデザイン:宗幸(UMMM)]

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吉村静

1987年、新潟県長岡市生まれのランナー。走歴25年。ランニング雑誌の出版社に勤めた後にカナダへ渡り、トレイルランニングやハイキング、日々のお散歩に没頭する。カナダで2年過ごしたのちに南米やニュージーランド、インドなど様々な国で写真を撮りながら旅をする。2019年からカナダの永住権を取得し、現在はバンクーバーで暮らす。トレイルランニング用品専門店Run Boys! Run girls!のウェブにてアウトドアスポーツのある生活を綴る「Tip of the iceberg Newspaper」という名のブログも更新中。バンクーバーのヌーディストビーチで開催される裸のランニング大会Bare Buns Run2014年大会女子の部優勝。

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