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極北でアートを学ぶ

2022.03.22 公開 ポスト

カナダの奇祭“Thaw di Gras(ソディグラー)”で春を祝う吉村静

ドーソンにもついに春がやってきた。この前まで気温がマイナス30度だったのに、今日はマイナス6度ほど。太陽がさんさんと輝いていて、雪の残る町では日中眩しすぎてサングラスが必要な時もある。夜8時を過ぎても外が明るくて、日照時間の急激な伸びと世界の明るさ、エネルギーに頭がちょっと混乱気味の日々が続いている。

 
春のお祭りThaw di Grasの看板が町の入り口に。

3月18~20日の3日間、暖かい春の訪れを祝うお祭り「Thaw di Gras(ソディグラー)」が、ドーソンシティで開催された。毎年この時期に行われているイベントで、レストランやギャンブルホール、学校や公園など、町の至る所でユニークなイベントが開催されている。全てのイベントがドーソン住民が自主的に企画したイベントで、ボランティアで成り立っている。

町の道路がアイスホッケーのアイスリンクに!

Thaw di Grasはドーソン周辺の小さな町からも人が集う春の一大イベントで、毎年多くの人が訪れる。Tシャツにマスタードの染みで絵を描く選手権自転車をゆっくり漕ぐレース(一番遅いタイムの人が優勝)、斧投げ、丸太切り&丸太投げ選手権、チリコンカン料理選手権、卵を優しく投げる選手権、10分間で傑作を作るイベントなどがある。

他にも、人間浮き輪カーリング、スノーシューイングレースのようなアクティブなものや音楽イベントなどなど、とにかく盛り沢山の内容になっている。

こちらは人間カーリング。ルールはよく分からないけど、楽しそうだった。
唯一参加したのがキックスレッドレース。文字通り写真のスレッドをキックしながら前に進む。

昨年の9月からこの町に住んでいるけれど、少しづつ知り合いも増えてきて、私も何かコミュニティに恩返ししたい! という気持ちが芽生えるようになった。そこでパートナーのルイスと相談して、以前バンクーバーで参加したフィンランド発祥のWife Carrying Race(嫁担ぎレース)を主催することに。

スタートのサインは手作り。スキーに結んで立っている。笑

数年前にバンクーバーで開催された嫁担ぎレースに参加した時めちゃめちゃ面白くて、ドーソンなら受け入れられそうな気がしたのだ。数年ぶりにその主催者に今回ドーソンで嫁担ぎレースをすることを伝えると、私たちのことを覚えててくれて、「えー! ワイフキャリーがどんどん広まって嬉しい! めっちゃ応援してる!」とお墨付きをもらった。

参加者にルールを説明するパートナーのルイス。

初めてこの町でイベントを企画したけれど、人口2000人の小さいコミュニティだから、相手の顔が見えやすく、「みんなが笑ってくれるといいなぁ」と思うと手が動く。そしていよいよイベント当日! 開催場所は家から徒歩1分のところにあるMinto Park。当日申し込んだのは11組のチームで、ゆるーくイベントがスタート!

パートナーを担いで走る人々。強い!

今までバリバリに凍っていた雪がここ数日の暖かさで急激に溶け始め、歩くとズボズボ沈んでしまう。でもそれがある意味障害物のようになり、見ている人たちは爆笑しながら応援していた。始まる前まではいろいろ不安があって緊張していたけれど、終わってからいろんな人が「企画してくれてありがとう!」「めっちゃ楽しかった!」と声をかけてくれて、やってよかったなぁと思えた。

各イベントごとにリボンがあって、1~3位のものもあれば、写真のように「最後の人」や「スター」を祝うリボンもあった。

土曜日は他にもいろいろイベントが開催されていたけれど、イベントの疲れがどっと出て、家に帰って寝てしまった(午後5時就寝! 笑)。次の日の日曜日もいろんなイベントが開催されていて、「卵優しく投げる選手権」を見に行った。2人組になって卵をせーので投げる。どんどん距離を離して行って、割れずに卵をキャッチし続けたチームが勝利。大人も子どももかなり真剣になって卵を投げていた。

卵キャッチ選手権の様子。分かりづらいけど卵が空を飛んでいる。
こちらはムカデレース的なやつ。
雪の彫刻コーナー。スヌーピーがかわいかった。

バーなどの室内でも色々イベントが開催されてて行きたかったけれど、全部行くエネルギーが残ってなかったし、コロナの心配もまだあるしで、その後は家でゆっくり休んだ。でもイベントを通して地元の人たちの嬉しそうな顔を見て元気が出たし、「あぁ、あの長い冬を超えたんだ!」と実感できた。

暦の上ではもう春。まだまだ雪が残るドーソンだけれど、小鳥たちも最近よく見るし、リス達も冬眠から目覚めた様子。人間も動物も自然も、みんながそれぞれ春をお祝いしているのを感じられる週末になった。

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極北でアートを学ぶ

カナダへ移住して4年半。バンクーバーを飛び出し、私はドーソン・シティへ引っ越した。目的は、ビジュアル・アートを学ぶため。氷点下40度に達し、オーロラの見える極北の地で、どんな人と、どんな風景と出会えるだろう。ありのままの生き方を探す、ゆったりエッセイ。
[バナーデザイン:宗幸(UMMM)]

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吉村静

1987年、新潟県長岡市生まれのランナー。走歴25年。ランニング雑誌の出版社に勤めた後にカナダへ渡り、トレイルランニングやハイキング、日々のお散歩に没頭する。カナダで2年過ごしたのちに南米やニュージーランド、インドなど様々な国で写真を撮りながら旅をする。2019年からカナダの永住権を取得し、現在はバンクーバーで暮らす。トレイルランニング用品専門店Run Boys! Run girls!のウェブにてアウトドアスポーツのある生活を綴る「Tip of the iceberg Newspaper」という名のブログも更新中。バンクーバーのヌーディストビーチで開催される裸のランニング大会Bare Buns Run2014年大会女子の部優勝。

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