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結局だらしな日記

2021.02.08 更新 ツイート

この記憶をどこで生かせばいいのやら (1月8日~16日) 藤田香織

1月8日(金)

本日、ようやくママリンを所沢へ送って行く。

部屋の掃除を手伝って(いや、「手伝い」レベルなのは私の方だ)もらい、年末年始の準備も整えて頂き、「お腹すいたねー」といえば、「〇〇があるわよ」と冷蔵庫の中身も教えてくれて、天気が良ければ毎日洗濯(私の服はないけど。着替えてないから!)し、猫ズの餌と水もいつも新鮮たっぷりにトイレも綺麗に保ち、地味に面倒臭い定形外の郵便物や宅配便も機嫌よく「はいはーい」と受け取ってくれて、夜の10時には布団に入ってしまう母親を「やっと帰る!」と思う自分はどれだけ傲慢なんだ! と思う。ありがたい。大変ありがたいと思ってるのだ、本当に。

 

でも、思うけど、思うけども、だがしかし、「あ、帰る? じゃあ送って行くよ!」と心なしか声が弾みそうになった。いやいや、そこは「えー、もう帰っちゃうの?」とウソでもいいから言うべきだろうけども、そんなたまーにしか会わない、子役が演じる孫のようなセリフは言えないのだった。52歳だし!

大量の荷物を車に詰め込んで実家に帰ると、ちょうど庭に出ていらした隣家のKさんがほがらかに「あらお帰りなさーい!」と声をかけてくれた。
「あ、そうだ明けましておめでとうございます、ね」と応えるママリンに続いて、「おめでとうございます。今年も母をよろしくお願いします(笑)」と不義理な娘ですみません的ニュアンスで言ってみて気が付いた。
今、「(明けまして)おめでとうございます」って、家族以外に初めて言った!

常日頃からステイ・ホームな仕事的には、年始のイベントもなく、新年会もない今年は、きっともう「(明けまして)おめでとうございます」と言う機会はない。何しろ、この先3週間は、仕事で人と会う予定がまったくないのだ。その先の予定だって、このままだと、きっとリモートになるに違いない。「明けましておめでとうございます」。言う機会がない、と気付くとなんだかとっても尊い言葉な気がしてくる。

はりきって、送ってきたのにちょっと寂しくなって、帰り道ローソンに寄って、からあげクンを食べた。からあげクンは、いつ、どこで、ひとりで食べても美味しいところが素敵だと思います。

<最近の読書 下読み&解説モード突入中>
『ダーリンの進化論』(高嶋ちさ子/小学館¥1650)
……タレント本、と言われるエッセイは本当にいろいろなんだけど、何が強いかって読む前からその筆者の「顔」が分かっていて、そこで補われる部分が結構ある。でも、これは高嶋ちさ子という人を知らずに読んでも面白いと思う。文章そのものより、考察力に個性があるというか。エッセイ力髙い!
『メイド・イン京都』(藤岡陽子/朝日新聞出版¥1760)……主人公が、京男と結婚することになって京都に移住する、それを藤岡陽子が書く、というだけで読む前から「うひぃ! ……」と思っていたのだけれど、いやはや期待を裏切らない「うひぃ」感だった! 素晴らしい。こうして自分の力で生きていく場所を掴み取る系、やっぱり好きだ。藤岡陽子、いいなぁ。

最近の美味しい発見!これ、とても便利!
よくある食べラーよりさらっとしてて辛い。素晴らしい!
多目に味噌汁を作っておいて、翌朝、チーズとこれ足して食べるのがマイブーム。

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藤田香織

1968年三重県生まれ。書評家。著書に『だらしな日記 食事と読書と体脂肪の因果関係を考察する』『やっぱりだらしな日記+だらしなマンション購入記』『ホンのお楽しみ』。近著は書評家の杉江松恋氏と1年半かけて東海道を踏破した汗と涙の記録(!?)『東海道でしょう』。

Twitter: @daranekos
Instagram: @dalanekos

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