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結局だらしな日記

2021.06.11 更新 ツイート

ひとり模索する「キュンです」。「なにわ」DE「気付き」なワクチン祭!?(5月28日~6月5日) 藤田香織

5月28日(金)

世の中には(今日も大きく出てみる)「よく見かけはするものの、自分には一生無縁だと思われるもの」が多々ある。

日常品ではありません、と仕分けされた高級ブランドのバッグや靴とか、マンションのベランダから見えるタワーマンションとか、広い庭付き一戸建てとか、つい頬が緩んでしまう可愛い子どもとか、そうでもない子どもとか、そんな話ではない。それはそれで、言いたいことは山のようにあるけども、とりあえず置いておく。

 

昔も日記に、サッカー選手やアイドルをテレビで見ながら「自分は一生、投げキスをする機会はないだろうなー」と書いた記憶がある。ウィンクもまた然りで、それからずっと頭の片隅で気にしてはいたけど、自分的には眼科の先生にしかしたことがない人生である(そしてそれは一般的にウィンクとは呼ばれない。たぶん)。

能動的な経験だけでなく、受動的にもだ。
どうでしょう、みなさん。投げキスされたことありますか? 私はない。
ウィンクはどうでしょう? 私はない。アイドルの現場とかで「見た」ことはあるけど、それは自分だけがされたわけではなく、あくまでも「見た」に過ぎない。握手会とかいろんな1対1の接触イベントに参加している人なら、そんな経験もあるかもしれないけども。

今時の話でいえば、歌にまでなっている「キュンです」も言ったこともなければ、言われたこともない(そりゃそうだ)し、あの人差し指と親指を交差させる「指ハート」も、したこともなければされたこともない。

今日、街中(といっても、ステキな観光名所でもない、ただの路上だ)で、指ハートをしながら写真を撮り合っている女子高生を見かけて、(あのポーズを経験したことがある人の境目は何歳くらいなんだろう)と考えてみたものの、ちょっと見当がつかなかった。25歳? 30歳? 自分より上の世代だと写真じゃ指パッチンと間違えそうでもある。

家に帰ってきて、ソファに座って、初めてひとり指ハートをやってみたら、これが案外、角度が難しく、親指と人差し指の長さも微妙な調整が必要で、綺麗な指ハートには練習も必要であることが判明した。ムキになって、鏡の前に異動して調整を重ねる。ハートを際立たせるには、親指と人差し指以外の3本の指をすっとおりこむ必要があるんだけど、そんな簡単なことさえ、指関節が痛む。あと、自分の親指の「腹」が、ゴン太で可愛げがないことも知ってしまった。ツライ。あれはやっぱり若者のポーズだ!

みょうちきりんなポーズで立ち尽くす鏡の中の自分を見ながら、この練習、いつか役に立つ日が来るのか? という疑問が頭を過る。
いやちょっと! 役立たせる気にならないで自分!

見慣れない飼い主の「キュンです」ポーズに不信感を隠せない猫ズ。明らかに動揺してる!

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藤田香織

1968年三重県生まれ。書評家。著書に『だらしな日記 食事と読書と体脂肪の因果関係を考察する』『やっぱりだらしな日記+だらしなマンション購入記』『ホンのお楽しみ』。近著は書評家の杉江松恋氏と1年半かけて東海道を踏破した汗と涙の記録(!?)『東海道でしょう』。

Twitter: @daranekos
Instagram: @dalanekos

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