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結局だらしな日記

2020.12.28 更新 ツイート

ケーキがなければおでんを食べればいいクリスマス!(12月19日~27日) 藤田香織

12月19日(土)

土曜日とはいえ、微妙に追い詰められる原稿仕事を、とりあえずデータだけ抽出しておこう(書評する本の主人公名や住んでる場所や年齢といった固有名詞あれこれや、ストーリー的な展開を書き出す作業)とパソコンに向かっていた午後3時。
合間に見たネットニュースに張り付けられていたPR記事の「産毛」という文字が、一瞬読めず、そのことにかなり慌てる。

 

実際には気付くのに3秒ぐらいで、産毛? え? なにそれ。なんかまた知らん美容用語的な? さんもう……? え? あ! うぶげか! うぶげじゃん! やばっ、え? なんで読めなかった!? という感じだったのだけれど、それを「すぐに気付けて良かった」とは思えず、微妙に、確実に、コレハ、ナニカガオトロエテイルノデアルとショックを受けた。いやー、だって「産毛」が読めないって! 全然難読漢字とかではないわけで。

思うに、近年、新聞でも雑誌でもWEBでも、いろんな意味で(なるべく漢字をひらきましょう)モードになっていて、「産毛」という表記を久しく目にしていなかったのでピンとこなかったのだ。
「産毛」の表記は、たぶん今では「うぶ毛」が主流なはず。調べたわけじゃないけども。
あと、イメージ的には「産」より、「生」を「うぶ」と読ませて「生毛」の方が、可愛げがあって多い気もする。で、そもそも私自身が「うぶ毛」がどうこうという文章に触れる機会が、ひと昔前より激減している、ってこともあるに違いない。「うぶ毛」って、誰でもあるし知ってるけど、気にしなくなるとどうでもよくなる=美容系記事から遠ざかる→産毛表記からも遠ざかる→その主流が「産毛」より「うぶ毛」か「生毛」に代わってきている→「産毛」=「うぶげ」と脳内回路がすぐに繋がらなかった、ってことかと。

……ものすごくどうでもいい話だ。
でも日記って、大きな出来事より、こういうチマチマした話のほうが、後で読み返したときに自分は面白かったりする。そう、あくまでも自分は、だけど。
この辺のさじ加減が、公開日記としては悩ましくもあるわけで、しかし今日一日でいちばん印象に残った出来事が「産毛」だったのでしょうがない。

<最近の読書>下読みモード 新たなターン突入中
『神様には負けられない』(山本幸久/新潮社¥2090)
……会社務めを辞めて主人公が飛び込む世界が、義肢装具士の専門学校! 絶妙。さすが。それは絶対、舞台として面白いに違いない、と思って読んで、やっぱり面白かった。与作だ。へえへえほー! だ(違います)。上手いなぁ。
『騙る』(黒川博行/文藝春秋¥1650)……装丁とタイトルから、てっきり花柳界の話かと思ったら、美術系の連作ミステリーだった。いやそう帯に書いるのに、後で気付いたわけですが。なんであれ、こちらもへえへえほー! で、読み応えあり。美術の世界も、実際には迂闊に足を踏み入れられないけど、読むと世界が広がる最たるものかと。

飼い主にかまってもらえなくても、勝手に楽しみを見つける猫ズ、パル。箱があれば必ず入る!

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藤田香織

1968年三重県生まれ。書評家。著書に『だらしな日記 食事と読書と体脂肪の因果関係を考察する』『やっぱりだらしな日記+だらしなマンション購入記』『ホンのお楽しみ』。近著は書評家の杉江松恋氏と1年半かけて東海道を踏破した汗と涙の記録(!?)『東海道でしょう』。

Twitter: @daranekos
Instagram: @dalanekos

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