雑草という名の草はない
植物学者の牧野富太郎さんのお言葉。牧野さんと言えば、NHK連続テレビ小説、通称・朝ドラで、3年前にやっていた『らんまん』の主人公のモデルになった方。その牧野さんの、こんな素敵なお言葉を冒頭に出しておいてなんなんですが、今回は“雑草”のお話。まあ本当に何をもって“雑草”なのかはよくわかりませんが、いわゆる道端とかに生えている、バラとかアジサイみたいにみんながその名を言えるものではないけれど、ちっちゃいお花なんかを咲かせている草。わたくし最近、そういう草を見かけると、携帯を取り出し写真を撮って、それをそのまま検索できる“Googleレンズ”を使ってその花の名前を調べることにハマっております。
あれは数か月前にちょいと実家に寄った時のこと。庭の雑草が例年より伸びていまして。「これも近年の異常気象のせいかねぇ?」なんて、年子の妹と話しながら窓からその雑草たちを眺めておりました。すると庭の真ん中になかなか存在感のある、ピンとまっすぐに伸びている、ちっちゃい菊みたいな花が咲いておりまして。「Googleレンズで調べてみるね。」パシャッ。検索結果は、“ハルジオン”と出た。あ! ユーミンさんの曲で「ハルジョオン・ヒメジョオン」って曲があったな。これのことだったんだ。あの曲は夕暮れで、ちょっとだけせつなく、胸がキュッとなるイメージだったけど、晴れた昼間にこうやって見るハルジオンは明るく、可愛らしい。何せそのまっすぐしっかり立っている感じが、こちらまで凛とするくらい。たまたま調べたのが聞いたことある花だったのもあって、すっかりワクワクした私は他の花も調べ出す。
次に目に留まったのは、小さな黄色い花。茎が長くて花が小さ目のタンポポみたい。それを妹に言うと「タンポポじゃないよ?」と。わかっているのよ。わかっているけどタンポポ、近くない? だって葉っぱもギザギザしてて、地面にくっつくように360°ぐるりと生えている感じ。タンポポのいとこのはとこ、くらいの関係性、ないかしら? これはもうGoogleレンズの出番です。再び携帯を取り出し、Googleレンズで確認。パシャッ。結果は“オニタビラコ”。オニタビラコ? お初にお目にかかります。何語だろう? そしてどこで切るんだろう? オニタ・ビラコ? オニ・タビラコ? オニタビ・ラコ? 調べると、オニ・タビラコで、“オニ”は“鬼”。日本語でした。じゃあ“タビラコ”は? どこかヨーロッパとかの人や場所の名前とか? いえいえ、これまた超日本語。文字にすると“田平子”。田んぼに平たい子、で“タビラコ”だそうです。要はまさに葉っぱで。この葉っぱが田んぼに平たくグルリと生えていることから、“タビラコ”。ちょっと待って、由来、激カワイイんですけど。更に[分類]という欄も見てみると、項目が多いので一部省略しますが、[植物界][キク類][キク目][キク科]。ここまでは想像通り。ポイントはその次。[タンポポ連][オニタビラコ属][オニタビラコ]。出た! タンポポ! やはり“タンポポのいとこのはとこ”くらいのとこにはいた! イエイ! それにしても“類”とか“科”とかは聞いたことありますが、“連”は初めて。しかもこのサウンド、なんかいい。「タンポポ連 オニタビラコ属」なんて、なんか不良みたい。小さい頃から、カワイイものや音に出会うと、それでキャッキャしてきた我々姉妹。昔の不良ドラマの台詞みたく「アタイはタンポポ連(連合)鬼タビラコ属(族)のオニタビラコ!」と私。55歳と54歳の姉妹、キャッキャ笑った。平和です。
ちなみに頭に“小”を足した“小鬼田平子”という草もあって、それは春の七草の“ホトケノザ”のことを言うらしい。ただこの“ホトケノザ”、現在ではシソ科の雑草の“ホトケノザ”にその名をとられて、春の七草の“ホトケノザ”ではあるけど、正式には“コオニタビラコ”や“タビラコ”と呼ばれているとのこと。え? 名前とられることなんてあるの? 植物界もなかなかドロドロしているじゃないの。
他にもちっちゃいピンクの小花をつけた草も発見。それも調べたところ、“イモカタバミ”という草。その名の通り、根っこに“イモ”がくっついているそうで。そもそもちっちゃい草だから、“イモ”もちっちゃーいのが、串団子のように縦に連なってくっついているらしい。どんどん調べていくと、さすが“イモ”。食べられるかどうかの記述も出てきて。“酸味があるが加熱するとホクホクしている”が“シュウ酸を含むため、酸味・エグみがあり、大量摂取・生食は避けること”だそう。この子を掘ったらその先にちっちゃなお芋があるのかと思うと、なんだかたまらなく愛おしく思えた。
そんな実家の雑草ちゃんたち。あまりにその勢いが強かったので、4月末、妹と兄で草むしりをしてくれた。一度すっかり綺麗になった庭。先日、またちょいと実家に寄りましたところ、今度はめちゃくちゃほそ―――い、高さ10センチくらいの黄色い小花つけた草がバーッと生えてきておりまして。「やっぱり今年のお天気は、何かパワーがすごいんだね」なんて言いながら、庭に出て、またまたGoogleレンズでパシャリ。そいつの名前、わかりました。“母子草”。ハハコグサ、だそう。「そんな名前つけられたらいつか庭掃除する時、抜きにくいじゃない」と妹。これまた調べてみると、当て字らしく。諸説あるようですが、その中で一番カワイイのをピックアップすると、その幼苗を“這う子”に見立て、ハウコ→ホウコ→ハハコになった、とのこと。這う子、バカカワイイじゃないの。しかもこの子も春の七草で、“ゴギョウ”とのこと。今まで何度も覚えようとしましたが、全然覚えられなかった春の七草。とりあえず“ホトケノザ”と“ゴギョウ”は覚えたぞ。うん。
今回のこれらの“草情報”。なんでもすぐ忘れてしまう私でも、カワイさも相まって、めっちゃ頭の中に入ってきた。もちろんしばらくしたら忘れちゃう可能性大ですが。とにもかくにも楽しかったな。となるとやっぱり最後はあれ、歌っちゃうよね。
♪私は花の子です 名前はアサアサです
いつかはあなたの住む街へ行くかもしれません ルルルンルンルンルンル~ン
【今日の乾杯】「ヒルナンデス!」ロケで出会った“のらぼう菜”。















