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女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

2020.12.24 更新 ツイート

温泉の「お湯」を優先するなら十部屋未満の小さな宿がお勧め 永井千晴

いいふろの日・11月26日に「温泉オタク会社員」こと永井千晴さん(@onsen_nagachi)の初めての本が発売になりました。その名も『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』! 訪れた温泉は約500湯。暇さえあればひとりで温泉を巡りまくっている永井さんによる温泉旅が100倍楽しくなる本書から、少しずつTIPSをご紹介していきます。

 霧島温泉(鹿児島)の奥にある「湯之谷山荘」は、湯船がとっても小さいです。が、温泉はめちゃめちゃに新鮮で、湯の花はふわふわ舞い、サイコーの湯が注がれています。なぜ湯船が小さいかというと、湧出する温泉の量に合わせて湯船の大きさを決めているから。湯之谷山荘だけでなく、温泉を大事にしている宿は、湯船を小さくしてでも、鮮度を第一に考え、源泉かけ流しの状態を保てるようにしています。

何十組ものお客さんを迎えられる大型の旅館やホテルは、ハチャメチャに湯船が大きいです。ジャグジーに寝湯にと種類がたくさんあり、湯浴あみはレジャー的で楽しいですが、私個人的にはスーパー銭湯の風情を感じてしまってそんなにグッときません。よっぽどの湧出量があり、鮮度が保たれていればよいのですが……。多くの大型旅館・ホテルは、たくさんの人が浸かることでお湯自体が汚れてしまいがち。さらに、湯船を大きくするために、循環消毒されていたり、加水されていたりすることから、温泉の個性が大きく損なわれていることも。それを差し引いても、大きな湯船は気持ちよくてたいへん魅力的ですが、温泉を優先する旅であれば、小さな宿をおすすめします。

十部屋未満の小さな宿では、一度に浸かる人が少ないので、当然大きな湯船を必要としません。脱衣所もコンパクトで、二、三組とタイミングがかぶると手狭に感じる程度だと思います。もちろん温泉の湧出量が多くなく、「循環消毒」「加水」などと手を入れている小さな宿もありますが、私の体感的には、大型ほどではありません。

小さな宿にはこだわりがあります。スタッフは少ないですが、その分一組一組とのコミュニケーションを大切にされているところも多いです。湯場は静かで、とにかくくつろげる。なにより高確率で「ひとり占め」できます。お客さん同士もそれを狙い合っている節があり、誰かが来ればそっと違う湯船に移動するなど、ひとり占めの譲り合いがよく起きます。温泉好き同士のやわらかいコミュニケーションが一晩中続く、言葉にしがたい心地よさがあります。サイコー。小さい宿、大好きです。

大型には大型のいいところがあります。例えば、統一感のある安心のおもてなし、比較的リーズナブルで広く受け入れられる料理、清潔を保たれた設備、バリアフリー対策などなど……。でも、ひとり温泉旅行には不向きかもな、となんとなく感じます。だって、安定した接客じゃなくても、ちょっと変わった味付けでも、手入れが届ききっていなくても、全て飲み込んで楽しめちゃうのがひとり旅のよさだと思うから。個性、大歓迎ですよね。

宿選びの基準は「日帰り入浴を積極的には受け付けていないところ」

せっかく温泉旅館に泊まるのだから、「何度も」「長い間」浸かりたくなる温泉かどうかは、温泉オタク的に大事なポイントです。チェックイン後にまずひとっ風呂、夕食後にゆっくり長湯、いつもより早起きしてさっぱり朝風呂と、宿泊してまで楽しみたい温泉かどうか。これは、「一回浸かってみたいかどうか」とはちょっと別の視点です。雑誌で見たうわさのおしゃれな露天風呂や、温泉ファンがうなるような個性的な湯……もしかしたら“一回浸かったら満足”しちゃうかもしれません。旅館滞在中、「何度も」「長い間」足を運びたくなりそうかが肝なのです。

私は、「経験のために、一回浸かってみたい!」気持ちになる温泉は、基本的に日帰り入浴で様子見します。そういった温泉は物見遊山なお客さんが多く、日帰り入浴を受け付けているところばかり。まずは浸かりに行ってみて、建物や雰囲気を観察して、「あ、ここは宿泊もよさそうだな」「もう一回、今度はじっくり浸かりたいな」と思えば宿泊客として再訪します。

では、宿泊するのはどういうところか。私がいつも見極めているのは、日帰り入浴を“積極的に”受け付けていない、すてきな温泉が湧く宿です。積極的でない目安はとってもシンプル。公式サイトに日帰り入浴の情報が載っていないのです。中には、日帰り入浴は受け入れていないと明記しているケースも。そういう宿はしようがない、どうしても浸かりたいんだから、泊まるしかありません。

日帰り入浴を積極的に受け付けていない宿は、掃除や整理をする余裕があり、おだやかに宿泊客を受け入れてくれる確率が高いです。宿泊客としてはうれしいかぎり(日帰り入浴客の立場になると、まずは一回浸からせてほしい……と思うのですが!)。日帰り入浴の有無をベースに、「一晩中浸かりたいほど、すてきな温泉っぽいか」を探ります。

例えば、趣深い湯屋の建築。貸切風呂に、離れの露天。異なる泉質の湯船。昼も夜も美しそうな景観。朝焼け、夕焼け、月見、星空、暗闇。ずっと浸かっていたくなるようなぬる湯。そういった魅力を探りながら、「ここは一晩中浸かりたいぞ」を見つけ出します。

あくまで“積極的でない”宿だとうれしい、ぐらいですので、評判も上々で絶対によさそうだと思ったら、日帰り入浴を受け付けている宿にももちろん泊まります。日帰り入浴は大好きですし、先ほど書いたようにめちゃくちゃ利用しています。だから、日帰り入浴だけだとお金を落とせる額が少ないので、なんだか申し訳ない気持ちになることも……。飲み物やおみやげを買い、少しでもお金を落とすことで、貢献できていればいいのですが。ちょっとした置き銭ができるとうれしいですよね。運営募金箱、置いてほしいなあ。

関連書籍

永井千晴『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』

訪れた温泉は500湯。ヒマさえあれば女ひとりで温泉を巡りまくっている「温泉オタクOL」による温泉偏愛エッセイ!

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女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

「温泉オタク」会社員による温泉偏愛エッセイ

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永井千晴

1993年2月生まれ。学生時代に温泉メディアのライターとして、半年間かけて日本全国の温泉を取材。その後、旅行情報誌「関東・東北じゃらん」編集部に2年在籍し、「人気温泉地ランキング」などの編集を担当。退職後は別業種で会社員をしながら、経験を活かしてTwitterやブログで温泉の情報を発信している。現在も休みを見つけてはひとり温泉へ出かける、市井の温泉オタク。国内外合わせて約500の温泉に入湯。好きな言葉は「足元湧出」。
Twitter @onsen_nagachi

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