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女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

2021.06.09 公開 ツイート

たんぽぽ川村エミコ×永井千晴×月山もも「女ひとり温泉をサイコーにしてみませんか?」<後編> 川村エミコ/月山もも/永井千晴

4月13日に阿佐ヶ谷ロフトAで開催されたトークイベント、「女ひとり温泉をサイコーにしてみませんか?」。『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』の著者である永井千晴さん、『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』を上梓された月山ももさん、たんぽぽの川村エミコさんが出演し、女ひとり温泉の楽しみ方について、温泉オタクの3名によるトークが繰り広げられました。

今回はその様子を前後編にわたってレポート。イベントの後半では、3名がひとり旅で重視しているポイントや、「もう一度訪れたいサイコーだった温泉3湯」をたっぷりと語っていただきました。(構成・執筆:生湯葉シホ)

金額の差やWi-Fiの有無は、ひとり温泉で見るべきポイント

「ひとりで行く温泉を決めるときって、おふたりはどこを見るんですか?」という川村さんの質問から、話題は“ひとり温泉で重視するポイント”や、“ひとり温泉だからこその良さ”へ。

川村エミコさん(以下、川村)「私は朝ごはんの種類が豊富でおいしそうかとか、車がなくてもスムーズに複数の温泉を回れそうかどうかを見ちゃうんですけど、おふたりはどう?」

月山ももさん(以下、月山)「私はその宿がひとりで来るお客さんをどのくらい歓迎してくれているかを結構見ますね。具体的には、ひとりで泊まるときの金額と、ふたり以上で泊まるときのひとりあたりの金額に、どのくらい差があるかを確認するようにしています。宿の都合ももちろんあるとは思うんですけど、値段が倍くらい違うところよりは、数千円くらいの差で泊まれる宿のほうがひとり客も歓迎してくれているのかな……と」

永井千晴さん(以下、永井)「たしかにそれは大事ですね! 私は、月山さんがまさにそうなんですけど、好きな温泉ライターさんや温泉評論家さんがその温泉をおすすめしているかを見るかもしれません。たとえばそろそろ岐阜あたりに行きたいな~と思ったときに、岐阜の温泉だとどこがよさそうかを推しライターさんの本の中から探したりしますね」

川村「信頼してる人が好きなものって安心できますもんね。月山さんは、ひとりで行く温泉だからこその良さってどんなところで感じます?」

月山「やっぱり、ぜんぶ自分の好きにしていいところですかね……(笑)。私はお湯重視派なので、たとえば浴室が昔のままの設備でシャワーがなかったり宿のごはんがいまいちだったりしても、お湯がよければそれはそれで味のひとつって思えるほうなんですけど、なかなか友達と一緒に旅行するときにそういう場所って選べないじゃないですか?」

永井「わかる! お湯がよくないとあんまり泊まる気にならないです。私は結構、『この温泉地なら絶対この宿』っていう自分にとっての正解を見つけたいというか。お湯を重視した上でごはんもおいしいかどうかとか、Wi-Fiがあるかどうかとか、そのときの自分の条件にいちばん合う場所を探したい気持ちが強いかも」

川村「Wi-Fiね、わかるわ~! この前、お仕事で群馬の小さい温泉街の沢渡温泉っていうところに行ったんですよ。昔から続く素敵な宿が何軒か並んでるんですが、中でもやっぱり、ご年配の方だけでやっている宿だと難しいんだけど、若い息子が戻ってきた宿にはWi-Fiがあるのよ(笑)。みなさんどうしても仕事から離れられなかったりする日もあると思うから、そういうところを確認するのも大事ですよね」

3人が忘れられない、サイコーだった温泉3湯

続くイベント最後のテーマは、お三方にとっての「もう一度訪れたい、サイコーだった温泉3湯」。もう一度訪れたい温泉地や宿をそれぞれ3湯ずつセレクトし、その魅力を語っていただきました。

トップバッターの川村さんが選んだのは、尻焼温泉の「白根の見える丘」(群馬県)、西浦温泉の「姫宿花かざし」(愛知県)、西那須温泉の「大鷹の湯」(栃木県)の3湯。

川村「白根の見える丘、おふたり行ったことありますか? ここ、超おすすめです。人工物が一切ない抜群の眺望が楽しめるし、お湯も源泉かけ流しだし、水にこだわったお料理がめちゃくちゃおいしいの! ご夫婦で営まれてる宿なんですけど、お父さんがいつも4時間かけて日本100名水の水を採りに行ってるんですよ。ご夫婦のほっこり感も素敵だし、お料理最高だし、ひとり客にもやさしいお値段なんです」

永井「本当だ、調べてみたら1万円くらいで泊まれるんですね。行ってみたい……!」

川村「本っ当におすすめ! それから、2湯目は西浦温泉の姫宿花かざし。日本でも数少ない女性限定の宿なんです。宿のスタッフさんも女性が多いので、メイクとか一切せずに本当に伸び伸びできる(笑)。お料理もおいしいし、いろんなお洋服を着られる写真館が館内にあったりして、写真撮ったりするのも本当に楽しいと思う。

3湯目の西那須温泉は、乳液のようなとろとろのお湯が楽しめる温泉。大鷹の湯という宿にはカリスマ気功師と呼ばれているオーナーがいらっしゃって、ちょっと体調が悪いときに行ったんですけど、すごく元気になりました。ここは両親を連れていきたい宿ですね」

続く月山さんの選んだ3湯は、下風呂温泉(青森県)、奥日光湯元温泉の「紫雲荘」「奥日光 森のホテル」(栃木県)、人吉温泉の「人吉旅館」「芳野旅館」(熊本県)

月山「下風呂温泉は、青森県の先端、恐山の近くにある温泉です。ここはちょっと遠いものの公共交通機関だけで行けるし、恐山が閉山する11月以降はオフシーズンで本当に空いてるんですよ……! 温泉のお湯も硫黄泉で素晴らしいし、お料理も海鮮メインで、大間の鮪やイカ、ウニなんかもお手頃に食べられてとってもおいしい。なのに全然人がいないので、みなさんぜひオフシーズンに行ってください」

川村「海鮮がおいしくて静かなところ、最高ですね……! 朝から飲みたくなっちゃったりしません?」

月山「次に行ったときは飲もうと思ってます(笑)。それから、2湯目の奥日光湯元温泉にはおすすめの宿が2軒あって、紫雲荘というところと森のホテルというところ。奥日光湯元温泉は日光の中でも山あいの落ち着いているエリアなんですけど、近くに華厳の滝があったりして景色も素晴らしいんです。紫雲荘は小さい宿なんですが、湯葉などを中心にした山の幸のお料理がすごくおいしいし、お安くひとりで泊まれます。もっと贅沢したいなというときは森のホテルがおすすめで、露天風呂の見晴らしがよくて本当に綺麗な宿です。

最後の1湯は、鮎の名産地として有名な人吉温泉の人吉旅館と芳野旅館。夏は鮎目当てに来るお客さんが多いのでひとりで泊まるのにはあまりおすすめできないんですけど、冬になるとすごく静かです。昨年は豪雨の被害もあり、いまはコロナの影響で営業を休止しているんですが、どちらも素晴らしい宿なので営業再開した際には必ず行きたいなと思って選びました」

そして、最後に永井さんがセレクトした3湯は、蔦温泉(青森県)、奥津温泉の「池田屋・河鹿園」(岡山県)、奥湯河原温泉の「加満田」(神奈川県)

永井「蔦温泉は言わずと知れた名湯だと思うんですが、お料理もおいしくて趣もあって、ひとりでもお手頃な価格で泊まれる。温泉ってふつうはパイプを伝ってお湯が流れてくるけれど、湯船の底から直接ぷくぷくと湧いてくる『足元湧出』って呼ばれる温泉が全国にいくつかあって、ここもそうなんです。パイプを通ってないので鮮度がいいというか、お湯がすごくフレッシュで匂いとか肌触りが全然違う。足元湧出の温泉の中でもここは特にお気に入りです」

月山「蔦温泉、最高ですよね……。私も大好きで何回も行ってます」

永井「温泉好きの方には定番のところですよね。それから、私はぬる湯がめちゃくちゃ好きなんですけど、岡山の奥津温泉は羊水に浸かっているみたいとよく例えられるような、やわらかくてとろけるぬるめのお湯が楽しめる温泉です。私が泊まった池田屋・河鹿園という宿は綺麗でお料理もおいしくて、おすすめですね。奥津温泉は本当に、この世のすべての疲れがとれるようなお湯というか……」

川村「とってほしいわ~! 行ってみたい!」

永井「どこかのついでというよりも温泉目当てにわざわざ行く人が多い場所なので、落ち着いているし、のんびりしてるのもいいですよ。

そして最後の1湯が、奥湯河原の加満田という宿です。湯河原駅から10分くらいタクシーに乗らなきゃいけないんですけど、文豪の宿として有名で、東京からもすぐ行けるし、Wi-Fiもあってワーケーションにぴったりの宿。東京に近い温泉ってお湯のフレッシュさがいまいちなこともあるんですけど、ここはお湯もばっちりだし、なによりごはんがめちゃくちゃおいしい」

月山「加満田さんのごはん、本っ当においしいですよね……!」

永井「本当に! 月山さんもブログで推されてたんですけど、東京に住んでる方が気軽にワーケーションで行くにはいちばんの宿じゃないかと思います」

*   *   *

終盤には、「コロナが落ち着いたら、3人それぞれがおすすめする温泉宿ツアーとかやりたいですね! みなさんひとりの時間を楽しみたいと思うので、一緒に行きはするけど現地解散で(笑)」と川村さんからの言葉も。

お三方の話を聞いているだけで、温泉に行きたくて足がうずうずしてくるような90分でした。無観客配信ではあったものの、「その温泉行ったけど最高でした!」「次は別府行く予定です」といったコメントが温泉好きの方々から寄せられるなど、会場と視聴者の方が一体になって盛り上がった本イベント。日本各地に気兼ねなく旅行できる状況になった際は、3人おすすめの名湯に、みなさんもぜひ足を伸ばしてみてください。

関連書籍

永井千晴『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』

訪れた温泉は500湯。ヒマさえあれば女ひとりで温泉を巡りまくっている「温泉オタクOL」による温泉偏愛エッセイ!

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女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

「温泉オタク」会社員による温泉偏愛エッセイ

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川村エミコ 芸人

1979年12月17日生まれ。神奈川県出身。2008年に白鳥久美子とたんぽぽを結成。2010年に『めちゃ×2イケてるッ!』の新メンバーオーディションに合格。現在は 、NTV世界の果てまでイッテQ! 、THKスイッチ! をはじめ、テレビ、ラジオ、YouTube、舞台など幅広く活躍している。昨年には、初エッセイ『わたしもかわいく生まれたかったな』も発売。
Twitter:https://twitter.com/kawamura_emiko
Instagram:https://www.instagram.com/kawamura_emiko/
Blog:https://ameblo.jp/sienne04/

月山もも 女ひとり旅ブロガー

山形県生まれ。温泉宿にひとりで泊まるのが好きで、山麓の温泉宿を巡るうちに「歩いてしか行けない温泉宿」に憧れを抱き、2011年から登山を始める。2016年より、ブログ「山と温泉のきろく」に温泉宿への宿泊記、旅の食事や登山の記録などを綴っている。ヤマケイオンラインの連載「ひとり温泉登山」のほか、メディアへの寄稿多数。2020年10月、著書『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』をKADOKAWAより上梓。ブログを通じて山と温泉に魅せられる人を増やすことが、人生のよろこび。
Twitter:https://twitter.com/happy_dust
Blog:https://www.yamaonsen.com/

永井千晴

1993年2月生まれ。学生時代に温泉メディアのライターとして、半年間かけて日本全国の温泉を取材。その後、旅行情報誌「関東・東北じゃらん」編集部に2年在籍し、「人気温泉地ランキング」などの編集を担当。退職後は別業種で会社員をしながら、経験を活かしてTwitterやブログで温泉の情報を発信している。現在も休みを見つけてはひとり温泉へ出かける、市井の温泉オタク。国内外合わせて約500の温泉に入湯。好きな言葉は「足元湧出」。
Twitter @onsen_nagachi

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