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女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

2020.12.17 更新 ツイート

旅費をおさえるには「素泊まり+地元のお店で食べる」がお勧めな理由 永井千晴

いいふろの日・11月26日に「温泉オタク会社員」こと永井千晴さん(@onsen_nagachi)の初めての本が発売になりました。その名も『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』! 訪れた温泉は約500湯。暇さえあればひとりで温泉を巡りまくっている永井さんによる温泉旅が100倍楽しくなる本書から、少しずつTIPSをご紹介していきます。

基本的に、私が宿泊先を決める際は、あまり温泉のレビューサイトやブログを参考にしません。なぜなら、いい温泉=いい宿とは限らないから。名湯・秘湯と呼ばれるような山奥の一軒宿には、たしかにすばらしい温泉が湧いているけれど、料理・おもてなし・清潔さ・景観なども一〇〇点満点とは限りません。むしろ、いい温泉は湧いているだけで嬉しいので、別の要素が五〇点でも六〇点でも、まあいいかと思わせるほどのパワーを持っています。「いい温泉」と「いい宿」、両方を兼ね備えているすてきな宿は多くないのです。

なにを重要視するかによりますが、私はなるべく一〇〇点に近い満足感を得たいので、浸かりたい温泉かどうかと、泊まりたい宿かどうかは、別軸で情報収集をしています。それらの情報を掛け合わせて、見極めて、選び取って、予約するまでが、ひとり温泉旅行の重要な工程ともいえます。

「浸かりたい」はレビューサイトやブログで、「泊まりたい」は雑誌や本で情報収集をします。宿泊予約サービス(クチコミ)は、あくまで「雑誌・本で見つけた評価と相違ないか」の確認のため。もし、目的の温泉地にとにかく泊まってみたいだけの旅行の場合は、クチコミだけでぱぱっと決めてしまいます。例えば、「あこがれの草津温泉(群馬)に泊まってみたい。温泉は共同浴場でいいし、夜は温泉街の定食屋で済ませばOK」という旅行であれば、宿泊先を吟味する必要はないと思います。

私がいつも参考にしている雑誌は、こちら。

・旅の手帖MOOK「一度は入りたい秘湯・古湯100選」
・男の隠れ家別冊 各季節の「気ままなひとり旅。」シリーズ

加えて、BRUTUS、CREA、Discover Japan、自遊人などの温泉特集も買っておきます。温泉の質にこだわる「旅の手帖」「男の隠れ家」と、過ごし方や雰囲気も重視する「BRUTUS(Casa含む)」「CREA」、どちらの視点もめちゃくちゃ大事にしています。宿の紹介文を読みながら、「ちゃんと取材された文章か」「どんな人が書いているのか」を確認しつつ、なるほどここならよさそうだ、とえらそうに構えては候補に入れていきます。

中でも最も信頼して、すみずみまで読んでしまうのは、男の隠れ家別冊 各季節の「気ままなひとり旅。」シリーズ。というか、「男の隠れ家」自体、とても好きな雑誌です。なんといっても、「ぬる湯」だけで特集を組んでしまうような変態さ(褒めてる)、サイコー以外の何物でもありません。しかも「男の隠れ家」といいつつ、ジェンダーフリーな文章表現でまとめられているのが素晴らしい。ありがたいです。大好きです。ファンレター書きたいぐらい。

加えて、書籍でよく参考にするのが、次の二冊。

『温泉失格』 飯塚玲児著
『全国ごほうびひとり旅 温泉手帖』 石井宏子著

『温泉失格』は、温泉の質の視点でおすすめされている宿を知るために開きます。個人的に、著者の飯塚玲児さんの“いい温泉”に対する考え方が近いので、たいへん参考になります。

『全国ごほうびひとり旅 温泉手帖』は、私が著者の石井宏子さんのファンなので、彼女の推し宿を候補にするために開きます。温泉ビューティ研究家という肩書きで情報発信をされており、とっても尊敬しています。

雑誌や本をいくつか読んでいくと、推しの温泉評論家さんが見えてくると思います。“宗派”が近いというか、腑に落ちるというか。逆もしかり、「なんだかこの人の言っていることは極端だな」「この人の考え方、提案する過ごし方は自分には合わないな」などと感じる方も出てきます。そういう違和感も受け入れながら、信頼できる人の情報発信にたどり着けると、ひとり温泉旅行はどんどん迷わなくなります。最初はちょっと手間ですが、いろいろと見比べてみるのが一番です。

価格別、宿の楽しみ方

以前、Twitterで「温泉旅行に行きたいけど『いくらぐらいの宿に泊まればいいのかよくわからないぞ』って人に向けて、ざっくりした価格感の目安」といったまとめ画像を出しました。

これは二人以上で宿泊した際の、平日料金の目安です。ひとり温泉旅行の場合は、表の価格帯に二〇~三〇%上乗せして計算します。

個人的には、一泊一万円以下であれば、素泊まり/朝食のみプランにして、夕食は外で済ませたほうがいいと思います。二万円近くでようやく、二食付きでおいしく楽しく過ごせるラインかな……と。

何年か前に、群馬のとある温泉ホテルチェーンに一泊二食付き一万円以下で泊まり、夕食に出てきた湿った天ぷらや冷凍のお刺身でお腹を満たしたとき、たいへん残念な気持ちになってしまいました。「なんで群馬まで来て、おいしいお肉ひとつも食べてないんだろう……」って。その反省を活かし、別のときにまた群馬の温泉地へ素泊まりで訪れた際は、温泉街にある定食屋で上州麦豚(群馬の地産の豚)を使った生姜焼き定食を食べて、やっぱりこっちが正解だ! と確信したのです。翌日はブランチにして、高崎(パスタの街で知られる)の老舗洋食屋でミートソーススパゲティを食べて、なるほど高崎ではこんな味が愛されているのか~って驚いてみたり。別に、旅館で夕食も朝食も済まさなくてはいけない決まりなんてないですから。旅費をおさえたいときは、一泊二食付きで安さをとるより、素泊まり+地元のお店で食べるに尽きます。

ただ残念ながら、素泊まりでもひとり客を受け入れていない宿はたくさんあります。特に土日だと泊まりにくく、二食付きで三万円近い宿(ひとり客なので相場より高くなってしまっている)か、五千円の素泊まりゲストハウスかと、しんどい選択を迫られることも。そういうとき私は、周辺にレストランがあることを確認した上で、ゲストハウスにします。一泊に何万もかけるときは、しぶしぶではなく、きちんと選び取りたいものです。

宿泊費は、「温泉の質」と比例しません。一泊数千円でいい湯もあれば、一泊三万円以上でもこのぐらいか、とひとりごちるときもあります。宿泊費は設備や食事、滞在そのものに支払うもの。価格帯が上がれば上がるほど、旅館側が「是」とする思想や世界観、または積み重ねてきた歴史にとっぷり浸かる体験ともいえます。だから、高い=いいではなく、合う合わないで決めるのが一番。クチコミだけではなく、公式サイトの雰囲気や言葉から相性をはかることをおすすめします。

温泉好きの知人が、「チェーンの高級宿より、ひっそり贅沢が味わえるようなこだわり一軒宿がいい」とつぶやいたことがあります。曰いわく、チェーンだと一泊数万円で提供される食事やおもてなしに思想が感じられないことがある、と。いやもう本当に、同意しました。三万円以上するような高級宿は、世界観そのものにお金を払うので、画一的なサービスは求めていないんですよね……。設備の美しさだけに数万円も支払えないなあと思ってしまいます。高くなればなるほど、宗派に共感するお布施のようなものなのかな、と。高級宿に泊まるときは、入信するような姿勢が最も楽しめるのかもしれません。

関連書籍

永井千晴『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』

訪れた温泉は500湯。ヒマさえあれば女ひとりで温泉を巡りまくっている「温泉オタクOL」による温泉偏愛エッセイ!

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女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

「温泉オタク」会社員による温泉偏愛エッセイ

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永井千晴

1993年2月生まれ。学生時代に温泉メディアのライターとして、半年間かけて日本全国の温泉を取材。その後、旅行情報誌「関東・東北じゃらん」編集部に2年在籍し、「人気温泉地ランキング」などの編集を担当。退職後は別業種で会社員をしながら、経験を活かしてTwitterやブログで温泉の情報を発信している。現在も休みを見つけてはひとり温泉へ出かける、市井の温泉オタク。国内外合わせて約500の温泉に入湯。好きな言葉は「足元湧出」。Twitter @onsen_nagachi

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