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ご縁の法則

2019.03.15 更新

「あの人の支えになりたい」と思ったときに真木あかり

(写真:iStock.com/fizkes)

好きな人を支えてあげたい、と思うのはとても素晴らしいことです。人は本質的に「個」であるとわかっていても、誰かが心の支えになっていると感じる瞬間は、ぬくもりがある確信は、人をとても強くしてくれます。あなたもきっと、ご経験があることでしょう。ただ、支えになるというのは恋人に対してはごく自然な感情のようでいて、とても危うい一面を持っています。環境が変わることで心身が揺らぎやすいこの季節、「支えになりたい」という気持ちがどうご縁に影響を及ぼすのか、お互いにとって良い支えとは何かを考えてみたいと思います。

傷ついた人、孤独な人ほど注意したい「支えになりたい」真摯な気持ち

支えてあげたい、力になりたい。そう切望する方のお話をよく伺ってみると、ご自身が過去の痛みや孤独が癒えぬまま、それらを抱えて生きていることが多いのに気づきます。

自分が痛みを知っているから、淋しかったから、好きな人のそうした苦痛があるならば取り除いてあげたい。できれば自分の力でプラスにしてあげたい。こうした思い自体は素晴らしいことですが、危険なのが「好きな人を支える」ということを、自分よりも何よりも優先してしまうということです。痛みや孤独を強く味わった人ほど、そうすることの価値を重視する傾向も若干見られます。身体的・精神的な辛さを味わっていたとしても「それほどまでに相手を愛しているのだ」という自負心となるのです。ご本人もまだ、心に痛々しい生傷を抱えているのに、です。

相手にとって必要な存在となれば、愛されるのか?

支えになることで「この人はここまでしてくれたんだ。大切にしなければ」「自分はもうこの人がいないとやっていけない」といった感情を引き出したい、という方もおられます。もちろん、そんなに直截的な発想で動く人は多くないでしょう。ただ、たとえば相手に特定のパートナーがいたり、ライバルが多かったりする場合は、相手の役に立つことを差別化戦略とする方は多いのです。

冒頭にも書いた通り、好きな人のために何かしてあげたいというのはごく自然な感情であり、まったく悪いことではありません。ただ、愛情を得ることを目標にあれこれ支えようとすると、ふたつの危険が生じます。

ひとつは、支えた相手のなかに、無意識のうちに「メリットがある/ない」という打算的な基準が生まれてしまうこと。人間を見る視点としては、ドライに過ぎる発想です。さらに、一旦そうした基準が生まれてしまうと、ほかにもっとメリットを感じる対象ができた場合、相手の関心は簡単に移ろうことになります。「私があんなに支えてあげたのに、別の子を好きになるってどういうこと? あの子何もしないじゃん!」というときは、だいたいはそうした判断基準が相手の無意識下で働いています。

恋愛感情が発生しないとは言いません。ただ、発生したとしても、どうしても相手のほうが優位にある上下関係が生まれやすくなります。「支えになれている? 愛されている?」といつも相手の反応を探るような関係は、辛いものです。

もうひとつは、支えすぎというのは相手が自分で生きる力を奪ってしまうということ。孤独に耐える力、辛くても頑張る力、問題に立ち向かう力。優しさや愛情が根底にあって支えているというのに、相手の力はどんどん失われていくのです。何から何まで奥さんが尽くしてあげた夫が、パンツのしまい場所もわからないとか……とカジュアルすぎる(そして生きる力としては弱い)例を出してしまいましたが、ひらたく言えばそういうことです。

ヒモに貢ぐこと、心を貢ぐことの共通性

あまり上品な例えではありませんが、ヒモを例にとってみましょう。働かずに家でゴロゴロ、意欲も社会性もない恋人に、お金を渡してあげ続ける友達がいたら、止める方は多いと思います。そんなのは愛じゃないよ、あなたは金づるとしか思われていないよと、大多数の方が考えるでしょう。恋人のために本当にすべきことは、働いて稼いで、自分の力で生きられるように励ますことです(とはいえ、そんなキレイゴトばかりでないのはわかっていますが、ひとまずは理想論を)。

いきすぎた「支えになりたい」という願望は、ヒモにお金を渡すのとよく似ているのですね。心を貢ぐようなことを続けて、それで愛を獲得しようとしても、愛を持ち合うという関係は作りにくいのです。

美しい貢献の心を否定はしません。そして実際に愛情が生まれることもあります。ただ、その確率は、私が鑑定を行ってきたなかでは決して高くありません。支えることばかりを目指さないほうがいいのは、ふたりの健康的な関係づくりのためにも、とても大切なことなのです。支えになるならば、お互いにそういう気持ちを持ち合えるようになってから。たとえば、家族になってからとかですね。

※大きな困難があって抑うつ状態など精神的に弱っているとき、肉体的に厳しいとき、ハードな仕事をこなして日常生活までもままならないときなど、本当に支えてあげるべきときは、ぜひ支えてあげてください。

*   *   *

ちなみに私は、今こそこんなふうに偉そうなことを書いていますけれども、ずっと「支えてあげたい」と思うほうの人生を生きてきました。年齢を重ねてもなかなかちょうどいいバランスを学習できず、心を根こそぎ持っていかれるような出来事を何度も経験しました。そうですよね、支えたいと言って自分から差し出したわけですから、相手も利用しようとするわけです。相手の周りにいる人よりも役に立とう、褒めよう、いい気分にさせてあげようと必死でした。みんなが敵に見えましたし、いつも嫉妬や疑念が心に渦巻いていました。

人はそんなふうに、心のなかを真っ黒に塗りつぶすために生きているのではありません。それなのに、気づけなくなってしまう。恋愛テクニックでもよく「相手が『コイツがいなけりゃ何もできない』と思われる存在になる」的なメソッドが語られますが、心を貢いで誰かの歓心をかおうというのは、そういうことなのだろうと思います。今、心から誰かを支えたいと思っている人をけなすつもりは一切ありません。ただ、こうした経験を経てご縁を見つめてきた一人の占い師の意見として、ご参考になればと書いてみた次第です。

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ご縁の法則

ご縁とは何か、どうすれば良いものにできるのか。真木あかりさんが占い師として経験を積む中で見えてきた「ご縁の法則」をご紹介します。
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真木あかり

大学卒業後、フリーライターを経て占いの道へ。『辛口誕生日事典 2018』『悪魔の12星座占い』(宝島社)など著書多数。LINE占い「チベタン・オラクル」監修。個人鑑定も行っている。

Blog http://makiakari.hatenablog.com/
Twitter https://twitter.com/makiakari

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