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キングコング西野が自ら『夢と金』解説

2023.05.29 公開 ポスト

キミの挑戦に大きなお金を出してくれる人の生活を想像しろ西野亮廣(芸人・絵本作家)

発売からわずか1ヵ月で20万部という話題のベストセラー『夢と金』。金が尽きれば、夢も尽きる!現代日本人の全てが、読まずに通り過ぎてはいけない一冊を、本人自ら深堀り!

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(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

「購入目的でお金を入れる人」と、「支援目的でお金を入れる人」がいる

今日も最新刊『夢と金』を深掘りしていきたいと思います。

今日は68ページの「キミの挑戦に大きなお金を出してくれる人の生活を想像しろ」をピックアップします。

ここで書いていることは、要するに「商品を高く売るには、商品を高く買ってくれる人の性格を理解しようね」というところなんですけども、具体的に言うと、たとえば「クラウドファンディングのリターン(返礼品)の設計です。

クラウドファンディングは、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達すること」を指しますが、この資金調達には「購入」と「支援」の2つが混ざっています。

つまり、「購入目的でお金を入れる人」と、「支援目的でお金を入れる人」がいる。

「その返礼品が欲しいから」という理由で3000円を入れてくださる人と、「西野さんの今回のプロジェクトを応援しているから(今回のプロジェクトが成功して欲しいから)」という理由で3000円入れてくださる人がいる。

当然、前者には「商品」を送る必要がありますが、後者に商品を送るのはどうでしょう?

たとえば、「お腹を空かせている子供達にお腹いっぱいご飯を食べさせてあげたい」というプロジェクトがあったとして、その活動に感銘を受けたあなたが、そのプロジェクトに3000円を支援したとします。

その後、プロジェクトオーナーから「支援してくれた御礼に」と、制作コスト1000円&送料500円をかけた「オリジナルTシャツ」が送られてきたらどう思いますか?

あなたが「アフリカの子供達に使って欲しい」と支援した3000円のうちの1500円は、この胸に、「SAVE THE チルドレン」とプリントされたTシャツの製作費に使われてしまったわけですが、どうですか?

きっと「無駄遣いするな!」と思うでしょう。

それが「支援」が目的でお金を入れてくださる方の気持ちです。

この時のプロジェクトオーナーの立ち振る舞いの正解は「ご支援いただいた正しく(しかるべき場所に)使うこと」です。

なので、この「支援を目的としてお金を入れてくださる方」へのリターン(返礼品)は、「心の中で感謝する」でいいんです。

「今度会った時に、『ありがとうございます』と全力で言います」でいいんです。

ですよね?

だけど、これに対して、お金リテラシーの無い日本人の外野の人間(あるいは「支援」をしたことがない外野の人間)は、どんな反応をすると思いますか?

「詐欺師!」「錬金術師!」「宗教!」です。

彼らにとっては「お金」というのは、「物体か体験を得る為のもの」であるから、「お金を払っているのに、手元に何も入ってこない=騙しているに違いない」なんです。

彼ら(日本人)のリテラシーを上げないかぎり、今回の場合だと、「お腹を空かせているアフリカの子供達に届けてやれるご飯」が減ってしまう。

「あなたに助けてもらいました」と言うことが相手が求めている一番の商品

今回のタイトルは「キミの挑戦に大きなお金を出してくれる人の生活を想像しろ」なので、その人目線のお話しもさせていただくと……その人の場合、「購入」と「支援」という軸とはまた別で、「キミの挑戦に大きなお金を出してくれる人が、今回のクラウドファンディングで欲しがっているものは何か?」を考えなきゃいけない。

答えは二つ。

一つ目はさっき言った「支援したお金を正しく使って欲しい」ということ。

そして二つ目は「貸しを作りたい」です。

彼らは「あの時のお前を助けたのは俺!」が言いたいんですね。

となってくると、そのクラウドファンディングのプロジェクトオーナーが、その人に贈る返礼品の正解は「ありがたくお金を受け取って、正しく使う」、そして「借りを作る」です。

「あなたに助けてもらいました」と言うことが相手が求めている一番の商品なんです。

ここで「オリジナルTシャツ」を返礼品として作ってしまうと、それは要するに、「貸しを作りたい人が求めていない商品で、貸しを相殺する」というメチャクチャな行為なので、相手からすると「ボッタクリ」になる。

お金リテラシーの無い日本人は、受け取ったお金に対して、すぐにモノを贈ろうとする(モノを贈ることで、お金を受け取ったことをチャラにしようとする)んですけども、相手・状況によっては「モノを送ること」がボッタクリに該当することがあるんです。

これは単純に「『支援』『寄付』に慣れていない」ということと、「大きなお金を出してくださる方の性格が想像できていない」ということだと思います。

もっというと、「大きなお金を出してくれる人(お金持ち)の生活を想像できていない」ということだと思います。

モノが溢れてる「お金持ち」の人が、一番喜ぶ「誕生日プレゼント」って何だと思いますか?

ちなみに、僕の知り合いの「お金持ち」の人が言っていた話で、ちょっとゾッとする話なんですけども、その人が毎年一番喜ぶ「誕生日プレゼント」って何だと思いますか?

「なんなら、10万円を払ってでも欲しいを誕生日プレゼント」って何だと思いますか?

答えは、「みんなから貰った誕生日プレゼントを貰ってくれる(持って帰ってくれる)」です。

彼らに家にはもう、モノが溢れてるんです。

彼らは欲しいモノは自分で買えるんです。

だけど、その状況を想像できない人が毎年誕生日プレゼントを贈ってくる。

というわけで、「まったく要らないけど、捨てるわけにはいかない」と頭を抱えている。

そんな時に「要らないなら僕が代わりに貰いますよ」というプレゼントが一番嬉しい。

モノが少ない人にとっての一番のギフトは「モノを贈る」ですが、モノが多い人にとっての一番のギフトは「片付ける」なんですね。

だから「お金持ちに差し入れする」なんてのは、お門違いもいいところで、ここを理解しない限り「お金を持っている人」を自分のお客さんにすることは不可能です。

となってくると「薄利多売競争」からは抜け出せない。

最新刊『夢と金』には、そんなようなことも書いています。

是非、大切な人・守りたい人、そしてこのままだと間違ったお金教育を受けることになる子供達に贈ってあげてください。

(撮影:イシヅカマコト)

 

※このコーナーは、西野亮廣の公式ブログより転載しています。(一部修正アリ)

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関連書籍

西野亮廣『夢と金』

「まえがき」より 「夢か?金か?」という議論をキミのまわりの連中は繰り返すだろう。 耳を傾ける必要はない。あんなのは全て寝言だ。 「夢」と「お金」は相反関係にない。僕らは「夢」だけを選ぶことはできない。 「お金」が尽きると「夢」は尽きる。これが真実だ。

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キングコング西野が自ら『夢と金』解説

発売わずか1カ月で20万部を突破した、話題のベストセラー『夢と金』。

著者は、キングコング西野亮廣。絵本、映画、ミュージカル、歌舞伎…と日々エンタメを生み出している一方で、ビジネスモデルも構築し、圧倒的な実績を残しているという唯一無二の存在が、自らの経験から得た知識を、余すところなく、一冊に書き切った!

まさに、現代日本人の全てが読まずに通り過ぎてはいけない一冊を、本人自ら解説。

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西野亮廣 芸人・絵本作家

1980年兵庫県生まれ。芸人・童話作家。
黒いペン1本で描いた絵本『Dr. インクの星空キネマ』を皮切りに、モノクロの絵本『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』、カラーの絵本『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』『みにくいマルコ~えんとつ町に咲いた花~』、小説『グッド・コマーシャル』、ビジネス書『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』『ゴミ人間』『夢と金』など、幅広いジャンルで続々と著作を刊行、すべてがベストセラーとなっている。最新刊『北極星 僕たちはどう働くか』も初版10万部スタートで、発売前重版が決まるほど。
原作・脚本・製作総指揮を務めた『映画 えんとつ町のプペル』(2020)では、映画デビュー作、かつコロナ禍にもかかわらず動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たし、海外の映画賞も数々受賞。同じく原作・脚本・製作総指揮を務めたコマ撮り短編映画『ボトルジョージ』(2024)でも第97回米アカデミー賞のショートリスト入りを果たした他、大躍進が続いている。
また、ミュージカル『えんとつ町のプペル』でも、製作総指揮・原作・脚本を務めると、3万席のチケットが開幕前に完売し、総制作費4億5000万円も初週で回収を完了。圧倒的世界観が国内外で好評を博した。ニューヨーク・ブロードウェイでは、ミュージカル『CHIMNEY TOWN』の制作も進行している一方で、共同プロデューサーを務めた舞台『OTHELLO(オセロ)』(2025、主演:デンゼル・ワシントン、ジェイク・ギレンホール)は、ブロードウェイ週間興行成績で3週連続1位に輝いた。
そして、映画「プペル」シリーズ第2弾、『映画 えんとつ町のプペル~約束の時計台~』(2026年春公開)では、事業投資型クラウドファンディングによって、製作費4億8000万円を、34時間で集めている。

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