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キングコング西野が自ら『夢と金』解説

2023.06.06 公開 ツイート

「お客さん」を「顧客」と「ファン」に分ける 西野亮廣

発売からわずか1ヵ月で20万部という話題のベストセラー夢と金。金が尽きれば、夢も尽きる!現代日本人の全てが、読まずに通り過ぎてはいけない一冊を、本人自ら深堀り!

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(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

最新刊『夢と金』「子供に読ませたい」「社員に読ませたい」と“買われ方”が特徴的。ありがとうございます!

4月19日に発売した最新刊『夢と金』(幻冬舎)が本当にありがたいことに、続々重版がかかりまして、発売から1ヵ月で「20万部」を突破しました。

今回の本は“買われ方”が特徴的で、「子供に読ませたい」や「社員に読ませたい」といった理由で、自分の分以外に2~3冊買ってくださっている(「ギフト」として扱ってくださっている)んです。

それが理由で「部数が伸びている」というのもあると思います。

いやはや、ありがとうございます。

今日は「『ファン創造』の実例」を取り上げて、お話しします

そんなこんなで今日も最新刊『夢と金』の深掘りをしていこうと思うのですが、今日は166ページの「『ファン創造』の実例」を取り上げて、お話しします。

この本では「お客さん」を「顧客」と「ファン」に分けていて、「顧客=商品を買ってくれる人」「ファン=サービス提供者を応援してくれる人」と説明しています。

もう少し解像度を上げると「顧客=商品の機能を目的として商品を買ってくれる人」「ファン=サービス提供者を応援する為に商品を買ってくれる人」といったところ。

お客さんごとに“商品を買う動機”が違うので、ここをキチンと区別しておかないと、的外れのアプローチ(ファンに「機能」を宣伝するような)が量産されちゃうので、「お客さん」を「顧客」と「ファン」に分けるプロセスはメチャクチャ重要です。

その上で、『夢と金』では「ファンを作らなきゃいけない」と言っています。

「顧客のファン化が重要だ」と。

理由は、商品を高く買ってくれるのは「顧客」ではなくて「ファン」だからです。

『夢と金』では、「顧客のファン化」の実例として、僕も大好きクラフトビール「よなよなエール」を手掛ける(株)ヤッホーブルーイングさんと、表参道にある美容室『NORA』さんの活動を紹介させていただきましたが、「顧客のファン化」は近年多くの企業が「ファンマーケティング」という名の下、チャレンジしてます。

新規顧客の獲得は既存顧客の5倍のコストがかかるという「1:5の法則」というのがあって、とにもかくにも「新規顧客の獲得」というのは高くつくんですね。

ならば「既存顧客にファンになってもらうことにコストをかけた方がいいじゃん」と企業は考えるわけです。

あと、朝っぱらから「法則の話」だらけで嫌ですが、「2:8の法則(パレートの法則)」というのもあって、これは「2割の顧客が売上の8割をあげている」というものですね。

2割の顧客というのは「たくさん買ってくれる人」あるいは「高く買ってくれる人」のこと。

多くの場合、これは「ファン」と呼ばれる人達のことですね。

どうやって顧客をファンにするのか?

問題は、「どうやって顧客をファンにするのか?」という部分ですね。

いろんな人が、いろんなことを言いますが、「顧客のファン化」のバッキバキの実践者である西野に言わせると、やっぱり一番大事なのは「情報の共有」です。

自分達の目的地を共有して、自分達の現在地を共有する。

現在地から目的地までの距離が「応援シロ」で、まずはここ(不足分)を明らかにしないと、応援する側も、どう応援したらいいか分からない。

 

ちょっと具体的な話をすると、僕、いろんな業界を渡り歩いているのですが、とにかく職人さんって完成まで隠そうとするんです。

「プロなんだから完璧なものしか見せたくない」という。

あるいは「不完全なものを見せて、それで誤った評価を受けるのは嫌」というのもある。

その気持ちは痛いほど分かるんです。

それこそ、「絵コンテ」とかは、プロに見せたら、そこからの作業を想像してくれるので、「これは凄い作品になる」といった反応を貰えたりするんですが、お客さんに見せても、あまり想像してもらえないので「これ、面白いの?」となったりする。

それは作り手としては不本意なんですけども、ただ、ファンは応援したいんです。

制作過程を何も知らされず、ある日突然、完成品をドンと見せられて……いや、それはそれで素晴らしいし、「素敵な作品を見せてくださってありがとうございます」なんですけども、ただ、そこには、お客さんが参加できる隙間が一つもないんです。

お客さん目線で言うと「僕がいなくても、この作品は存在した」です。

ファン作りで最も大切なのは、「作品」「商品」「サービス」あるいは「会社」を、「ファンとの共同創作物にする」あるいは「ファンと共同親権を持つ」ということで、くれぐれも「発信者」と「受信者」に分けることじゃないんですね。

向かい合って座るんじゃなくて、隣に座ることが重要なんです。

 

それもこれも、制作のプロセスをお客さんと共有しないことには始まらないんだけど、多分、このラジオをお聴きの方の職場には「完成品を見せてナンボ」という方がいらっしゃると思うんです。

まずは、ここを口説いていかないと、ここから「完成品を見せてナンボ」はAIの競合になってしまうので、かなり分が悪くなってくると思います。

顧客をいかにファンにするか?

このあたりのことを『夢と金』に詳しく書いておりますので、是非、ご一読ください。

そして、大切な人、守りたい人に、この一冊を贈ってあげてください。

(撮影:イシヅカマコト)

 

※このコーナーは、西野亮廣の公式ブログより転載しています。(一部修正アリ)

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関連書籍

西野亮廣『夢と金』

「まえがき」より 「夢か?金か?」という議論をキミのまわりの連中は繰り返すだろう。 耳を傾ける必要はない。あんなのは全て寝言だ。 「夢」と「お金」は相反関係にない。僕らは「夢」だけを選ぶことはできない。 「お金」が尽きると「夢」は尽きる。これが真実だ。

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キングコング西野が自ら『夢と金』解説

発売わずか1カ月で20万部を突破した、話題のベストセラー『夢と金』。

著者は、キングコング西野亮廣。絵本、映画、ミュージカル、歌舞伎…と日々エンタメを生み出している一方で、ビジネスモデルも構築し、圧倒的な実績を残しているという唯一無二の存在が、自らの経験から得た知識を、余すところなく、一冊に書き切った!

まさに、現代日本人の全てが読まずに通り過ぎてはいけない一冊を、本人自ら解説。

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西野亮廣 芸人・絵本作家

1980年兵庫県生まれ。芸人・絵本作家。
2009年、『Dr. インクの星空キネマ』で絵本作家デビュー。0.03ミリ細い黒ペンで描かれたモノクロの緻密な絵が評判に。その後、『Zip&Candy-ロボットたちのクリスマス-』『オルゴールワールド』とモノクロ絵本を執筆。『えんとつ町のプペル』で初のカラー絵本を製作し、以後の作品、『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』『みにくいマルコ~えんとつ町に咲いた花~』はすべてカラーで製作。絵本累計部数は100万部突破。
他にも、小説『グット・コマーシャル』、ビジネス書『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』『新・魔法のコンパス』『新世界』など。ビジネス書のる生餌部数も100万部突破。

製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」(2020年公開)は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めた。
「えんとつ町のプペル」はミュージカルや歌舞伎としても上演され、好評を博している。
プペル発のNFTでは2022年10月31日に、取引量世界一を記録。

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