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キングコング西野が自ら『夢と金』解説

2023.06.12 公開 ツイート

日本人の「悪い投資」の代表は「銀行にお金を預ける」 西野亮廣

発売からわずか1ヵ月で20万部という話題のベストセラー夢と金。金が尽きれば、夢も尽きる!現代日本人の全てが、読まずに通り過ぎてはいけない一冊を、本人自ら深堀り!

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(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

投資も技術なので、練習しないと身につかない

今日も最新刊『夢と金』を深掘りしていきたいと思います。

昨日、196ページの『お金のイロハ ~借金は悪いもの?~』というトピックを取り上げましたが、今日も引き続き、そこを取り上げたいと思います。

というのも昨日の放送を聴かれたリスナーさんから「『良い借金』と『悪い借金』の違いは分かりましたが、『良い投資』と『悪い投資』の違いが分かりません。教えてください」というご質問をいただいたので、あくまで僕の個人的見解ではありますが、お答えしたいと思います。

まずは『良い投資』について。

これに関しては、「「本を読む」とか、「体験する」といったことにお金を使う「自己投資」が“ノーリスクでやれる投資”なので正解になってくると思うのですが、それはここで説明するまでもないと思うので、今回は“自己投資以外”で『良い投資』と『悪い投資』について喋ってみます。

まず、大前提として、僕は「今は、これがアツイよ」といった“儲け話”はこれまでも、そしてこれからも絶対にしません。

「投資は自己責任」とは言うものの、僕が紹介してしまった責任はあると思っていて、そして僕はその責任を取ることができないので、儲け話(特に投棄の話)は絶対にしません。

その上で、突き放すようで申し訳ないですが、「お金を使う」というのが技術で、投資も技術なので、これらは基本的には練習しないと身につきません。

技術も無いのに甘い話に乗らないでください。

カモにされて終わりです。

少なくとも僕が知っている限りでは、「ここに張っておけば間違いない」なんて無いです。

投資は「相性」なので、何に投資すればいいかは人による

というのも、投資には「相性」があるからです。

お洋服でイメージすると分かりやすいかもしれません。

「GUCCIのお洋服は素敵だけど、自分には似合わない」とかあるじゃないですか?

それって、これまで自分がいろんな服を着てきて、その経験から割り出した結論ですよね。

まだ一度も服を着た経験が無いと「GUCCIの素敵なお洋服」が自分に似合うか似合わないか分からない。

投資もそれと同じで「相性」があるんです。

たとえば、ビットコイン

目先のお金に走っちゃう人にとっては、時間も精神も削られる代物なので、あんまり相性が良くないかもしれない。

一方で、目先のお金に走らない人にとっては、「まぁ、上がり下がりするもんだし、この文化がどうなるのか、暇潰しがてら見てみよう」という感じでビットコインを10年前とかに買って、放ったらかしにして、今、大変なことになってる……というのが普通にある。

僕も2015年~2016年頃に勉強がてらにビットコインをまとめて買って、今の今まで放ったらかしにしていたので、結構な金額になっています。

べつに値が上がったり下がったりすることで、感情が動くことはないので、そういう人にとっては相性が良いのかもしれません。

このように「ビットコインに賭ける」が正解なわけじゃなくて、ビットコインに賭けて大損した人もいれば、得をした人もいる。

それというのは、お金を出した側のリテラシーや性格が大きく影響している。

「投資先の事情」と「自分の性格」の両方を把握していないと分からないので、投資なんて一度もしたことがない今の時点で「何に投資すればいいか?」は分かりません。

「人による」といったところです。

日本人の「悪い投資」の代表は「銀行にお金を預ける」

ただ、投資経験が無いとは言え、自分が投資した商品の価値がみるみる下がっていたら、「やっちまったぁー」となることは想像がつくと思います。

値上がりを期待して、コツコツ稼いで貯めた100万円をその商品に投資したのに、日が進むにつれて、90万円、80万円、70万円……と安くなっていったら、ちょっとゾッとしますよね?

「こんなものに投資するんじゃなかったー」となりますよね?

仮にこれを『悪い投資』と呼ぶのであれば、多くの日本人がやっている『悪い投資』の代表格は『銀行にお金を預ける(預金)』です。

「ええ? 貯金が投資? どういうこと?」となった人が多いかと思います。

稼いだお金で土地・物件を買うことを「不動産に投資する」と言いますよね?

稼いだお金で会社の株を買うことを「株に投資する」と言いますよね?

じゃあ、「稼いだお金を銀行に預ける」は、一体何なのか?

これは「日本円に投資する」ということです。

「不動産に投資する」という選択肢もあるし、「株に投資する」という選択肢もあるし、
「ドルに投資する」という選択肢もある中、

多くの日本人は何も考えずに「日本円に投資」しているんです。

それでいて、「円安」でしょ?

コツコツ稼いで貯めた100万円を日本円に投資したのに、日が進むにつれて、90万円、80万円、70万円……と安くなっているのが今ですが、それに対してゾッとしていないのが多くの日本人です。

自分が投資している商品の価値がみるみる下がっているのに、「こんなものに投資するんじゃなかったー」とはなっていないのが多くの日本人です。

多くの日本人は「通帳の残高が増える=自分の資産が増える」と信じきっているんだけど、当然、『100円で1ドルが買えた時代の100万円』と、『135円出さないと1ドルが買えない現代の100万円』の価値というのは全然違うわけで、「通帳の残高が増えていても、相対的に見ると資産が目減りしている」ということはザラにある。

このへんの話をすると長くなるので、ここらで話を切ります。

とにもかくにも、バッキバキに洗脳されている皆さんのお父さんやお母さん、お爺ちゃんやお婆ちゃんが言っている「お金を稼いだら貯金しなさい(銀行に預けなさい)」は「お金を稼いだら日本円に投資しなさい」と同じ意味なので(つまり彼らは乏しい知識、乏しい選択肢の中で子供達に投資を進めてしまっているので)、話半分で聞いておいた方が身のためだと思います。

「銀行にお金を預けることが悪い」と言っているわけじゃなくて、「それも投資だよ」という話です。

そして、どうかこのことを日本の子供達に教えてあげてください。

最新刊『夢と金』には、生きていく上で絶対に必要に「お金」の話について、机上論ではなく、すべて僕自身が経験したことを元に正直に書いています。

是非、読んでください。
そして、大切な人、守りたい人、子供達に贈ってあげてください。

(撮影:イシヅカマコト)

 

※このコーナーは、西野亮廣の公式ブログより転載しています。(一部修正アリ)

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西野亮廣『夢と金』

「まえがき」より 「夢か?金か?」という議論をキミのまわりの連中は繰り返すだろう。 耳を傾ける必要はない。あんなのは全て寝言だ。 「夢」と「お金」は相反関係にない。僕らは「夢」だけを選ぶことはできない。 「お金」が尽きると「夢」は尽きる。これが真実だ。

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キングコング西野が自ら『夢と金』解説

発売わずか1カ月で20万部を突破した、話題のベストセラー『夢と金』。

著者は、キングコング西野亮廣。絵本、映画、ミュージカル、歌舞伎…と日々エンタメを生み出している一方で、ビジネスモデルも構築し、圧倒的な実績を残しているという唯一無二の存在が、自らの経験から得た知識を、余すところなく、一冊に書き切った!

まさに、現代日本人の全てが読まずに通り過ぎてはいけない一冊を、本人自ら解説。

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西野亮廣 芸人・絵本作家

1980年兵庫県生まれ。芸人・絵本作家。
2009年、『Dr. インクの星空キネマ』で絵本作家デビュー。0.03ミリ細い黒ペンで描かれたモノクロの緻密な絵が評判に。その後、『Zip&Candy-ロボットたちのクリスマス-』『オルゴールワールド』とモノクロ絵本を執筆。『えんとつ町のプペル』で初のカラー絵本を製作し、以後の作品、『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』『みにくいマルコ~えんとつ町に咲いた花~』はすべてカラーで製作。絵本累計部数は100万部突破。
他にも、小説『グット・コマーシャル』、ビジネス書『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』『新・魔法のコンパス』『新世界』など。ビジネス書のる生餌部数も100万部突破。

製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」(2020年公開)は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めた。
「えんとつ町のプペル」はミュージカルや歌舞伎としても上演され、好評を博している。
プペル発のNFTでは2022年10月31日に、取引量世界一を記録。

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