
家族が「いい感じ」で家事シェアができるように心がけていることの一つに「声かけ」があります。
同じことを伝えるにも、言い方一つで、相手のやる気を出したり、失わせたりします。これは夫婦、親子、仕事関係でも同じことが言えますよね。
太田家の息子・シュンタのように、家事を手伝ってくれることは嬉しい。でも手伝ってくれることで、負担になることもあります。
たとえば、私の夫は、最初は料理が全くできませんでした。味噌汁がすっごく辛かったり、卵焼きに卵の殻が入っていたり、カレーのじゃがいもが丸ごと入ってて固かったり……。
私はその都度「なにこれまっず!」という本音をぐっと抑えました。だって、私自身も最初から今のように料理ができるわけじゃなかったから。誰だってそうだと思います。はじめから、うまくできることの方が難しいです。
夫の料理は、結果としては失敗かもしれない。だけど、慣れないことなのに、頑張ってくれようとしたこと。その行動と気持ちに、感謝をし続けました。
でも、まずいもんを食べさせられ続けるのも嫌だから、意見も言います。ただ、
「いやいや、じゃがいもは火が通りにくいから、じっくり煮込むか、小さく切る方がするでしょ普通~」
このように否定的に言うと……二度と、料理をしてくれないかも。なので、先に感謝して(または褒めて)から、意見を言うようにします。
「作ってくれて、ありがとう! 嬉しい! でも、じゃがいもは火が通りにくいから、じっくり煮込むか、小さく切る方がさらによくなるよ~」
同じことを伝えているのに、受け取る気持ちが全然違いますよね。そうして、夫が料理に挑戦するたび感謝し続けていたら、少しずつ上達して、今ではもう、私より料理が上手くなりました。
それとともに、私の声かけスキルも、グルメリポーターのように上がっています。
「うわぁ~! この卵焼きフッカフカや~! 作ってくれてありがとう!」
「なんて! 美味しいチャーハン! いつでも王将に転職できるわ~!」
なんてあまり大袈裟に言うと、たまに疑われるときもあるんですけど……。でも、きっと照れているだけなので、これからも言い続けます。
言葉の力は、思っているより大きいです。特に「ありがとう」の言葉は、どんどん使ってください。家事シェアがうまくいく魔法の言葉です♪
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