
理想像がプレッシャーになってしまう
もうバレてると思いますが、私はズボラです。
独身の頃なんて、キッチンは常に洗い物だらけ。整理整頓ができず服は出しっぱなし。洗濯物を干したら、マンションのロビーの落とし物箱へ。天性の家事苦手人でございます。
当時は「それでいい」と思っていました。だけど、結婚して、こどもが生まれてから家事に対する考え方が変わりました。
「夫の方が仕事が大変なんだから私が洗い物をしなきゃ」
「こどものために栄養のあるご飯を作らなきゃ」
「家族が快適に過ごせるために掃除をしなきゃ」
他にもたくさんの「~しなきゃ」「~しなきゃ」「~しなきゃ」。周りの仕事も家事も育児もこなしているお母さんを見るたび、「~しなきゃ」を増産しては、自分を追い詰めていました。
だけど「無理」というのは続きません。続けるほど、あとあとになってダメージが返ってきます。
私の場合は、仕事が忙しくなり、家事ができず、家庭が荒れ、夫ともすれ違い、そのタイミングで救急車で運ばれてしまいました。
その時に、ようやく夫と話し合うことができました。そして家事を見直したのです。
例えば……
「買い物に行かなきゃ」→宅配・ネットスーパーを利用する。
「冷凍食品は体に悪いから作らなきゃ」→食材にこだわった宅配なら、冷凍食品でも品質がよく美味しい。
「洗濯物は収納しないといけない」→家族それぞれの収納カゴを用意して、各自収納してもらう。
そうやって、「~しなきゃ」と向き合っていると、あることに気づきました。
私が「~しなきゃ」って、思ってた本当の理由は……
「いい妻、いい母、いい家族でありたいから」
もしかしたら、そういう風に周りの人に思われたい気持ちもあったかもしれない。だけど、その思いとは裏腹に、思い描いていた「いい家族」からはどんどん離れていく。
私が無理をしてイライラすると、その感情は、子どもにも夫にも伝わる。そんなことは望んでいない。
私にとって本当のいい家族は、みんなが笑顔で過ごすこと。それこそ無理をせず自然体で。
パーフェクトに家事をこなす人がいたとしても、私はできない。
自分が「いやだな」「しんどいな」と思ったら、それが素直な気持ちなんですよね。その素直な気持ちに向き合えたから、当たり前にやってる家事に疑問をもち、より楽しく、幸せになるための、アイデアを見つけられたんじゃないかなと思います。
これは仕事でも育児でも同じことが言えますよね。
周りの人が、「当たり前」と受け入れていることでも、自分が「いやだな」「しんどいな」と思ったら、その気持ちは本物です。
疑問を持つことから、より楽しく、幸せになるための、アイデアが生まれます。
なので、自分の気持ちを大切にしてくださいね。
☆関連書籍☆
名もなき家事妖怪

家事に悩んでいた四人家族が、ねこ妖怪「ニャン吉」の力を借りて、元の仲良し家族に戻っていく日々を描くコメディタッチのコミックエッセイです。
ある日、家族の前に現れた謎のねこ妖怪「ニャン吉」。
「目に見えない”名もなき家事妖怪”を、みんなにも見えるようにするよ!
さぁ、協力して退治しよう!!」
かくして、ズボラ夫婦と幼い兄妹の家事妖怪退治の日々が始まります。
企画原案:矢野貴寿(クリエーティブ・ディレクター)
制作協力:大和ハウス工業株式会社