
家事に悩む4人家族、太田家の前に突如現れた ねこ妖怪”ニャン吉” その目的とは…!?
イラストレーター・カワグチマサミさんの新作コミックエッセイ『名もなき家事妖怪』連載スタートです!!
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こんにちは。『名もなき家事妖怪』を読んでいただき、ありがとうございます。隙あらばゴロゴロするためにフリーランスになった、漫画家のカワグチマサミです。
私も太田家のトモコと同じく、夫と小学生の子どもがいます。一人っ子です。好きなものはゲーム。苦手なものは家事。なんで一生懸命生きてるのに、家事しないといけないんだろう? と思いながら洗い物してます。
『名もなき家事妖怪』を描こうと思ったきっかけは、ずばり、夫とすれ違い、家事シェアがうまくできず、家庭崩壊しかけたからです!
夫と2年くらい不仲だった時期がありました。今思い出しても呼吸が苦しくなるほどのトラウマ。
あの時、もっと早く夫に相談したらよかった!
もっと早く家電を買えばよかった!
家族で家事シェアについて話したらよかった!
他にも……ああしとけばよかった! なんて思うことを(書き出せばそれだけでコラム終わっちゃいそうなのでやめますけど)
できるなら、タイムトリップして、昔の私に伝えに行きたい! でもできないから……
漫画にして、たくさんの人に読んでもらって、“いい感じ”で家事シェアができる家族が増えてほしい! そしたら、当時の私もちょっと癒される気がする。
これが、『名もなき家事妖怪』を描く理由です。
描き始めたとき、「他の家族はどうやって家事シェアをしてるんだろう?」と思って、たくさんのお母さんたちにお話を聞いたり、調べたりしました。
家事シェアの形は、家族の数だけあります。だけど、お母さんたちの話を聞いて驚いたのは……
「産後に夫婦不仲になった」、という意見がとても多かったこと。
ええっうちだけじゃなかったんだ!? と、思いました。その中でも、よく聞いたのはこのパターン。
(1)産後、体力を回復&育児をするために仕事を休む
(2)家事は自然と家庭にいる妻の負担に
(3)二人目の出産や仕事復帰でさらに余裕がなくなる
(4)一人で考える時間も、夫と話し合う時間も作れない
(5)夫婦不仲
うちもこのパターンでした。家事シェアどころか、夫婦で会話すらぎこちない状況に……。
夫婦や家族の悩み事は、なかなか周りの人に相談しにくいですよね。うまくいってるように見える家族だって、実はそうじゃないかもしれない。誰にも言えずに、孤独に、無理して頑張ってるのかもしれない。
「いやいや、うちはずっと仲がいいですよ~」という人は、人柄人間国宝です。
うちは夫婦互いに、ボキボキのバキバキになるまで、ぶつかり合いました。複雑心労骨折しました。
でも、ぶつかったから、向き合わざるを得ない状態になったのかもしれません。
家族が、自然に家事シェアをするためには、ただ単純に家事分担をするだけではできないということを身を持って知りました。
家事シェアができるまでに経験した失敗したこと、やってよかったこと、これだけは気をつけてほしい! と伝えたいことを、オリジナルの漫画に詰め込みたいと思います。
今回エッセイではなく、オリジナルにしたのは……ニャン吉の存在を描きたかったから。
陰陽猫のニャン吉は、今の私が、過去の私に伝えたいことを届けてくれる存在。太田家が『名もなき家事妖怪』を退治しながら、どうやって家事シェアと向き合っていくのかを、見守ってくださいね。
おそらく、ほんわかした展開ではなくなりそうな予感。でも家事シェアは綺麗事じゃすまされないんだ。ごめんね、太田家のみんな。
この物語を読んだ方と、その家族が、今よりもっと楽しく、“いい感じ”に過ごせますように。
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次回更新は10月15日予定です。
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名もなき家事妖怪

家事に悩んでいた四人家族が、ねこ妖怪「ニャン吉」の力を借りて、元の仲良し家族に戻っていく日々を描くコメディタッチのコミックエッセイです。
ある日、家族の前に現れた謎のねこ妖怪「ニャン吉」。
「目に見えない”名もなき家事妖怪”を、みんなにも見えるようにするよ!
さぁ、協力して退治しよう!!」
かくして、ズボラ夫婦と幼い兄妹の家事妖怪退治の日々が始まります。
企画原案:矢野貴寿(クリエーティブ・ディレクター)
制作協力:大和ハウス工業株式会社