
家事分担の失敗
我が家も、太田家と同じように家事分担にチャレンジして失敗してしまったことがあります。
失敗してしまった理由は、家事分担をハッキリ決めてしまったことです。
「洗い物、トイレ掃除、料理は私」「ゴミ出し、風呂掃除、掃除機は夫」のように、思いつく家事を書き出して、誰がどれをやるかハッキリ分けたんですね。
二日間ほどやったところで……
「子どもの汚れた靴は?」「足りなくなった日用品の買い物は?」「宅配ボックスの荷物は?」
次から次へと出てくる名もなき家事妖怪を「どっちが退治するの?」と押し付け合いになったところで、気づきました。
我が家の場合、家事分担をすることが、全く合っていなかったわけではなく、ハッキリと細かくルールを決めてしまうことが、合わなかったのです。
ルールを守ることが「いいこと」、破ることが「悪いこと」になってしまって、本来の目的である家族で“いい感じ“で家事シェアをすることを、お互い忘れていました。人間ですから、体調が悪かったり、仕事が忙しかったり、育児が大変だったりで、つい忘れてしまうこともありますよね。
ただ一方で、我が家の場合は、全く家事分担をせず「気がついた方が家事をする」方法では、私も夫も、相手任せになりがちなので、「やってもいいかな~」と思える家事はやる、「これだけはやりたくない!」と思う家事はやらない、ということを話し合いました。
例えば、私はおしゃれ着洗いの洗濯物を洗うのは苦手なので、夫が週末にやることが多いです。一方で夫は、前世で敵同士やったんかい! っていうくらい、段ボールを解体することが嫌いなので、私と息子がやるようにしています。
実際に、これを取り入れてから変わったことがあります。
「やってもいいかな~」より、「これだけはやりたくない!」という家事を、家族の誰かがやってくれる方が、自然と相手に感謝できるし、ストレスも減るし、他の家事をしようと思えるようになりました。
家族によって、どんな家事シェア方法が合っているかは違ってきます。
我が家は家事シェアがうまくできないこともあったけど、そうやって失敗をしながら、自分達に合った家事シェア方法を見つけていけたと思います。今も手探り中ですけど。
ただ、失敗するたび、夫とぶつかって疲れちゃったので、昔の私に一言言えるなら……
「最初からうまくいくとは限らないから、まずはこんな方法で家事シェアをしてみて、合わなかったらやめようね」
もっと穏やかに家事シェアができてたんじゃないかなぁと思います。ぜひみなさんは試してみてくださいね。
家事は継続するもの。ダイエットや趣味、どんなものでも長く付き合っていくコツは、「厳しく!」より、「ゆるやか~」な心構えなんだと思います。
☆関連書籍☆
名もなき家事妖怪

家事に悩んでいた四人家族が、ねこ妖怪「ニャン吉」の力を借りて、元の仲良し家族に戻っていく日々を描くコメディタッチのコミックエッセイです。
ある日、家族の前に現れた謎のねこ妖怪「ニャン吉」。
「目に見えない”名もなき家事妖怪”を、みんなにも見えるようにするよ!
さぁ、協力して退治しよう!!」
かくして、ズボラ夫婦と幼い兄妹の家事妖怪退治の日々が始まります。
企画原案:矢野貴寿(クリエーティブ・ディレクター)
制作協力:大和ハウス工業株式会社