
株式会社任天堂で約15年インハウスデザイナーとして活躍。独立後はグラフィックデザインエージェンシーNASU代表、そしてオンラインコミュニティで全国の仲間とともにユニークなデザインやプロダクトを生み出し続ける、前田高志さん。彼が語る「本棚っていうのも、デザインなんですよね」の意味とは? 事務所と自宅、性格の異なるユニークな本棚にも注目です。
<目次> (※タップすると読みたいページへ飛べます)
◇ 80万円の本棚はそれ以上の価値があった
◇ 「買い物」も「デザイン」である
◇ 行動のデザインの起点となる本棚
◇ 僕の自宅の本棚には「コンプレックス」が詰まっていた
◇ 本棚の中にいる、僕の「3人の先生」
80万円の本棚はそれ以上の価値があった
今年、会社の事務所の本棚を新調しました。
USMハラーという収納システムを、弊社のオフィスに合わせてカスタマイズしました。この本棚、なんと80万円以上もするんです。決して安くはない買い物でしたが、外観の美しさはもちろん。価格以上の価値を感じています。
なぜなら、この本棚を購入することで、本を手に取りたくなる行動をもデザインできたからです。
事務所には、以前から本棚自体はありました。本もそれなりに多くありました。しかし、社員の作業スペースから少し離れており、本を意識する機会があまりありませんでした。
でもこの本棚を導入してからは明らかに社員が変わりました。
この棚は、上部が本棚で下部がロッカーになっています。このロッカーに僕や社員はカバンなどの荷物を入れているので、毎日この本棚の前に立つわけです。それから、棚の位置もワークスペースに近いから、否が応でも視界に入る。
そうすると不思議と本を意識するようで、社員が本を立ち読みしているところを見かける機会が増えました。
なぜこうなったのか? これは、本棚を買うという行為をデザインしたからです。
次のページ:「買い物」も「デザイン」である
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コロナ禍で明けた2021年。生活が変わり続けるなかで頼りにしたい私と本と本棚の話。
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