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女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

2020.12.03 公開 / 2022.04.25 更新 ツイート

漠然と「温泉行きたい…」気分の時は、目的地を決めてから宿を探そう【再掲】 永井千晴

「温泉オタク会社員」こと永井千晴さん著『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』。コロナ禍中ではありますが「行けるようになったらどこの温泉がいいかな~」と思いを巡らせたい読者の方に幅広く読まれています。訪れた温泉は約500湯。暇さえあればひとりで温泉を巡りまくっている永井さんによる温泉旅が100倍楽しくなる本書から、少しずつTIPSをご紹介していきます。

*   *   *

 行く温泉地を決め手から、泊まる旅館を選ぼう

「温泉でも行きたいなあ」と思いインターネットで宿泊予約サービスを立ち上げると、最初に行き先の都道府県やエリアを入力させられがちです。でも、「どこ」がいいかなんてピンとこないですよね……? なんとなく「箱根」や「熱海」と入力して、予算に合った温泉旅館を予約して泊まりに行く、なんて方もいらっしゃるのではと思います。私自身も身に覚えがあります。

個人的には、「行く温泉地」と「泊まる旅館」の選び方はまったく別物。まずはどんな温泉地に行きたいかをリサーチして、行き先が決まってから旅館を選びましょう。例えば、温泉地はこんな視点で選びます。

・温泉街を散策したい or 宿でゆっくり過ごしたい
・ガツンと個性派な湯に浸かりたい or 優しいつるさら湯に浸かりたい
・ドライブしながら車で行きたい or 電車かバスで行けるところがいい
・緑に囲まれた山の温泉 or オーシャンビューがかなう海の温泉

などなど……。一番知りたい情報でありながら、実はこれらを簡単に調べられるツールはなかなかありません。「自分に合った温泉地を見つける方法」については、私なりにチャート化してまとめたので、詳しくは本書の第2章を参考にしてください。

自分に合った条件下で行き先(温泉地)を見つけられたら、ようやっと宿泊予約サービスの出番です。温泉地名を入れて一覧に出てきた中から、予算に合わせて、こんな視点で選んでいきます。

・「露天風呂」「泉質」「景観」など、温泉の魅力
・「地元の食材が食べられる」「部屋食がかなう」など、食事の魅力
・「温泉街中心地から徒歩一分」「人里離れた山奥の秘湯宿」など、ロケーションの魅力

旅館にあるそれぞれの自慢どころが、自分の求めている温泉旅行にフィットしているかが重要です。すべてを兼ね備えたところはなかなか見つかりません。どんな温泉に浸かりたいか、どんなふうに滞在したいか、イメージを膨らませて決めていくと、すばらしい旅行になるはずです。

温泉ソムリエは、もらえる冊子のためだけに資格を取る価値がある

二〇一三年に全国各地の温泉取材をして、「じゃらん」の編集部で働いた後は、温泉や旅行とはまったく関係のない仕事に就きました。一年ほど経ったころ、「温泉のことがすごく好きだったのに、手元に何も残っていない感じがする」とさびしさを覚えました。そこで門を叩いたのが、「温泉ソムリエ」の資格受験です。

温泉ソムリエは、おそらく日本で最も有名な温泉に関する資格だと思います。試験を受けた人のほとんどが合格可能な、お金を払えば資格がゲットできるものなのですが、試しにセミナーを受講してみました。二〇一七年のことです。

しかし、超本格的な講座にびっくりしました。なぜこの泉質がつくのか、温泉分析表から明らかにするといった具合で、科学的な視点も入れた内容でした。温泉は好きだけれど、あまり温泉分析表には興味ないといった受講者たちの、あの退屈そうな顔といったら……。個人的には、もっと早く知っておきたかった! という知識も多く、「お金を払えば取得できる資格」とは裏腹の充実感を得られたと感じています。

温泉ソムリエの試験に無事合格すると(セミナーの難易度は高いですが、試験は簡単です)、認定証や記念タオルと一緒に、配られた冊子を持ち帰ることができます。この冊子がすごい。およそ、受験代はこれに支払っていたのだと思うほどにすごいんです。温泉ソムリエを創設した遠間和広さんの温泉愛が詰まっています。愛がぐったぐたに湧いている、ともいえます。

温泉法の紹介、温泉分析表の読み方、泉質別の適応症、目的別の入浴法、歴史や文化に至るまで、二五〇ページ超にわたって解説されているのです。それもほとんど、遠間さん自ら書かれたもの。どんな雑誌よりもわかりやすく、詳しく書かれています。

何より一番活用できるのが、泉質別の主な温泉地がまとめられているのと、温泉達人(評論家や大学教授など)のおすすめ温泉地一覧がコメント付きで書かれていること。「いい温泉に浸かりたいけど、どうやって温泉地を選べばいいのかピンとこない」な方には、絶対参考になる冊子です。私自身、温泉ソムリエの資格を取ってから数年経った今でも、「こういう温泉に浸かりたいから、ここの温泉地に今度行こう」と、だいたいの行き先を決めるために、温泉ソムリエの冊子を開きます。

どの温泉地がおすすめかは、雑誌やレビューサイトを読んでも、行った経験がなければわかりにくいと感じるものだと思います。温泉ソムリエの冊子は、その悩みを一発で解決してくれるはず。ちょっと面倒でも、ぜひ受講して冊子をゲットすることをおすすめします。一生、温泉旅行に困りません。マジで。

関連書籍

永井千晴『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』

訪れた温泉は500湯。ヒマさえあれば女ひとりで温泉を巡りまくっている「温泉オタクOL」による温泉偏愛エッセイ!

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女ひとり温泉をサイコーにする53の方法

「温泉オタク」会社員による温泉偏愛エッセイ

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永井千晴

1993年2月生まれ。学生時代に温泉メディアのライターとして、半年間かけて日本全国の温泉を取材。その後、旅行情報誌「関東・東北じゃらん」編集部に2年在籍し、「人気温泉地ランキング」などの編集を担当。退職後は別業種で会社員をしながら、経験を活かしてTwitterやブログで温泉の情報を発信している。現在も休みを見つけてはひとり温泉へ出かける、市井の温泉オタク。国内外合わせて約500の温泉に入湯。好きな言葉は「足元湧出」。
Twitter @onsen_nagachi

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