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学ぼう!珍妙奇妙な深海のいきもの

2019.03.06 更新

プリンのようなふんわりした感触の「ヌタウナギ」平井まさあき〔男性ブランコ〕

こんにちは、深海の生き物が好きな平井です。しっかり自己紹介ができて、自分はまだ成長できているんだなあと感慨深いです。深海ほどに深い感慨に浸っている場合ではありません。

さて、今回ご紹介したい深海の生き物はずばり、ヌタウナギです。

ヌタウナギという名前ですが、あの日本のウナギとは生物学上ではあまり近い関係ではないです。ヌタウナギ科の無顎類に属している水生生物です。

それでは早速、ヌタウナギさん、出番ですよ~。

イラスト/平井まさあき
 

どうでしょう。ぱっと見、かわいらしさの欠片もないでしょう。

頭の先のヒゲがちろちろしてて、その中の口に見えるところは、実は鼻の穴なんです。口は頭の下側についています。

目はなくて、鯨の死骸などを匂いで判別し、頭の下側にある口を、ぐわばっと開いて、ごはんを食べます。

無顎類と言われるだけあって、顎がありません。

そのため、顔が口みたいなものです。顔を口にしてごはんを食べます。

なかなかのバケモノ感です。

しかしながら、僕はヌタウナギはかわいいと思います。

言葉上だけではなく、しっかりと純粋にかわいいと思います。

それは、なぜかというと…。

簡単な話、それは僕が実際に、ヌタウナギに直接触ることができたからです。実際に触れ合った相手には親近感、愛着を覚えるものですよね。

先日、池袋サンシャイン水族館にぬたりぬたりと行ってきました(もうヌタウナギの登場を予感させる)。

そこでなんとあのヌタウナギに触れるタッチイベント「ヌタッチ」というイベントが開催されていたのです。「ヌタッチ」というイベント名も俄然、好き。

深海生物に触れるなんてまたとないチャンス。即座に参加申し込みをしました。

カップルやファミリーの列に混ざり込みながら、息を殺して並んでいました。まるで深海に潜むヌタウナギ、いや、ヌタウナギの好物である生物の死骸のように静かにしていました。

後ろの子供連れのお母さんが「うげえ」っといった表情で係員さんに「これ、ダイオウグソクムシにタッチできるイベントじゃないんですか?」と聞いていました。ダイオウグソクムシタッチイベントと勘違いしたのでしょう。

確かにダイオウグソクムシを触れると思って、並んだ列の先に、顔のないぬたぬたしたヌタウナギが現れたら、そりゃあ、顔をしかめますよ。

あなたの行く先にはヌタウナギが待っているのですよ。

しかし、その子供さんはヌタウナギにわくわくしてたので、列から外れることはありませんでした。

お母さんは「うげえ」の顔を崩さず、ずっと固まっていました。

 

僕の順番です。

係員のおっちゃんが、とても丁寧にヌタウナギの説明をしてくれます。

ヌタウナギの名前の由来は、体の周りにぽつぽつとある小さな穴から「ヌタ(泥田)」と言われる粘着性の強い液体を出すことからだそうです。

このヌタはムチンという成分で、これは我々の鼻水と同じ成分だそうです。このヌタも直接触らせてもらいました。

 

本当に鼻水でした。

汚い話、風邪治りかけぐらいの時のネバネバ鼻水でした。汚い話すみません。

そして、ヌタウナギさんを触らせていただきました。

僕の予想ではヌタウナギさんは以外に皮膚がしっかりと固めで、弾力があるのかなと思っていました。

でも実際はとてもふんわりやわらかかったです。そして、身体中はヌタが張っているのか、文字通りぬたぬたぬるぬるしていました。

全く気持ち悪い感触ではなく、ふわふわふんわりなめらかです。

なんと例えられましょう。

おそらく、プリンです。これはプリンを直接触った感覚だと思います。

昔、プリンの感触を確かめるべく、ぺたぺたと触った記憶があります。きっと誰でもそうですよね?プリン触りますよね?

その時の感触が呼び起こされました。これはきっとそうです。

だからヌタウナギは見た目や特徴、好きな食べ物などで、人間からの印象は少々悪いですが、触ると、あら不思議、みんな大好きプリンなのです。

 

ということでヌタウナギは深海のスイーツなのです。

お隣、韓国ではヌタウナギは食用されていて、コチュジャンで炒める料理が人気だそうです。ヌタウナギをスイーツと言い放っておきながら、これは絶対お米に合います。もっと日本人にも身近な生き物になってほしいです。

だから皆さんも、ヌタウナギのことを好きになりましょうね。

「うげえ」と顔をしかめたお母さんも「うきゃあ」という嬉しい顔しましょうね。

 

余談ですが、この日、初めてメンダコの泳ぐ姿をこの目で見ることができました。メンダコがふわふわと漂う姿、脳裏に焼き付けました。最高でした。

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