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昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

2017.11.17 更新

その日、三島由紀夫は市ヶ谷の自衛隊駐屯地に彼が結成した私的軍隊である「楯の会」のメンバー四人と共に乗り込んだ中川右介

中川右介著『昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃』(幻冬舎新書)――日本全体が動揺し、今なお真相と意味が問われる三島事件。文壇、演劇・映画界、政界、マスコミ百数十人の当日の記録を丹念に拾い時系列で再構築、日本人の無意識なる変化をあぶり出した新しいノンフィクション。

 

死んだ作家は、かれ自身の全体が生者へのメッセージにかわる。生き残った者たちは、望むと望まぬとにかかわらず、滅びた肉体の遺したメッセージを受けとめねばならぬ。

      ──大江健三郎「死者たち・最終のヴィジョンとわれら生き延びつづける者」より

 

 はじめに

 

 一九七〇年=昭和四十五年は、昭和のオールスターが揃っていた年だ。

 昭和天皇はまだまだ元気だったし、内閣総理大臣は最長在任記録を持つ佐藤栄作、自民党幹事長は田中角栄、防衛庁長官は中曽根康弘、警察庁長官は後藤田正晴だった。最強の布陣ではないか。

 文学界も芸能界も、老壮青それぞれの世代にスターがいた。さらにその下にやがて芽を出す無名の青少年たちもいた。

 そのなかで、最前線にして最高位にある人が、突然、死んだ。

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