第1話、第2話、共に人が亡くなったことで「このドラマは毎週人が亡くなるのか?」との嫌な予感(ミステリードラマとしては最高)がしていたが、第3話は誰も亡くならずに済んだ。
……それどころか、むしろ人が増えたと言っても過言ではない。
行方不明になっていた登山ツアー参加者の門伝(兵頭功海)が、思わぬ形で発見されたのだ。

東京に逃げたハルネ(斉藤由貴)を追った小駒(横浜流星)と直(小栗旬)が、ハルネの足取りを掴もうと二階堂(金子昇)が契約している渋谷のマンション周辺の防犯カメラを確認していたところ、そこに映ったのはハルネではなく門伝の姿だった。
まずは生きていて良かった。それに尽きる。
しかし無事に生存し、下山出来ていたのであれば速やかに警察など各方面への連絡を済ますべきだろう。
門伝はそれをしなかっただけにとどまらず、北海道を出て東京にいる。
しかも二階堂が契約している渋谷のマンションの近くに……。
いくらなんでも奇妙な行動だ。
よって門伝も二階堂の死および保険金絡みで何らかの関係があることは明白だと言える。
田畠(飯豊まりえ)、そして被害者の二階堂だけでなく、門伝やその妻:美咲(森田想)、宇江松(吉岡睦雄)を含むツアー参加者全員が二階堂の死に関係しているのではないだろうか。
ツアー参加者全員とは言ったが、亜矢(中村アン)に関してはまだわからない。
亜矢のあの小さく優しい声と訴えかけるようなまっすぐな目……。彼女が嘘をついているとは思えない。
小駒と同じく、私も亜矢には特別な感情を抱いている。
うっすらとした記憶だが、私の初恋も亜矢だったのかもしれない。
……そんなことを思わせるほど、あの上目遣いにはやられている。
小駒のように特別なスイッチが入ってしまうのも十二分に理解できる。
しかしだ。
“すべてを疑え”がキーワードのこのドラマ。
私たち視聴者は、すでに亜矢の術中にハマっているのかもしれない。
実は彼女も……なんてことが出てくるかもしれない。
だが現時点で亜矢まで疑っていては考察の手が進まないため、今回は発見された門伝を含むツアー参加者から、二階堂の死および保険金の流れの闇を考察していこう。
考察食堂、開店です。
田畠のもうひとつの職業がツガルと繋がる
第3話で明らかになった門伝の生存。
それに加え、田畠と二階堂の新たな繋がりも判明した。
登山ツアーが始まる前に田畠は、ツアー参加者の二階堂を見るなり「ツ、ツガルさん……」と言い、それに対して二階堂は「違うって」と返していたことがわかった。
田畠は二階堂のことを「ツガル」という名前の人物として認知し、以前から関わりがあったのだろう。
ではその関わりとは何なのか。
田畠はツアーガイドの他にドライバーの仕事もしていることが、第2話でわかっている。(入院患者が証言)
そのドライバーの仕事で田畠は、ツガルという仮称の二階堂と関わっていたのではないだろうか。
運ぶものは“薬物”。
二階堂の妻のハルネが薬物に手を出していそうな様子や、とてもじゃないがあの規模の飲食店経営だけで得られるとは思えない家とブランド品の数々から、二階堂は飲食店経営の他に“薬物売買”にも手を染めていた可能性が高いからだ。
田畠は娘の乃々(木内天奏)を育てるため、薬物売買のドライバーという違法な仕事に手を出してしまったのかもしれない。
田畠はそんなドライバーをしている時、二階堂の妻のハルネに二階堂の保険金殺人を持ちかけられたのではないか。
その分け前に目が眩んだのもあるだろうが、薬物の売買という犯罪に関わっていた手前、断ることが出来なかったのだろう。
それは他の参加者である門伝夫妻や宇江松も同じだ。
彼らがドライバーだったかは定かではないが、薬物を買った側か売った側かで携わっていたために二階堂の保険金殺人に協力せざるを得なくなったのではないか。
しかし、このミニマムな輪で話は終わるのだろうか?
やたらと亜矢を犯人にしたてあげようとするそもそもの事件の構造や、それを鵜呑みにする警察の動き……そのすべてを繋げたとき、意外な人物が浮上するのではないかと考えた。
とある刑事が首謀した“北海道警の膿ぜんぶ抜く大作戦”
それは、北海道警 白樺署 強行盗犯 主任 淡島(岩谷健司)だ。

彼は定年間際であり、過去のとある事件をきっかけに出世コースから外されたなんとも哀愁漂う刑事だ。
小駒×淡島ペアのやり取りになんだかほっこりする視聴者も多いのではないだろうか。
そんな淡島が出世コースから外されるきっかけとなった、かつて担当していた事件が、保険調査員の直司が心中ではなく偽装殺人だと見抜いた函館事件。
ずばり彼はその時の無念を晴らすため、そして定年間際に一花咲かせるため……さらには北海道警と薬物の繋がりをすべて明るみにするためにこの事件を計画したのではないか? と考えている。
淡島なりの池の水……いや“北海道警の膿ぜんぶ抜く大作戦”というわけだ。
彼は以前から目をつけていた二階堂ハルネを狙い、匿名でこの保険金殺人の計画を持ちかけたのではないだろうか。
匿名の淡島がハルネに指示をし、人を集めさせ、この保険金殺人を企てた。
当然、北海道警は薬物との関連を疑われないために事件を早急に終息させようとする。
事件には刑事の小駒の恩師である亜矢を巻き込むことで、小駒がその事件の真相……、薬物と北海道警の関わりをすべてを明かしてくれるだろうと期待し、このような事件の絵を描いたのではないだろうか。
淡島の手柄にもなれば、北海道警の膿を出し切って定年を迎えるという素晴らしいフィナーレを迎えるというわけだ。
まだまだ考察の荒さはあれど、何か核心に指の先が触れているような感覚がある。
「淡島なはずないでしょ?」という方は思い出して欲しい。
二階堂の葬式の参列者を監視し、その少なさに対して淡島の「俺の葬式もこんなもんだろうな」という発言。
これだけ北海道警の仲間がいるのにどうして?
ほら、怪島でしょ?
••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
TBS『LOST10』( 毎週金曜夜10時~)
出演:横浜流星、小栗旬、中村アン、飯豊まりえ、井口理 (King Gnu)、岩谷健司、松下洸平、市川実日子、野呂佳代、斉藤由貴
脚本:奥寺佐渡子
音楽:Gabriele Roberto
主題歌:Maya「LOST」(Sony Music Labels Inc.)
演出:塚原あゆ子、泉 正英
プロデュース:新井順子
編成:荒木沙那
制作:TBSスパークル、TBS
著者:ケメ・ロジェ
イメージイラスト:サク
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3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!
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