ようやく霧が晴れた。
新たな敵の名は「シンシー」
第11話から追い続けてきた“見えない敵”に、ついに名前が与えられた。
これで物語の全貌も少しずつ見えてくる……。そう思ったのも束の間だった。
霧が晴れた先に、もっと濃い霧が待っていた。
シンシーの狙いとは何か。
別班を拉致した真の理由はなぜなのか。
野崎は敵なのか味方なのか。
そして「テントの孤児院」とは何を意味するのか。
第14話は、謎を一つ解き明かした回ではない。これまで見えていなかった“もっと大きな謎”の存在に気づかされた回だった。

ではまず、今回明らかになった「シンシー」という組織について整理していきたい。
シンシーとは、中国公安警察における「別班」のような秘密組織。
その幹部が、野崎(阿部寛)と4年ぶりの再会を果たしたハン・リンシン(宮下今日子)である。
ようやく、乃木(堺雅人)たちが追い続けてきた敵の“名前”と“輪郭”が見えてきた。しかし、その目的は未だ見えてこない。
「誰に狙われているのか」が分かっただけで、「なぜ狙われているのか」は未だ分からないのだ。
そして第14話には、その「なぜ」を考えるうえで、どうしても見逃すことのできない場面がある。
それは、ハンが「テントの孤児院」という言葉に反応した瞬間だ。
なぜ“中国の別班”であるシンシーが、バルカにあるテントの孤児院を気にするのか。孤児たちそのものが目的なのか。
それともシンシーが本当に狙っているのは、孤児院ではなく、その付近で発見された「フローライト」なのではないだろうか。
シンシーはフローライトを狙う新たな存在かもしれない。
もしハンが「孤児院」という場所に反応したのだとすれば、その先にあるフローライトを意識していた可能性も考えられる。
つまり第1シーズンで守り抜いたフローライトが、第2シーズンの新たな争いの火種になる可能性を秘めているのだ。
これまでは、敵が何者なのかすら分からなかった。だから怖かった。
しかしシンシーという名前を知り、その存在を少しずつ知ってしまった今は、また違った怖さがある。
何も分からない怖さではない。分かってきたからこそ、その先にあるものを想像できてしまう怖さだ。
別班を拉致し、野崎と繋がり、テントの孤児院にまで関心を示すシンシー。
彼らの目的が明らかになったとき、私たちが想像しているよりも遥かに大きな戦いが待っているのかもしれない。
敵の名前は分かった。それなのに、私は第14話を見る前より、この敵が怖くなっている。
新庄の死には大きな違和感がある。「生存説」の根拠を徹底解剖!
シンシー。
それは第2シーズンの「最大の敵」になるかもしれない存在だ。
しかし、私はそれ以上に……。
新庄が心配だ。

シンシーについて考察しなければならないことはまだ山ほどある。だが今は、それらを一旦脇に置かせてほしい。
新庄は本当に死んでしまったのだろうか。第14話、新庄(竜星涼)は銃撃を受け、その後「死亡した」と伝えられた。
普通に考えれば、これで新庄の物語は終わったことになる。
しかし、私はどうしても引っ掛かっている。
というのも、新庄の「死」には生存を期待したくなるいくつかの違和感が残されているからだ。
そして何より、ここは『VIVANT』である。
「死んだ」と言われただけで素直に信じられるほど、第1シーズンから鍛えられてきた我々は甘くない。
そこでここからは、新庄がまだ生きている可能性を、第14話に残された手掛かりから徹底的に考察していきたい。
❶ 新庄の頭についていた「ガム」のようなもの
まず私が気になったのが、新庄の頭についていた謎の物体だ。一見するとガムのようにも見える。
しかし、あれが単なるガムではなく、顔の型を取るためのシリコンのようなものだったとしたらどうだろうか。つまり、新庄そっくりの「偽の遺体」を作るための準備だったという考察だ。
わざわざ新庄の頭に“何かが付着している”という違和感を残した以上、あれは偽装工作のための伏線として、新庄の「死」そのものが最初から作られたものだった可能性が出てくるのだ。
❷ 佐野(坂東彌十郎)が新庄を早く火葬したがったワケ
そして2つ目の違和感が、新庄の遺体を早く火葬しようとする佐野の行動だ。
もし新庄の遺体が精巧に作られた偽物だった場合、時間が経てば経つほど、その不自然さが発覚する可能性も高くなる。だからこそ、偽物だと見破られる前に火葬してしまいたかったのではないか。
さらに、もし佐野が乃木から新庄を生かすための作戦を事前に聞かされていたのだとすれば、あの行動にも説明がつく。
❸脇坂(小久保寿人)の「お前ちょっと太ったんじゃねぇか?」
そして私が最も気になっているのが、脇坂が新庄に放った何気ない一言である。
「お前ちょっと太ったんじゃねぇか?」
ただの久しぶりの再会を表現した台詞にも聞こえる。
しかし新庄自身が実際に太ったわけではないのだとしたら、なぜわざわざこの台詞を入れたのだろうか。
ここで浮かぶのが、新庄が服の下に防弾チョッキのような装備を仕込んでいた可能性だ。
つまり脇坂が感じた「太った」という違和感は、新庄本人の体型ではなく、その仕掛けによって生まれていたのではないだろうか。
新庄は本当に撃たれたのではなく、最初から「撃たれて死亡したように見せる」ための準備をしていたのではないか。
これら全てが偶然なのか。それとも、新庄を「死んだことにする」ために用意された伏線なのか。
私の考えは当然、後者だ。
私はそう信じてやまないほどに、新庄という男が好きだったらしい。
思い返せば第1シーズンでは裏切り者として姿を消し、第2シーズンでは敵なのか味方なのか分からないまま、乃木たちの前に再び現れた。
散々こちらを振り回してきた男なのに、いざ「死亡した」と言われると、どうにも寂しい。生きている証拠を探しているつもりが、いつの間にか「生きていてほしい理由」まで探していた。
新庄。私はまだ、貴方の死を信じない。
だからいつか何食わぬ顔で再登場して、また私たちを盛大に裏切ってほしい。
••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
TBSテレビ『VIVANT』( 毎週日曜夜9時~)
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、二宮和也、竜星涼、山中崇、富栄ドラム、濱田岳、小日向文世、松坂桃李
原作・演出・プロデュース:福澤克雄
演出:宮崎陽平、加藤亜季子
脚本:宮本勇人、李 正美、山本奈奈、土井笑生
著者:ペチ
イメージイラスト:サク
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