に出会った。
隣で飲んでたグループにいた。
正直ほんとに気悪かった。
こういうやつはいる。
『ドラゴンズもたまには勝たないとー! がんばれー!』
えぐい空気である。
阪神タイガースは目下首位争いの真っ只中、2位の読売ジャイアンツからの猛追を受けていた。
正直、1試合も落としたくないくらい崖っぷちにいた。
何もわかっていないやつの言葉が宙に浮いていた。
一緒に来てる男たちも、
『いや君だけだよ? 相手応援してるの! あははは』
という体たらく。
僕がそのグループの男なら、仲の良さ次第ではしばいていたかもしれない。顔を。
まぁこんなやつと端から飲みに行くことは無いのだが。
何が腹が立つかと言うと、聞こえてくる話によると、けっしてドラゴンズファンでは無い。ということだ。話の内容的にも全くである。
『私はソフトバンクファンなんだけどぉ~』
と言った、いや、ぬかしたからだ。
こんなに迷惑なことは無い。
こんなにも邪魔な存在はいない。
こっちは家で観るより楽しもうと思ってわざわざ店に来ているのだ。
こんなにもTPOを守れないやつがいるのか。
これがどういうことか、というと、
吉本の劇場に来て松竹の話をしてたり、
水族館に来てライオンの話をしてたり、
ハワイに来て韓国旅行の話をしてたり、
どこかの島の民族に空気清浄機の話をしてたり、
立ち飲み屋で椅子の話をしているようなもんである。
しかもでかい声で。意味がわからない。
そしてタイガースが点を取られた。
9回裏、もう負け寸前のところまできた。
すると、なんと、
『やっぱり阪神もがんばれー。負けるなー』
と言い出した、いや、ぬかし出した。
は?
高校野球観てんのとちゃうぞワレ。
いや、ドラゴンズを応援するなとは言わない。
それは自由だ。
ただ、どっちのファンでもない癖にでかい声で敵の応援しとんなよ。
ここは阪神ファンが集まる居酒屋じゃクソが。
思ったのと同時に、こんなやつをチヤホヤするなよボケ男子が。
と思ったのだが、
この女、所謂、
「オタサーの姫」なのだ。
このイケてない男たちにモテることが生き甲斐なのだ。
モテる男には相手にされない。何故なら壊滅的に空気が読めないから。
ただ、オタサーの中では取り合いになる。
でも誰とも付き合うつもりもない。
ただ、そこで自分がモテていることを楽しんでいる。
そうやって、バケモノが育ってしまうのだ。
これは今回たまたまこのパターンだったが、
男女が逆でも全然あることで、
田舎のホストが調子に乗っているのと同じである。
大きな声でつまらないことを言って周りの女だけが笑っている、のと同じである。
そう思うと「オタサーの姫」
の男版はなんて言うのだろう。
オタサーというのが圧倒的に男性が多いグループだから、ここをまず変えないといけない。
女性が圧倒的に多い集まり、
となると……
料理教室?
看護学校?
宝塚ファンのオフ会?
吹奏楽部?
よし、
とりあえず
「吹奏楽部のドラム」にしておこう。
「オタサーの姫」や「吹奏楽部のドラム」
には気をつけよう。
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クロスロード凡説

「ネタにはしてこなかった。でも、なぜか心に引っかかっていた。」
そんな出来事を、リアルとフィクションの間で、書き起こす。
始まりはリアル、着地はフィクションの新感覚エッセイ。
“日常のひっかかり”から、縦横無尽にフィクションがクロスしていく。
「コント」や「漫才」では収まらない深掘りと、妄想・言い訳・勝手な解釈が加わった「凡」説は、二転三転の末、伝説のストーリーへ……!?










