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あなたとわたしの生存確認日記

2026.06.21 公開 ポスト

『どんな人生にも名ゼリフはある』(5月27日)―渋谷円山町の火事現場。母との思い出。燃え殻

2026年5月27日

渋谷円山町の仕事場近くで結構大きな火事。消防車、救急車が何台も停まっていた。

サイレンの音がずっと鳴っていて、思わず見に行ってしまった。

野次馬気質は、母ゆずりかもしれない。

昔、母は、近くの地域が大規模な停電に見舞われたことを知ったとき、小学生だった自分と妹の手を引いて、「現場に行くよ!」と夕飯の準備中だったのに、走って見に行ったっことがあった。現場に着くと、もう停電は解消されていた。

 

「ちくしょう、間に合わなかったか!」と母は心底悔しそうだった。

いや、なにがそんなに悔しいのさ! と子供ながらに思ったが、母はそういうトラブルの現場を見に行くのが大好きな人だった。

近くで火事、という情報を仕入れれば、速攻で見に行っていた。水道管破裂、でも水浸しの道路を見に行き、警察の人に「そこ入らないで!」と注意さえるほど。

母のあの野次馬魂はなんだったのだろう……。

今日、サイレンの音に誘われて、現場まで久々に走っていたとき、母のことを思い出していた。

まだ沖縄を引きずっている。

読んでない本がたくさんあるというのに、本を三冊も買ってしまった。

『悲しみは羽根をまとって』マックス・ポーター

『脳脳と生きる』中野信子

『霧のむこうのふしぎな町』柏葉幸子

***
NHK BSのドラマ『この味もいつか恋しくなる』の準備が着々と進んでいる。

今回のドラマ、どこかでお仕事ご一緒したかった方々にも出てもらえることになり、仕上がりをものすごい楽しみにしている。

高橋一生さんが、自分の雰囲気(服装、仕草など)に相当寄せてくれるみたいで、恥ずかしい気持ちと、楽しみという気持ちが交錯している。

恵まれている。いろいろ面倒もあるし、プレッシャーもあるが、ギリギリで「恵まれている」が勝つ。

***
そして、週刊女性の新連載『どんな人生にも名ゼリフはある』が第二回目。週刊連載は、週一で締め切りが来る(知ってる)。危険だ。週刊新潮だけでも、ハラハラが止まらないのに、また始めてしまった。

ただ、前回の連載『この味もいつか恋しくなる』の担当編集Sさんが、今回もとんでもない情熱を持って連載を担当してくれているので、手が抜けない。

抜けないだけじゃなく、原稿への指摘も毎回勉強になる。『どんな人生にも名ゼリフはある』もいい連載にしたい。そして、トラブルなく完走したい。

『どんな人生にも名ゼリフはある』の挿し絵は安藤巨樹さん。一度お仕事ご一緒したかった方

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(アイコンイラスト:大橋裕之)

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燃え殻

1973年生まれ。2017年『ボクたちはみんな大人になれなかった』で小説家デビュー。同作はNetflixで映画化、エッセイ集『すべて忘れてしまうから』はDisney+でドラマ化、『湯布院奇行』が朗読劇化(原作)、『あなたに聴かせたい歌があるんだ』がコミック化とHuluでドラマ化(原作と脚本)された。著書に小説『これはただの夏』、エッセイ集『それでも日々はつづくから』『ブルー ハワイ』『愛と忘却の日々』ほか多数。

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