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勝手に!裏ゲーテ 街場の旨いメシとBar

2025.05.18 公開 ポスト

#62

裏通りでバーホッピング 台南編2相場英雄

<使用機材>RicohGr3,SonyRx100M5

大家好!(皆さん、こんにちは)

先月に続き台南編である。

食に対し異様な執着心がある私。実は食べ歩きの他にバー巡り、すなわちバーホッピングも大好物なのだ。

たらふく食べたあとで、そのまま宿に帰るほど野暮じゃない(だからお金が貯まらない)。異国の地で食事を楽しんだあとは、美味しいお酒も飲みたい。

知らない土地で初めての店に飛び込むのは勇気が必要だ。まして言葉が通じない台湾である。しかし、今回はどうしても夜の街へ繰り出したい理由があった。

ご当地出身の世界的な女優さんがいる。日本人アーティストと結婚した林志玲(リン・チーリン)さんだ。細身で長身、常に笑顔を絶やさぬ名女優は、究極の美人さんだと前々から思ってきた。台南で彼女のような美女に出会えるのではないか、という非常にさもしい考えが私を夜の街へと導いた。

くだらない前置きはさておき、台南は以前徘徊した台北の夜の街以上に治安が良いと感じた。世界各地で夜の街をほっつき歩いた経験上、〈このブロックから先は絶対にヤバそう〉〈たむろしている若者たち、目つきが怪しい〉と体感できるのだ。

台南駅周辺は、明らかに目が飛んでいる人たち(オクスリ系ね)がウロウロしているので回避したが、ホッピングできるバーがある地域は大丈夫そうだと、昼間のうちに数軒回って目星をつけていた(台南、バーで検索すると多数ヒットするよ)。

 

夕食を済ませたあと、台湾旅行で多用しているウーバーで移動する。

車を降りると、臭豆腐の屋台から強烈な匂いが漂い、隣のおでん屋台からは八角の刺激的な香りが漏れる。細い路地が連なり、暗がりが続く。野良猫が鳴き、目の前を横切る。あれれ、昼間はOKでも、夜はヤバいエリアじゃないの……手元のスマホの地図アプリを頼りに恐る恐るチェックすると、目的の店があった。

恐る恐るドアを開けると、にこやかに笑う女性スタッフがいた。予約なしの旨を伝えると、テーブルの準備をするので二、三分待ってほしいとのこと。中はどうなっているのか。果たして林志玲的な美女はいるのか。

結論。第二、第三の林志玲はいた!(頭悪すぎるな)

もちろん、言葉が通じないので、話しかけたりはしていない(当たり前だ)。

細身、長身。たおやかな笑顔の女性があちこちに。

眼福とはこのことだ。もしかして、台南は美人の名産地ではないのか(これ以上書くとコンプラ的にアレなのでやめておく)。

ここはバー好きの間では名の知れたお店らしく、地元の穏やかな客たちが静かにお酒を楽しんでいた。一口サイズのおつまみも豊富で、次回は夜メシもこの店でいいかなと思うレベルだった。

台南市中西区にあるバー。(たぶん)ラムベースのカクテル。口当たりが良く、スルスル入る。
台南中西区の名バーのメインカウンター。東京でもこれほどオシャレな店はなかなかないぞ。
メニュー表も凝っている。お値段はやや高めだけど、眼福のためなら。
日頃ビール→泡盛ロックのおじさんにはオシャレすぎ(味は滅法良い)。
オツマミでオーダーした〈お餅的〉な物。絶妙な揚げ加減、甘辛なテイストでお酒がススム君。

お店のスタッフは英語が堪能。私の拙い英語でもコミュニケーションが可能で、とりわけオリジナルのカクテルが秀逸だった(手書きのメモをどこかに忘れてきた=詳細を説明できない=酔っ払いあるある)。この後で数軒回ったが、このお店が一番落ち着いた。

混み合う店内で、笑顔で私の横を通り過ぎる美女たち多数。二泊三日の弾丸日程の間、二日間ともこのバーに顔を出したのはナイショである。

このグラスの向こう側、カウンター席には第二、第三の林志玲が(いや、ほんとだから)。
この壁の向こう側が異世界。
こういうお店で大人の振る舞いができると一人前(一生無理)。
あっという間に満席に。次回は絶対予約して行くから。待っててね、林志玲(違う)。

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勝手に!裏ゲーテ 街場の旨いメシとBar

食い意地と物欲は右に出るものがいない作家・相場英雄が教える、とっておきの街場メシ&気取らないのに光るBar。高いカネを出さずとも世の中に旨いものはある!

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相場英雄

1967年新潟県生まれ。元時事通信社記者。主な著書に『震える牛』(小学館文庫)、『血の轍』、『KID』(ともに幻冬舎文庫)、『トップリーグ』  『トップリーグ2/アフターアワーズ』(ともにハルキ文庫)。近著は『血の雫』(幻冬舎文庫)、『レッドネック』(ハルキ文庫)、『マンモスの抜け殻』(文藝春秋)、『覇王の轍』(小学館)、『心眼』(実業之日本社)、『サドンデス』(幻冬舎)、『イグジット』(小学館文庫)『ゼロ打ち』(角川春樹事務)、『マンモスの抜け殻』(文春文庫)。『フェイク・フィクサー』(小学館ストーリーボックス連載中)、『ブラックスワン』(小説幻冬連載中)。

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