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台湾ごはん、何食べる?旅ができる、その日のために

2021.03.21 更新 ツイート

台湾ハンバーグの味の決め手は、きゅうりのキューちゃん! 竹中式子

台湾人の阿米と日本人の美菜が、台湾美食を巡るコミックエッセイ『台湾ごはん何食べる?』が好評発売中!

私が子供のころは、「ミンチ肉は、悪くなった肉をごまかしたものだ」なんて言われていました。真偽のほどはわかりませんが、そういうイメージもあってか「ミンチ肉は嫌い」という人もいたものです。

 

でも、私はミンチ肉が好き! 牛でも豚でも鶏でも、細かい肉がギュッと詰まった食感に、食材と肉が絡みあう味わいは、塊肉とはまた違った風情が感じられます。ハンバーグも、ミートローフも、鶏団子も、「ミンチだわぁ」と心躍るのです。カレーはキーマより手羽元派ですが(軟骨が好きなので)。

日本のスーパーではミンチ肉コーナーにたくさんのトレーが並べられていました。ところが台湾ではひき肉がとても少ない。スーパーの肉コーナーに、申し訳程度にちょこっと置かれている程度で、しかもほとんど豚ミンチ。牛ミンチは3パックくらい、鶏ミンチはほとんど扱われていません(近所のスーパー調べ)。鶏ミンチを見つけたら即買いです。

朝市のお肉屋さんにはさまざまな部位がドンドンッと並べられているのに、ミンチは見あたりません。鶏肉屋さんで「ミンチありますか?」と聞いても、「豚肉屋に聞いて」と。いやいや、私は鶏ミンチが欲しいのですよ、豚ミンチじゃありませんよ。ミンチの概念が雑! そしてお隣の豚肉屋さんに豚ミンチはありませんでした。

滷肉飯(ルーローファン)は甘辛く煮こまれたミンチ状の豚肉をごはんにかけた、台湾の国民食です。でもこの肉の細かさはお店によって違います。なぜなら、お店の人が自分たちででっかい包丁を持って、分厚いまな板の上で刻んでいる自家製ミンチだからです。肉が粗目でゴロッとした滷肉飯は出汁が肉に染みこみ、噛みしめると旨みがジュワッ。でもそれはどちらかというと肉塊寄りで、私の求めるミンチ感は薄い。

右のような大きめに豚肉を切ったタイプの滷肉飯が比較的多い印象です

肉丸(ロウワン)は、その名の通り肉団子。スープや鍋燒意麵(ゴウシャオイーミェン)に入っていますが、ドロドロのペースト状にした肉を丸めたものなので、ブリンブリンと激しい弾力があって肉の食感ゼロ。これもミンチ料理とは言えません。

右中央に浮かんでいるのが肉丸。鍋燒意麵は揚げた麺を煮込んだ台南名物です。台北でも食べられます

私のミンチ欲を満たしてくれるのは、餃子、ワンタン、そして獅子頭(シーズトウ)といったところでしょうか。

獅子頭はネギやショウガを混ぜこんだ、こぶし大の揚げミートボール。野菜と一緒に煮込むことが多いです

そんなミンチ肉には少々思い入れが強い私に、家庭で作れるミンチ料理を今回も台湾ママに教えてもらいました。

「瓜仔肉(グァズロウ)」は台湾版蒸しハンバーグ。日本の中華料理店などではなじみがないかもしれませんが、台湾の家庭で愛されている定番料理です。ハンバーグ的なものは台湾でも人気のようで、食卓にのぼったら、特に子供たちの手が伸びる伸びる。

切って、こねて、蒸すの3行程ですが、手を動かしているのは10分以内で、あとは蒸し器に入れてほったらかし。そしてこの料理の大事なポイントは、きゅうりのキューちゃん!「台湾でキューちゃん!?」と思われるかもしれませんが、その解明は後半で。まずは作り方をどうぞ。

*   *   *

【台湾ママ流 瓜仔肉(台湾ハンバーグ)】

●材料(丼1杯分) 所要時間40分

豚ミンチ 200g
きゅうりのキューちゃん 大さじ2盛り(お好みで)
きゅうりのキューちゃんの汁 大さじ2
ニンニク 3かけ
ネギ 1本
ゴマ油 小さじ1/2
日本酒 小さじ1/2
白胡椒 2ふり

●作り方

1. キューちゃん、ニンニク、ネギをみじん切りに

2. 丼か深めの皿に豚ミンチと1の材料、そしてゴマ油、日本酒、白胡椒をすべて入れる

3. 全体が混ざり、粘りが出るまでこねる。

4. 最後に破裂防止のため、中央部分を手でへこませる

5. 蒸し器で約20分蒸す。竹串を刺して汁が出たらOK。火を止めて蓋をしたまま、約10分蒸らす

台湾の家庭の必須調理器具、電鍋は台湾ママのおうちにも! 年季が入ってます。電鍋で蒸す場合は、外鍋に水2カップ

★台湾ママのワンポイントアドバイス
・ふわっと食感に仕上げたいなら、卵1個を
・より台湾らしい味わいを感じたいなら、五香粉をお好みで

*   *   *

蒸しあがった器には、肉汁とキューちゃんの旨みがまじりあったたっぷりのスープが肉を浸しています。キューちゃんの甘みが蒸すことで見事にミンチ肉になじみ、ミンチの合間からひょっこりと顔を出すキューちゃんのポリッとした食感もいいアクセントに。ごはんが進む料理です。

さて、キューちゃんのことをここまで引っ張ってきましたが、お待たせしました。台湾には「大茂黑瓜(ダーマオヘイグァ)」という台湾の小さなキュウリを使った漬物があります。これがきゅうりのキューちゃんに味も見た目も酷似しすぎ!

大茂黑瓜が入ってこその瓜仔肉なのですが、大茂黑瓜を知らなかった私は、スーパーに並ぶ瓶越しに透けて見える似たような色と形の瓶詰たちを前に混乱。そこで小さいサイズの瓶に入っていた、使い切りやすそうな「菜心(ツァイシン)」を購入して台湾ママのお家へ持っていったのです。

それを見た台湾ママ、ぴしゃりと言い放ちました。

「これはキュウリじゃない! 野菜の種類が違う!」

え~? 来る前に味見してみたんだけど、キューちゃんと同じ感じだったのに……。菜心はアブラナ科の葉野菜で、太い幹をカットして漬け込んだものだそうです。食べ比べてみると――いや、わからん。

ということで、台湾のスーパーで購入する場合は大茂黑瓜をおすすめしますが、菜心を買っても問題ありません。今回は、台湾ママの家に残っていた大茂黑瓜と、私が持参した菜心をミックスして作りました。これくらいゆる~い感じで作るのが台湾流おうちごはんなのです。

関連書籍

AKRU『台湾ごはん何食べる?台湾人・阿米と日本人・美菜の食楽記』

いつか、台湾に行けるその日のために。 水餃子、ワンタン、牛肉ラーメン、肉そぼろごはん、火鍋、海鮮、夜市、クレープ、揚げパン、かき氷……台湾人が本当に好きな台湾美食の旅にご案内! 台湾人の漫画家が日本人に指南する、台湾グルメコミックエッセイ。

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竹中式子

台北在住編集者。美味しいものとお酒が大好き。コミックエッセイ『台湾ごはん何食べる?』で取材したお店を写真つきで紹介するTwitter@taiwangohan1 、Instagram@taiwangohan 、Facebook@taiwangohan 、個人的に訪れた台湾美食は Instagram@shishizizi で公開中。美食以外の台湾の日常をつづったコラムを Facebook @cwssousakugakkou にて連載中。

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