
前回「レッスンには行かない選択をしている」と書いたおかげで迷いがなくなりました。
それまではレッスンの時間が迫ってくるたびに「行こうかな」「やっぱり、やめとこかな」「でも、まだ間に合うな」と、出発の電車の時刻が過ぎるまで迷っていたものですが、今は落ち着いて机の前に座っていられます。
3月になって緊急事態宣言が解除されたら、すぐさまレッスンに復帰したいと思っています。が、それまでにクリアしなければいけない問題が……
緩んだ身体、増えた体脂肪、衰えた筋力。
もう3ヶ月ほどレッスンには行っていないので、バレエで使う筋肉はすっかり衰えているはずです。12月に一度だけレッスンに行ったときも、筋トレを続けている腹筋や背筋は以前より強くなっていたものの、ジャンプの着地で膝カックンとなりました。キケンです。
また、先日初めて我が贅肉と贅肉が擦れ合う感じを体験しました。ヤバいです。
久しぶりにレッスンに行って、
太らはったなー、とか
衰えはったなー、とか
ヘタにならはったなー、とか
思われたくない! ないなーい!
ヘタは仕方ないとして、太ったと、衰えたには抗いたい!
ムダな自意識と負けん気につき動かされて、少し前から筋トレを強化。ダイエットも始めました。歩く距離も増やしています。体脂肪は手強く、表皮のゆるみには打つ手なし。マスク生活によるフェイスラインのぼんやり化にも終わりの見えない今日この頃ですが、ちょっとでもマシな姿でスタジオに戻りたいのです。
ところで、最近、前から歩いてくる人とやたらと目が合います。
何?
どっかおかしい?
マスクはしてる。
ジ、ジッパー?
と思ったけれど、長いコートを着ているので仮に開放的になっていたとしても見えません。
わたし、イケてる?
いや、それはもっとないやろ……。
ならば、何故? と考えて、マスクのせいだと気づきました。
人は通りすがる他人について無意識に情報収集しています。マスクをせず顔全体が見えているときは、一箇所を見つめずに全体の印象からふんわりと情報を集めているようです。しかし、マスクをしていると、生身の部分が、つまり情報源が目だけになってしまうので、ダイレクトに目を凝視してしまうのだと気づきました。
それで、前から歩いてくる全員とバッチバチ目が合います。
全員とメンチ斬り合う勢いです。
マスクのせいです。
大丈夫。ジッパーは開いてないし、イケてもいない。
打ち合わせで初めて出会う人とも、今はマスク越しに挨拶をします。
目の印象だけで相手の全体を想像しながら話をしますが、途中お茶を飲むのにマスクを外すと、
そうきたか
と思うこともしばしば。いや、ほとんど。カフェでお茶しているときも、あちらの席の見知らぬ人がマスクを外すのを見ては、
そうきたかー
と思っています。大抵の場合は予想とは違うお顔立ちです。私は人の顔を実際より短く想像するクセがあるようで、誰かがマスクを外すたびに、
長っ
と思います。鼻から下の情報量は意外と多い。そして、目は口ほどにものを言うと言いますが、目がものを言うのは口と連動していてこそで、目だけでは大してものは言えないみたいです。
皆さんの想像にどんなクセがあるのか訊いてみたいです。
そして、それは何に依るのかも分析すると面白そうです。
些細なことを楽しみながら、レッスンに復帰できる日を待っています。
大人バレエの世界

いくつになっても憧れる華やかなバレエの世界。アラフォーからバレエを始めた著者による、楽しく、たくましく、哀しくもおかしい“大人バレリーナ”の日常。
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