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大人バレエの世界

2021.11.20 更新 ツイート

#112

発表会のブルーレイ鑑賞会がつらかった件(涙) 丸山裕子

先週のライブが素敵すぎたので頭の中は藤井風さんでいっぱい。けれど、2回続けて藤井風さん回だと怒られそうなので(誰に)、今日は粛々とバレエのことを書きます。

でも、一つだけ。アリーナのかなり後方の席だったので「今日は見るのは諦めて(持参したオペラグラスもバッグにしまって)会場の空気を楽しもう!」と友人と決めた矢先、目の前の通路にサックスを吹きながら現れたリアル風さん。その距離1m以内! 手の届く距離! 何だろう? 夢ですか?

これですべてが報われた気がしたし、私、やっぱり持ってるかもしれません。

 

この日の神戸は昼頃までは快晴だったのに午後から空の色が怪しくなり、開場時間には文字通りの暴風雨でした。傘を持ってなくて、でも近所に1軒しかないコンビニの傘は売り切れで、濡れながら入場を待っている人もたくさんいました。この状況、風さんが見たら気にするだろうなぁと思っていたら、やはりそうだったようで。(ライブ中にお客さんのトイレの心配や、拍手をする手の痛みを心配をする彼です)

客席から登場するサプライズは「嵐の中ライブに来てくれたみんなへ何かお返しがしたい」と、スタッフと相談して急遽決めたことだったそうです。いい子や。いいチームや。その配慮も、すぐに行動に移せるところも。ほんま、ありがとう。今後風さんのライブ当日には「嵐になれ」と望む人が増えることでしょう。

そんな始まりだったので、ライブは否応なしに盛り上がりました。ですが、続きはまたいずれ。


週明けにはTシャツプリントを手伝いに来てくれた友人と、発表会のブルーレイ鑑賞会をしました。スタジオでは「思っていたより良かった」「全体で見ると綺麗だった」なんて言葉が飛び交っていたのですが、私に限って言えば、私史上もっとも残念な出来でした。

たしかに、自分に注目しなければ、全体としては綺麗なところがたくさんあります。衣装と美術と照明とスモークがいい仕事をしてくれています。27人の群舞は迫力があって、4幕らしい雰囲気を醸し出しています。が、しかし、唯一の私の踊りのパートだった4羽の白鳥のところが……グダグダオブグダグダでした。

謎の絶不調だったので踊っているときから残念な自覚はあったけれど、改めて直視すると……イ、イタイよ……。心が……。

もう一度見る気になれなかったし、ブルーレイ買わなくて正解でした。これを証拠として家に残さなくてよかった。初舞台のときはもっと下手で何もできなかったし、これまでも上手だったことは一度もないけれど、でも、でも、今回よりはマシでした。ワーストワンです。あくまでも私に限って言えば。


端的に言って、練習不足でした。

バレエに限らず、ピアノの発表会や、水泳の試合でもそうですが、「もう飽きた」「もうこの曲聴きたくもない」「もう泳ぎたくない」ってくらいやっておいて初めて、まあまあ真っ当な演奏ができたり、いいタイムが出たりするものです。

ところが、今回は飽きるどころか、あちこちがフワフワとうろ覚えのままでした。コロナ禍でクラスが細かく分けられ1クラスに充てられる時間が少なかったとか、群舞を通して踊ると20分ほどかかるので1レッスンに1~2回しか通せなかったとか、仕事が忙しかったとか、事情はいろいろあります。緊急事態宣言明けの6月まで私はレッスンを休んでいたので、体力筋力が著しく後退したところからのスタートでもありました。

仕方がないと言えばそう。だけど、ダメージは大きくて、「発表会はもういいかな」と珍しくネガティブモード全開になっています。


スタジオ開設15周年記念の発表会だったので、私のバレエ歴も15年。同じときにバレエを始めた幼稚園児だった子たちは20歳近くになり、すっかりダンサーらしく踊れるようになっています。一方の大人バレリーナたちは、彼女らが幼稚園児だった頃の踊りのままです。(かわいさはないけど)

同じ15年を比べると、大人と子どもって別の生きものと言っていいくらい違います。まざまざとその違いを目にして、希望の無さに脱力する一方で、面白いなぁとも思います。

大人から何かを始めるってこういうこと。
自覚するにはいいかもしれません。

とは言え、懲りずにまだやりたいことはあります。子どもと違って残りの時間が見えてくるので、やりたいことはやっておかないととやけに貪欲になったりもします。結果はどうでもやってみよう、やらないよりはずっといいやんと開き直ったりもします。

大人のようにただ存在するだけの(有効活用される可能性の低い)伸びしろではなく、伸びる伸びしろのある子どもたちに、この貪欲さや開き直りがあれば最強だよねと思うけど、そこはそうもいかなかったりで。

人生って。ね。

 

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大人バレエの世界

いくつになっても憧れる華やかなバレエの世界。アラフォーからバレエを始めた著者による、楽しく、たくましく、哀しくもおかしい“大人バレリーナ”の日常。

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丸山裕子 イラストレーター

京都市出身。踊るイラストレーター。健康のために始めたバレエにはまり、寝る間を惜しんでレッスンに通う。『バレエ語辞典』の全イラストを担当。書籍や雑誌、広告にイラストを描いている。女性、育児、健康、犬と花に関するものが多い。イラストエッセイは『しあわせな犬生活を』(ドッグワールド)、『極楽いぬ生活』(ペピイ)。布花作家でもあり、『まんまるさん®︎』という古布を使ったオリジナルのアクセサリーを作っている。
Instagram  @yuko.illustrations

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